男の痰壺

映画の感想中心です

映画感想【さは~さん】

39 刑法第三十九条

★★★★★ 1999年5月15日(土) アポロシネマエイト5 『砂の器』を参照したというのも成程な最果ての地から時間を遡行しての情念。テーマとして新しくも無いものを、あざとさを恐れぬ今風演出でゴリ押しする確信性。そして、コンセプトに沿った演技者達は垂涎の曲…

サブリナ

★★★ 1996年1月13日(土) テアトル徳山Ⅱ コク落ちする食材でも逸品のレシピで手練れが撮ればそれなりのものにはなる。とは言えオードリーやボギーと比較されては誰だって可哀想。その絶対の元ネタゆえに許される。これはこれで安心して見てられるという意味で…

サラリーマン専科

★★★ 1996年1月3日(水) テアトル徳山Ⅱ 無難な出来だが妹が弟になっただけで『男はつらいよ』第1作と構成が実に似ている。ただし微温的で下品な破壊的パワーが全くない。今更の60年代のサラリーマン像を持ち込んで良しとする山田洋次の出がらしみたいなネタ…

ザ・メニュー

★★★ 11月28日(月) TOHOシネマズ梅田4 撮影と美術が秀でていてなんとなく満足感が得られたような気がするのだが、全てが浮ついていてどうってことなかったという、そういう新規オープンの器だけオシャレな飲食店ってあるよなと思わせる出来。 孤島にあ…

ザ・ロック

★★ 1996年9月16日(日) 徳山国際シネマ ジャンル定形の要素を並べただけでオリジナリティゼロなのにしてやったりの大見得を切る。パターン化したマニュアル通りの作劇には心底ウンザリ。劣化AIが作った代物めいて馬鹿なりにでも破綻してみろと言いたくなる…

ザ・ファン

★★ 1996年10月26日(土) 徳山国際劇場 野球フリークという新味がなければ役としても凡庸なのにデ・ニーロの変質演技が余りにルーティーンでウンザリだ。演出も一線を越えることに対して意識的でない。トニー・スコットであればマニュアルライクにこうなるだろ…

3-4X10月

★★★★★ 1995年2月12日(日) ACTシネマテーク 平素がどうであれ男達が有する内に秘めた怖さの突発的表出に対する既視感を繰り返しクローズアップ。わけてもたけし・渡嘉敷コンビの個人史に基づくリアリティが傑出してる。シュールな展開も脳内組成でない肌感…

ザ・ペーパー

★★★★ 1995年7月22日(土) シネマアルゴ梅田 スクリューボールなシテュエーションコメディの伝統を正統的に受け継いだオーソドックスの素晴らしさを再認識させられる。とは言ってもシーンの継ぎの巧さなんて意外なほどの凝り方。とにかくアメリカ映画らしいア…

三文役者

★★★ 2001年5月30日(水) ホクテンザ2 それなりに巧妙な竹中の泰司芸ではあるが素でシンクロしたと思わせる瞬間が確かにあったように思える。波乱万丈とまではいかぬ泰ちゃん人生にセットやメイクに拘泥せぬ緩い新藤イズムで対し自身の作品中心の展開でも手前…

ザ・ミッション 非情の掟

★★★★ 2001年10月11日(木) テアトル梅田1 目的のもと集められた集団が内紛したりの確執の代わりに緩い仲間意識からホモソーシャルな世界に至るジョニー・トーの起源。そこでは当然戦いも幾何数的な潔癖で語られる。SC内での攻防は静謐な厳格さで統御され、…

355

★★★ 2022年8月8日(月) 新世界国際劇場 華に欠けるとでも言いましょうか。主戦級の女優が5人揃ったんですけど。 華がなくても実があればですけど、エモーションが起動してアドレナリン噴出するようなプロットがないし、アクション演出も凡庸。 フェミニス…

さらば、わが愛 覇王別姫

★★★★ 1994年4月3日(日) 三越劇場 多くのドラマトゥルギーが帰結の予兆的萌芽を内包し物語を深化させる前半の少年時代が良いのは編年記の常。しかし、後段、愛に言及し仮初にも三角関係に展開の綾を託すにしては余りに躊躇が横溢し近代史の嵐の中で雲散霧消す…

PLANET OF THE APES 猿の惑星

★★★ 2002年2月1日(金)~2日(土) 天六ユウラク座 やけにオリジナルが名作に思えてくる奥行きのないお手軽世界。タメが無いからプロットは物語を進行させる為だけのものに堕す。特に人間に加担する猿たちの描写は全く納得性が無い。ティム・ロスの残忍やヘレナ…

三姉妹

★★★ 2022年7月9日(土) シネリーブル梅田2 三姉妹の露悪的とまで言えるキャラ付けが、力が入っていて一体物語をどう転がすかとの期待を抱かせるものではある。加えて彼女たちの各々の家族も概ねロクでもない奴ばかり。 こういうゲス野郎ばかりが出てくる映…

ザ・ロストシティ

★★★ 2022年6月27日(月) 大阪ステーションシティシネマ10 予告篇見ただけで見る前からどの程度の映画かわかるし、本当にその程度の映画であった。 だって、還暦間近のサンドラ・ブロックと10年前にちょっと売れてた程度のチャニング・テイタムの秘境も…

ザ・ワン

★★★ 2002年7月22日(月) ホクテンザ2 リーの体技にCGを組み合わせたバトルが思いの他彼の技を殺しておらず巧く機能してる。2役の処理も粗が無く丁寧で好篇だと思うがストーリーが新味に欠ける。土台、絶対悪が自分自身ではエモーションのベクトルは拡散す…

ザ・プレイヤー

★★★ 1993年2月11日(木) 梅田ピカデリー1 技法への拘泥や豪華ゲストが喧伝され、ミステリーとしての本質が呼び込むダイナミズムが消失。コーエンやポランスキー向きの題材をアルトマンが悪方向に捻じ曲げてしまった。長廻しは弛緩し、カメオは所詮カメオで得…

ザ・メキシカン

★★★★ 2002年9月13日(金) トビタシネマ 緩い音楽と主役の2人が浮ついて(特にジュリア)恋人同士に見えないのが難点だが、「銃」をめぐっての争奪戦は拡散しまくり次々に魅力的な中年男たちが登場。旧来の物語にタランティーノがこじ開けた風穴を通り抜ける…

サンタ・サングレ 聖なる血

★★★★★ 2002年10月26日(土) 扇町ミュージアムスクエア 大空を舞う1羽の鷲が見下ろす人間界の寓話が象の葬式によって幕が開くというのが訳はわからんまでも一種の神話性を獲得し得ていると思う。それがごった煮的展開の果てにトラウマからの開放で収束するの…

THE BATMAN ザ・バットマン

★★★★ 2022年3月24日(木) TOHOシネマズ梅田8 バットマンって何でこんなに映画化されるのかわからんし、特にどこがかっこいいのかわからん俺ですが、マット・リーブスが監督ってことで観ました。 ティム・バートンの「リターンズ」を未見なのでよくわか…

ハンテッド

★★★ 2003年5月31日(土) 梅田ブルク7シアター5 デル・トロのトラウマは物語を転がすための方便として緩さを黙認しても全編に渡って骨子となる「子殺し」というテーマが何の切実味もなく悲愴感が欠片も感じられない。電車を使ったチェイスの冴えのみが往事の…

ザ・ユナイテッド・ステイツvs.ビリー・ホリデイ

★★★★★ 2022年2月23日(水) MOVIXあまがさき1 映画の骨子は、楽曲「奇妙な果実」を歌う歌わせないをめぐってのビリー・ホリデイと米当局との確執みたいな建て付けだが、そこは案外に淡白だと思う。映画の評価が今一なのはそのへんなのかもしれません。…

THE MOLE ザ・モール

★★★ 2022年2月16日(水) 新世界国際劇場 ポスターの惹句に「この男、ヤバすぎる」とありましたが、俺のもった印象は、「この男、胡散臭すぎる」です。 フェイクドキュなんじゃないかの疑念が拭い難いのだが、英BBCやNHKBSでも放映された作品だそう…

明治俠客伝 三代目襲名

★★★★ 1992年8月16日(日) トビタ東映 受けの芝居では鶴田浩二に敵う男優は居ないと思う。渡世の筋と愛の狭間でのギリギリの煩悶を男ならこう身を処すべしと決めたら迷わぬ潔さ。藤純子とのコンビもしっくりくる。真っ当なドラマトゥルギーに拮抗する美学的加…

三月のライオン

★ 1992年9月13日(日) 扇町ミュージアムスクエア 行き着くところまで行く閉じた世界と言うならそれはそれで結構だが、理想化された奥村公延の爺さんが出てきた瞬間に物語は白日のもとに客体化され一気に醒めた。他者の青い夢想を延々と聞かされるのは苦痛であ…

SAYURI

★★★★ 2006年7月22日(土) パルシネマしんこうえん 少なくとも登場人物としては語り部たる西洋が介在せず日本・京都の中で完結する物語をアジアの看板女優3枚が支配する点、それがハリウッドの潤沢な資本で精緻な再現が試みられた点で2重3重のアンビバレ…

サンシャイン2057

★★★★ 2007年4月21日(土) ナビオTOHOプレックス4 醒めた達観のようなものが全篇を覆っておりながら使命感も併存する世界がクール。規則的に回転する巨大アンテナが深層心理に及ぼす詠嘆と深淵がエフェクトとして効いている。そして、最後の1シーンの…

さらば箱舟

★★★★★ 1991年6月9日(日) 毎日文化ホール 津軽から沖縄へと飛翔した舞台は同一モチーフをリプレイし続けた寺山の表現方法に於ける閉塞世界からの解放を感じさせた。モチーフは変わらないが多くのトリッキーな仕掛けを散りばめた伝承譚的な味付けの一大叙事詩…

サマーフィルムにのって

★★★ 2021年9月5日(日) シネリーブル梅田4 時代劇マニアの女子高生が作る自主映画の話だそうだ。端から胡散臭え〜っとか思ったらダメなんでしょうけど、やっぱウソくさい。 だいたい、監督が主演の男に惚れて恋する乙女になっちまって悶々とか、何やっとん…

サラエボの花

★★★ 2008年1月19日(土) シネリーブル梅田2 疲弊を刻んだ母エスマの表情が多くを語るにせよ、やはり母娘の内面史に迫るには安易であってもトラウマの源泉を見せる必要があったんじゃなかろうか。いずれにせよ、男運無さそうな母を背に娘サラはやがて頚木か…