男の痰壺

映画の感想中心です

映画感想【ひ】

瞳をとじて

★★★ 2024年2月11日(日) 大阪ステーションシティシネマ6 冒頭、フィルムで撮影された一幕があり、おお、爺さんやっぱフィルムに拘ってるんや、昔と同じ感触のエリセ映画が蘇ってるわと思ったんですが、それは映画中映画の1幕であることがわかり、以降の現…

.ヒッチコック/トリュフォー

★★★ 2016年12月20日(火) テアトル梅田2 期待もしてなかったが、やっぱりと言うか、これは「映画術」という本に関する映画とは言えない。 ヒッチコックとトリュフォーに関する、もはや聞き飽きたような挿話をちりばめたアンソロジーにすぎない。 そりゃあ…

BFG ビッグ・フレンドリー・ジャイアント

★★★★★ 2016年9月19日(月) 梅田ブルグ7シアター3 宵闇に紛れ街を出て海嶺を大跳梁し至る彼我の距離感が微妙に的確に思われ、後半の現実世界との浸食も納得させられる。無垢で善なることを演じるライランスにあざとさは無く少年っぽい少女ルビーに子役の媚…

ビヨンド・ユートピア 脱北

★★★ 2024年1月15日(月) 大阪ステーションシティシネマ8 北朝鮮→中国→ベトナム→ラオス→タイ→韓国、12000キロの行程が唯一のマシな脱北ルートで、中国・ベトナム・ラオスは親北国家なので、そこで脱北者だとバレると捕まって強制送還される。強制送還…

秘密 THE TOP SECRET

★★★ 2016年8月6日(日) MOVIXあまがさき5 振っといて回収せず振りもなく主線に躍り出させるとっ散らかった脚本。概ね過去形吉川 と進行形梨沙のパートに分断するが連関は希薄だ。過去話を省き絹子という稀代の キャラを増幅すればシュアな出来にもな…

火 Hee

★★ 2016年9月12日(月) 第七藝術劇場 演出家桃井は役者かおりを統御し得たかと言うことだが、この初老の売春婦の自己語りから何ひとつ内実は見えてこない。あるのは彼女のカビ臭い演技プランを垂れ流す「桃井かおり」以上でも以下でもない。反復ギミ…

ヒズ・ガール・フライデー

★★★★ 2023年8月28日(月) プラネットプラスワン 「フロントページ」の元ネタであることは知っていたし、TV局に舞台を変えてリメイクした「スイッチング・チャンネル」も見ている。どちらとも佳作であったし、本作も十分に面白かったが、何せ知ってる話な…

ビデオドローム

★★★ 2023年6月21日(水) シネリーブル梅田4 何か得体の知れないものがジワジワと侵食してきて、つれて世界も変容していく。こういったモチーフをもとにポランスキーやリンチとか多くの映画作家が傑作をものにしてきたわけだが、クローネンバーグのこれはど…

ピースメーカー

★★★★ 1998年1月23日(金) 岩国ニューセントラルⅡ 日常の仕事をこなす如くハードな仕事を成就させるヒーローを確立。たたみかける編集の冴えも伴いアクションの切れは超A級。特にトルコのシークェンスは特筆でパノラミックな景観と錯綜する力のベクトルの混沌…

非情の時

★★★ 1998年7月25日(土) 扇町ミュージアムスクエア サスペンスとして上質とも思えぬ地味で栄えない映画だが、初期ロージーの初々しい技巧派振りの片鱗は窺える。フレディ・フランシス撮影による、これでもかとばかりの鏡使いまくり演出が微笑ましい。それが、…

丹下左膳餘話 百萬両の壺

★★★★★ 1998年12月23日(水) 第七藝術劇場 大河内の殺陣に潜む狂気な殺気と喜代三の骨身から滲む玄人臭。「日々平安」なプロットは本物イズムに担保され瞬時も緊張は途切れない。パロディに臨んで諧謔の中に鋭利を差し込む山中イズムの後世への波及。マスター…

ビッグ・リボウスキ

★★★★★ 1998年12月26日(土) テアトル梅田2 コーエン的ファクターが純粋結晶として顕現し『バーンアフター』へと延伸した傑作。ゲラ笑い必至の阿呆連中の与太話の背景に横たわるベトナム由来湾岸経由の戦争後遺症的病巣が不穏な緊張を注入し続ける。その錯綜…

非常宣言

★★★ 2023年1月10日(月) 梅田ブルク7シアター2 ソウルからホノルルまでの航空時間は平均8時間半なんやそうだが、そういう時間軸の話の筈やのに見ていてこりゃいったい何日間の話やねん的なテキトーさがどうしても引っかかる。 【以下ネタバレです】 航空…

ヒート

★★★★ 1996年6月8日(土) 徳山国際シネマ 大したことのない話で今更の競演だったが、だからこそ2人の存在感を再確認させられたと思う。作り手も、それを見せ切ることに徹していっそ潔い。全体に冷え冷えとした透明感を貫き市街戦の臨場感も図抜けてる。(cinem…

ビフォア・ザ・レイン

★★★ 1996年7月20日(土) 徳山市市民館小ホール 挿話は人の死で綴じられるのだが、民族悲劇の構造を浮かび上がらせるには至らない。トリッキーであることは構わないのであろうが、マケドニアとロンドンを往還する構成が何故に必要なのか。そのへんがどうにもピ…

陽のあたる教室

★★★★ 1996年6月30日(日) 徳山国際シネマ デジタル時代にアナログ骨董品を見た気がした。ベトナムを第2次大戦に置き換えればこんな映画は何本もあったような気がする。そつが無さすぎるし時代推移の表現などまるっきり紙芝居だが、愚直な素直さに素直に好感…

漂流街 THE HAZARD CITY

★★ 2000年11月14日(火) ワーナーマイカルシネマズ東岸和田7 外国人カップルが日本人ヤクザに追われるという設定なら、情に棹さすにせよ非情に突き放すにせよ物語強度が要件と思うが、プロットの遊びにかまけてる三池演出が不快。主演2人も弱かった。一方で…

秘密の森の、その向こう

★★★★ 2022年10月11日(火) シネリーブル梅田4 少女が森で遭遇する不思議譚ってことで、正直こういうのは食傷なのだが、それでも見て良かったと思いました。 セリーヌ・シアマの実力に関して「燃える女の肖像」だけでは未だ懐疑的だった俺ですが、こりゃも…

評決のとき

★★★★ 1996年12月28日(土) テアトル徳山Ⅱ 演出・脚本・撮影と秀でたネームバリューは無いのだが物語に対する確信的な自信が画力と艶を付与してる。オーソドックスな語りのダイナミズム。良質な役者と的確な演出とが合致すると映画は十二分に素晴らしい。無駄…

緋牡丹博徒 花札勝負

★★★★ 1995年2月19日(日) 新世界東映 良い意味で情を垂れ流すのが仁侠映画の約束事としそれを如何に厳格な様式をもって修飾するかという世界観の中では、これは同じ加藤の『明治侠客伝 三代目襲名』と並び双璧。好き嫌いはともかくこの峻厳さの前には納得し平…

昼顔

★★★★ 2001年3月7日(水) 動物園前シネフェスタ2 妄想人妻のマゾヒスティック白昼夢はドヌーヴの上の空とブニュエルの冷めた諧謔が交錯して巧まざる可笑しみを表出する。貴族階級のインポも下賤な活力も等分に否定され嘲笑に晒され挙句に訪れる平穏。そんな中…

ビートルズがやって来る ヤア!ヤア!ヤア!

★★★★ 2001年4月4日(水) 動物園前シネフェスタ1 4人と山程の女の子達と守旧派の警官や年寄りしか居ない世界で彼らの生温いオチャラケは予定調和にアゲられサゲられる訳だが、そういうベタネタをレスターのポップ技が加速することで毒を食らわばの境地へ誘う…

PiCNiC

★★★ 2001年10月20日(土) 梅田ガーデンシネマ2 片隅で唱える終末の孤絶した世界観は蠱惑的ではあるが抽象化というかシンボライズが昇華し切れてなく青くて生硬。しかし、それを補って余りあるCHARAのラジオ音声めいた声と巻き舌喋りが鬱陶しい反面心地…

ピストルオペラ

★★★★ 2001年11月30日(金) テアトル梅田1 キッチュとかポップとかでは糊塗し切れぬ残虐本質が子供じみた殺し屋1番競争を保たせる。ポリティカル脚本家とリアル志向エフェクトマンをどうひん曲げればこうなるのか不明だが画面の隅々までの気合乗り。恥ずかし…

ピアノ・レッスン

★★★★★ 1994年6月19日(日) 祇園会館 殊更に女性の社会性を取り上げることもなく、主人公エイダは、あたかも当然の如くに、自然体で、本能的で、西欧的価値観から自由だ。それは多分にカンピオンの価値観と同期してるらしい。正直尊敬せざるを得ない。主演2人…

ピアニスト

★★★★★ 2002年3月4日(月) 梅田ガーデンシネマ1 閉塞状況で育まれた自我が変態性にまで肥大化した世間知らず女の生態と言う事なんだろうが、この真正面から恥ずかしげも無く突き進むキャラクターは殆ど前代未聞。これを体現可能な唯一無二の女優ユペールの憑…

100%の女の子

★★★ 2002年2月28日(木) 扇町ミュージアムスクエア 蓼食う虫も好き好きで、どんな女の子を100%と思おうがかまやしないが、連れにこんな話されてもしらけるのと同じである。スティルカメラによる連続写真が通常のコマ延ばしとは違う面白い効果をあげている…

ビューティフル・マインド

★★★★ 2002年4月11日(木) 梅田スカラ座 終映後に甘いタイトルの逆説的な意味を噛みしめながら思った。この映画を余りに卒の無い演出と2段転調脚本の巧みな優等生振りから救ってるのは作り込んだクロウが発する狂気をとそれを受けて立つコネリーの発する迫真…

美女と野獣

★★★ 2002年5月3日(金) シネリーブル梅田1 誰もが知るこの話を如何に見せるかのコクトーのアイデア自体は稚拙な戯れで今更の感があっても、多分アルカンが主導したであろう日常シーンの気合い入りには瞠目させられる。音楽オーリック共々仏映画のレジェンド…

左側に気をつけろ

★★ 1994年8月6日(土) 京都朝日シネマ1 どうにもこのタチの芸風が好みではなく、ヘタの横好きみたいな親爺が様にもならないチャップリンの物まねをしてるみたいな居たたまれ無さを感じる。この人の芸風は「のんき大将」を経てキートン風な「ユロー氏」で完成…