男の痰壺

映画の感想中心です

映画感想【あは~あん】

Unknown アンノウン

★★★ 2007年5月12日(土) 新世界国際劇場 5人の男達の葛藤の関係が琴線に触れることもなく哀しいまでに謎解きの1点にのみ収束せざるを得ない展開に芸の無さを感じた。そして、謎解きも深淵でもなんでもない結果で安心だぜ!ってなもんでフラシュバックも安…

あるいは裏切りという名の犬

★★★★ 2007年6月9日(土) トビタシネマ 力作ではあるが、ベッケルやメルヴィルにではなくジョン・ウーにリスペクトは向けられている。綿々たる情感の垂れ流しは嘗てのフィルム・ノワールの栄光に対する汚辱でななかろうか。フランス人じゃないからどうでもい…

アポカリプト

★★★★★ 2008年1月14日(月) トビタシネマ ギブソンが偏執的なのは知っていたが、ミクロに凝結せずに良い意味で拡散し、中盤はコッポラのベトナムの帝国を越えてフェリーニの古代ローマに迫るかとさえ思われた。どうなるのかの終盤も意外な単線構造が凛々しく…

あるスキャンダルの覚書

★★★ 2008年4月5日(土) 新世界国際劇場 嘗て『ミス・ワイコフ』が孤独の果てに越境した地平は2キャラに分断され意味を失った。途中でどうも高尚な映画でも無さそうだと気づいたのだが、なら決定的対決のカタルシスへと導くのが常道だろうにそうもならず煮…

アフタースクール

★★★★ 2008年7月4日(金) 梅田ガーデンシネマ1 何がどうなるか行く先不明のグルーヴ感。ただ前半にあった曲がりなりにもの不穏な空気はやがてマニュアル的に滅菌されていく。又、唐突の誹りを免れない佐々木と大泉の確執は書き込み不足か。何かと詰めが甘い…

ある現代の女子学生

★★★ 2021年7月19日(月) テアトル梅田2 女子大生の日常のスケッチとしては、2年前に撮られた「パリのナジャ」がキャラ立ちした留学生をモチーフにして成功していたと思うのだが、こちらは対象が平凡な女子だし映画も凡庸な出来である。 ならば、もっと複…

アビス

★★★ 1990年7月15日(日) 新世界国際 金に糸目を付けぬ海溝描写には時折堪能させられるものの、行き着いたところが絶対神的異生物による人類救済となれば否応なくテーゼに於いて『未知との遭遇』との類似性を想起せざるを得なく、となればキャメロンの作家とし…

アメリカン・ギャングスター

★★★★ 2009年5月9日(土) トビタシネマ パラノイアなカリスマが出てこない等身大の『アンタッチャブル』。人より僅かに慎重なギャングと僅かに潔癖な警官の物語だが、最高級の役者と匠の域に達した演出で熟成バーボンのような味わい。終盤2人が初めて相対す…

アンドレイ・ルブリョフ

★★★★ 2021年6月6日(日) シネヌーヴォ 水や火や超常現象への拘りは未だそんなに際立っていない。これを見て「惑星ソラリス」がタルコフスキーの分岐点だったのだなと改めて思ったし、こういうプレ・タルコフタッチな土着的で政治的な混沌のクロニクルをもっ…

アラトリステ

★★★★ 2009年6月27日(土) 新世界国際劇場 行間を省いた叙事的な編年記体が惜しい。多くの登場人物がエピソードの表層をかすって行く。しかし、終盤の幾つかの挿話で浮かび上がる主人公の想い。人妻と友人の遺児へ報いを求めぬ真の男気に激烈に打たれる。美…

暗黒街の対決

★★★ 1990年11月18日(日) 日劇シネマ 何がどうなっているのかどうでもいいような話が延々と続いてしんどいところに、バタ臭い喜八演出が半端に遊んでしまって肩入れのしようがない。カルトだと言えばそうなのだろうが、少しは琴線に触れてくれないとと思う。(…

アパッチ砦

★★★ 2021年5月4日(火) プラネットプラスワン これと後に続く2作で騎兵隊3部作と言われるらしいが、やっぱこれは「黄色いリボン」「リオ・グランデの砦」とは異質である。 それは、カスター将軍率いる第7騎兵隊全滅という歴史的な大トピックをモデルにし…

アンタッチャブル

★★★★ 1989年12月31日(日) 大毎地下劇場 正攻法で成立する訳ない今更のベタ題材にデ・パルマはベタをもってベタを制すとばかりに天下の『ポチョムキン』ネタをモンタージュを解体してブチ当て、メソッドの権化デ・ニーロを配してコスナー・コネリーを引き立て…

アンナと過した4日間

★★★★ 2009年11月5日(木) 第七藝術劇場 死牛など末世なギミックと泥濘の工場でのレイプなど先鋭な描写に魅せられつつ、多くの同工異曲の映画的記憶との類似に失望する。しかし、終盤、主体に倒置したアンナが青い探照灯に照らされ、深遠な孤独が浮かび上が…

或る夜の出来事

★★★★ 1988年12月4日(日) セントラル劇場 大概な人生を歩んで来たのだろうと思しき野郎にだって男の矜持を見せる瞬間があるのであって、それに理解をしめす大富豪の義父がいたってことだ。アメリカンな理想郷はなんと真っ当なモラリズムであることか。殺戮と…

アバター

★★★★ 2010年1月9日(土) 梅田ブルク7シアター6 確かに宮崎的世界観であるが、細緻の極みの3D臨場感で具現化された生物・景観と兵器・機械の往還の前に殆ど気にならない。越境が反文明の自然信仰に帰する凡庸も、終盤バトルのクドさも許容するが、『モス…

暗殺の森

★★★ 1987年11月23日(月) 三越劇場 トラウマから逃げるためにファシズムに傾倒し命ぜられるままに暗殺に手を染める。そういう主人公の受け身人生が感情を排した観察眼で取り上げられるのだが、一方で耽美的な映像やデカダンな意匠にここぞとばかりに傾注する…

アマデウス

★★★★★ 1986年5月11日(日) 観光会館地下劇場 表裏の無い直截なコンプレックス描写は単視眼的でレトリックに充ちているとは、お世辞にも言い難いが、搦め手から攻めるが如きモーツァルトの今風キャラ確立と正攻法に歴史を包含する重厚な美術のアンビバレンツ。…

アントニオ・ダス・モルテス

★★★ 1985年12月30日(月) SABホール 意匠や設定は商業主義な定石に準拠しているのだが、そう思って見るとバイオレントもシュールも不足気味で余りにゆったりしたテンポがしんどい。勧善懲悪とは行かぬわだかまりの中行き着くところにカタルシスは無い。原…

アンストッパブル

★★★ 2011年1月8日(土) TOHOシネマズ梅田1 優れた音響と細密なモンタージュによる『激突』アプローチで序盤では「怪物」として君臨していた重機関車だが、後半は当たり前の列車に成り下がっていく。実話の枷に縛られるのならTVの再現ドラマで充分。…

アンチクライスト

★★★★ 2011年3月17日(木) テアトル梅田1 再生が語られるかと思うそばからの予想外の急展開。「マタイ受難」な落としどころを擦り抜け最果てに提示される全否定。その意味することの可否や好悪を乗り越え、世界に1人背を向けて立つトリアーの孤絶感。少な…

アパートの鍵貸します

★★★★★ 1983年5月7日(土) SABホール インモラルと純情や下衆根性と誠実は表裏であることをワイルダーは最高に哀切なロマンティシズムを背景に呈示し、付与のキャラと正反なシャーリーの翳りとレモンの誠実を抽出した。イヴの狂騒を逃れてアパートへ向かう…

アレクサンドリア

★★★★ 2011年7月21日(木) 新世界国際劇場 命を賭して貫く信念と言うより、ふとした身の処し方への拘りから袋小路へ追い込まれ引き下がれず抗えない女。愛しい女の苦境に男が成すべき誠実。宗教戦争の現代へと連なる普遍を背景にマクロとミクロの往還技法の…

アンノウン

★★★ 2011年9月23日(金) 新世界国際劇場 意外性はあったが、卓袱台をひっくり返すようなことをしといて、ベーシックなハリウッドマターに準拠するから生煮えになる。3転4転の破綻こそが望ましい。異郷感覚のムードは撮影の良さもあり秀逸。ガンツも歴史の…

天城越え

★★★ 1983年11月16日(水) 伊丹ローズ劇場 加藤泰的な湿った思い入れが過剰に出て退くところと、旧態的撮影所システムの仕事にマッチして奥行きと厚みをもたらすところが混在する。ただ、そういう微妙な均衡を現代シーンの安い書割セットと拙い渡瀬の老けメイ…

アパッチ砦 ブロンクス

★★ 1982年1月16日(土) 新世界国際 街「ブロンクス」が一方の主役と言うコンセプトなら、あくまで淡々とドキュメンタルにアプローチすべきでニューマンは不要だし、造形を凝らしてギミックの1つもというなら芸がない。何れにしても厳しさが無い。(cinemascap…

アメイジング・スパイダーマン

★★★★ 2012年6月24日(日) MOVIXあまがさき11 3D効果もあるが半端ない高所感であるし、飛翔の質量と重力のリアリズムはライミ版を凌駕する。敵キャラのオリジナリティは今一だが、錯綜したすったもんだの友人はカットされ恋人とは「好き」の1点突…

アベンジャーズ

★★★★★ 2012年8月17日(金) 梅田ブルク7シアター6 精緻なフィギュアのジオラマ的ミディアムショットの安定と宮崎駿的アクション演出のキメの快感が交錯する中、旧ハリウッド籠中の凸凹コンビの応酬を軸に全うした脚本を久々に感じた。ダウニー主戦だがスカ…

アパートメント:143

★★★★ 2012年11月17日(土) シネリーブル梅田2 『PA』亜流かと思えば、『ヘルハウス』や『ポルターガイスト』系譜のプロチームのお化け屋敷攻略色が堅牢な良作。戦略的に多く設置されたカメラの複眼的視点交錯が1カメのストレスから見る者を解放する。遡…

甘い生活

★★★★★ 1982年11月8日(月) 梅田ロキシー 60年の今を描きながら典雅で絢爛たる古典の風格をも持つ。時空の狭間から現出した異次元空間の如き狂騒世界はやがて静謐の境界線上に至るのだが、生ある者は戻るしかない。その図式的展開の強固なパワー。何十時間で…