男の痰壺

映画の感想中心です

映画感想【あは~あん】

アルフレード アルフレード

★★★★ 1976年8月29日(日) 元映 この世の異界に引き込まれてしまったかの如きシチュエーションは伊映画界にひとり放り込まれたアメリカ人のホフマンだからこそ醸し出せた味だったかも。女難と離婚のジェルミ自家籠中題材への執念を感じるしサンドレッリの可愛…

哀れなるものたち

★★★★ 2024年2月日(土) MOVIXあまがさき7 ビクトリア朝時代ということだから、19世紀末から20世紀初頭の話なのだが、多分にパラレルワールドめいた奇想的な美術・衣装が施されている。ランディモスのこれまでの作品も奇想を旨としてきたけど、意…

網走番外地

★★★ 2016年12月10日 新世界東映 同時期に並行して作られていた任侠路線からすれば随分甘い作劇でいいかげんなものだ。 が、であるからこそ自由な空気が溢れている。 篇中、健さんが邦衛の垂れ目をからかう件があるが、たぶんアドリブだろう。 そんな空気は浴…

アブラハム渓谷

★★★★★ 2016年11月19日(土)シネヌーヴォ シニカル爺さんがその攻撃の爪をたたんだふりをして、文学的芳香をあらん限りの力量を投じて注ぎ込んだ作品として、ブニュエルの「哀しみのトリスターナ」と好対を為すであろう。 もちろん、たたんだ爪は随…

アラビアのロレンス

★★★★ 16976年11月23日(日) 大毎地価劇場 シャリフとクインを従えてのアカバ攻略をピークに映画は長い凋落に停滞感を強める。リーンの力技が随所に効いて惑わされるのだが構成は歪。色を添えるロマンスは皆無で代わるロレンスの少年愛嗜好も半端。その歪や…

暗黒街のふたり

★★★ 1975年1月26日(日) 伊丹グリーン劇場 ジョヴァンニの権力嫌悪が露骨すぎて為にする感濃厚な展開だが、それでも主人公の被虐を噛み締めるような水もしたたる面持ちが相変わらずの見せ所だ。情緒を排した終盤の畳み掛けるような展開も冴える70年代に量…

アルゴ探検隊の大冒険

★★ 2023年8月29日(火) 大阪ステーションシティシネマ6 サワリは何かで見てても通しでは見てないと思ってたのだが、見てるうちにこれ見てると判った。もちろん子供の頃のTV放映ででしょうが。まあ、覚えてないほどつまらなかったということなんでしょう…

aftersun  アフターサン

★★★★★ 2023年5月30日(火) 大阪ステーションシティシネマ7 親父は結局なんやったんや、でどうなったんやを詳らかにしない点で評価が異なるんかなと思うのだが、あえてそこに言及しないでここまでの作品に仕上げてみせたシャーロット・ウェルズの力量に打ち…

アルマゲドン・タイム ある日々の肖像

★★★ 2023年5月17日(水) TOHOシネマズ梅田4 映画が始まってすぐ、アレっと思うのは画面の薄暗さで、名匠ダリウス・コンジの撮影はアレンやハネケの作品を見る限りそこまでローキーではない筈である。本作はジェームズ・グレイが自身の80年代を苦渋と…

阿片台地 地獄部隊突撃せよ

★★★ 1998年12月23日(水) 第七藝術劇場 剃刀の如き怜悧な安藤昇の口跡の良さと暑苦しいまでの南原宏治の顔面演技の正面激突に見応えがあり見て損の無い出来。更にショウブラザーズの名花(知らんが多分)ペギー・潘(潘迎紫)がキューティで切ない。(cinemasc…

アバター ウェイ・オブ・ウォーター

★★★★ 2023年1月16日(月) 大阪ステーションシティシネマ12 前作から10数年が経ち今更の証文出し遅れ感があるし、しかも言うにことかいて5部作構想だと聞いてうんざりした。見んとこ思ってましたが「キャメロンを信じろ」との海外評とかもあって見まし…

あ、春

★★★★ 1999年1月23日(土) テアトル梅田2 父子の邂逅の物語が枝葉の部分が立ってラストに至り父と女達との物語にすり替わってしまう構造が不均衡とも思えぬほどに役者たちの充実度が目を見張る。委ねる境地に至った相米の懐で形成された山崎と富司・藤村のト…

アンダーグラウンド

★★★★ 1999年10月2日(土) みなみ会館 常識や倫理を微妙に逆なでし続ける圧倒的エネルギーと狂騒に為す術無く流されるのだが、それが国家が解体される混沌の民族史観と重なる酩酊。祖国と家族という2面的な喪失の哀感は太いシュールと熱いユーモアで上塗りさ…

ある貴婦人の肖像

★★★ 1997年5月24日(土) 徳山市市民館小ホール 強固な意志が有りそで無いよな成り行きに流されるヒロイン像であるし物語もドラマティックな展開がある訳でもない。自我の萌芽が糞詰まり的に感じるのは時代の抑圧が十全に描かれてないからかも知れない。曲者揃…

ある男

★★★ 12月5日(月) 大阪ステーションシティシネマ6 この世には理屈で割り切れないことがけっこうあって、何故そんなことをしたのか本人でもわからなかったりして、そういうのをテーマにした方が深いと思うんです。 種が開けてみれば「ある男」のやったこと…

雨あがる

★★★★ 2000年2月4日(金) ワーナーマイカルシネマズ東岸和田6 如何にもな黒澤的教条臭が鼻につく一方、主演2人の醸し出す夫婦の間に流れる空気の裏も表もなく互いを思い遣る気持ちの清々しさに心深く打たれる。ただ、小泉演出には1級の贋作を見たかのような…

アメリカン・ビューティー

★★★ 2000年5月8日(月) ユナイテッドシネマ岸和田4 骨法上ピースがきっちり噛み合わないもどかしさがある。現代家族の崩壊を描いたものではないと言われればそれまでだが、サブストーリーから現れた傍系人物が物語の締めを担うのではロジカルなカタルシスに…

アンカーウーマン

★★★ 1996年6月1日(土) 徳山国際劇場 業界盛衰譚を安定期の役者で無難に熟した以上でも以下でもないのだが師弟ものとして細部の尖ったリアリズムは蔑ろで恋する乙女の彼氏絶対観がヒジョーに安心。どっちにせよアメリカ映画であったことを心から幸いと思う。…

アムステルダム

★★★ 2022年11月1日(火) なんばパークスシネマ11 この映画の骨子は2つ。 第1次大戦で欧州に従軍した2人のアメリカ人がそこで1人の女性と出会い、束の間の共同生活を過ごす。男2女1のある種微妙な関係はトリュフォー「突然炎のごとく」を思い起こさ…

アフター・ヤン

★★★★ 2022年10月24日(月) 大阪ステーションシティシネマ8 チャイルドシッターロボのヤンが壊れて家族がどうなっていくかみたいな話かと思っていたら、ヤンの内面の記憶(=記録)を見て、あの野郎こんなこと考えてたのかと持ち主が驚愕する話だった。 そ…

嵐を呼ぶ男

★★★ 1995年1月28日(土) ACT活動写真館 本音を言えば裕次郎をカッコイイと思ったことは無くドラム合戦を歌で制するというのもズルイような気もする。ただ映画館が興奮の坩堝と化した伝説に高度成長黎明期のパワーを垣間見るのだ。そういう雰囲気は確かに画…

アルファヴィル

★ 1995年5月5日(金) シネマヴェリテ 大の大人のSF飯事。ハードボイルドに無機的な世界を描こうとしても否応なく愛に飢えたメンタリティが介入する。技術的にも中身の文明論にしても未だ稚拙。ゴダールにとって甘さに恥じらい無き時代と乾いて先鋭化する時…

アンブレイカブル

★★★★ 2001年3月30日(金) 梅田東映パラス 『シックス・センス』同様の孤独な魂の対峙と相克。超絶美技だった前作を完全に裏切るズッコケ展開なのだが、無駄にパワーアップした冒頭シークェンスを筆頭に何でもかんでも痛ましいまでの哀しみに満ち溢れさせてい…

アリゾナ・ドリーム

★★★ 1995年5月6日(土) ACTシネマテーク ダナウェイもルイスもよく肥えて弛んでおりアメリカンドリームの終末と残滓を体現して余りあるが映画まで弛んで感じるのはどうかと思う。しかし、一方で構成も場面の構築もきっちりしているので掴み所の無い茫洋感…

アメリカの惨劇 188人を私刑した男

★★ 1994年2月12日(土) 新世界国際劇場 数人殺したそのあとは殊更の葛藤もなかったのだろう。過ぎたるは無きに帰する。でも、だから何だって言うのか。これを再現ドラマで描く動機を理解できないし理解したくもない。ローバジェッドの泡沫フィルムの一群の中…

アモス&アンドリュー

★★★★ 1994年3月6日(日) 新世界国際劇場 大向こうを唸らせるようなものは無いオールドハリウッドな風刺喜劇だが、完全ブレイク寸前の実力ある2人の役者の四つに組んだ芝居を堪能できる。こういうものが、地方限定公開というニッチな公開のされ方で埋もれる貧…

アメリ

★★★★ 2001年12月10日(月) テアトル梅田1 繰り出される奇矯なアイコンとイメージの奔流に幻惑されるし、俯瞰的な説話語りが毒可愛いオサレ感を緩衝する。だが自閉から脱却し世界に自分を晒せとの問い掛けにアメリは終ぞ答えたように見えないのだ。『ザジ』か…

ありふれた事件

★ 1994年4月24日(日) ホクテンザ2 アンチモラルを描くのがいけないというわけでもないが、それでも何かを撃つというベクトルでも持たせないとしんどい。一片の共感もわかない連中ばかりの話を自主制作の8ミリ映画に毛がはえたようなレベルで延々と見せられ…

嵐の勇者たち

★★★★ 2002年2月14日(木) トビタ東映 くだらないと言えばこれほどくだらない脚本もないのだろうし、一種のお宝映画的に見ようとしても、そこまで振れ切ってないのだが、逆に言えば、それをここまで見せ切ってしまう演出力とキラ星の如きスターのパワーには恐…

アンダルシアの犬

★★ 1994年7月16日(土) ACTシネマテーク 眼球やロバの当時の衝撃は想像に難くない。背徳的で衝撃的で越境した描写には意味は有るし変革への里程標だ。ただ一方で100年持ちこたえる映画がある。これが『ポチョムキン』や『黄金狂時代』の3年後に作られ…