男の痰壺

映画の感想中心です

アラバマ物語

★★★★ 2017年2月8日(水) 大阪ステーションシティシネマ

裁判で被害者の証言で良心の呵責にとらわれる様の微塵も無く狂的な呪詛が続く。
洗脳ぶりを描いて突き抜けている。
そういう美点があるにせよ、明明白白な論陣の展開はあまりに杜撰だ。
結局。被告は敗訴する。
黒人が白人に裁判で勝つことはあり得なかった時代である。
ペックの一大弁論は抑制の効いた良いものだった。
くさいとは思わなかった。
 
ただ、この映画の美点は、そこには無い。
理想的な父親に見守られて元気いっぱいに過ごした子供時代の追憶の煌めきこそ唯一無二。
前半1時間は完璧に素晴らしい。
縦構図も随所に挟んだ演出は抑制されコントロールが効いている。
 
ちなみに、夏休みだけやってきて兄妹と遊ぶメガネ少年はトルーマン・カポーティだそうだ。
 
被害者証言が洗脳ぶりを描き突き抜けるが論陣の展開は杜撰。しかしペック一大弁論は抑制が効き欠点を補う。だが、映画の美点はそこでなく理想的父親に見守られ過ごした子供時代への追憶。前半1時間は完璧に素晴らしい。縦構図もコントロールが効いてる。(cinemascape)