男の痰壺

映画の感想中心です

映画感想【しあ~しの】

四月の魚 Poisson d'avril

★ 1986年6月15日(日) 友楽劇場 初期設定は『ねえ!キスしてよ』と同じで多分ワイルダーを意識してたんだろうが料理やファッションで誤魔化そうとする精神がさもしい。シチュエーション・コメディを手掛けるには100年早過ぎたマスかき連中の鼻紙。(cinemas…

地獄の7人

★★ 1985年5月20日(日) 大劇名画座 ベトナムは生々しいと言っても、戦争を描くのに必ずしも敵を描く必要はないと思うし、黒澤好きなのも結構なことだと思うからミリアス脚本が悪いとは思わない。問題はアクションとしての見せ方が平凡で緩いことだ。(cinemasc…

シーサイドモーテル

★★ 2010年6月14日(月) 梅田ガーデンシネマ2 劇中で山崎真美が「私って○○な人なの」と言うのに池田鉄洋が「自分のこと○○な人言うな」と言う1人称語りに俺は心中「大概その1人称語りヤメ!」と叫ぶ。兎に角台詞が恥ずかしく、4部屋のシンクロも無く設定…

しあわせの隠れ場所

★★★★★ 2010年6月26日(土) 新世界国際劇場 ヘタすれば鼻持ちならなくなる際どい題材ではあるが、一切脇目を振らない主人公が物語を担保する。そして、その担保を保障するのがブロックのカリスマであり、目力とタイトな衣裳が映画を駆け抜け支配する。オール…

ジェニファーズ・ボディ

★★★★ 2010年9月17日(金) 新世界国際劇場 女の脚本を女の監督が女主演で撮ったことで、明確に「男ってバッカでどーしようもねー」というコンセプトが発露されM的快楽を覚える一方、可愛い子ちゃんどもがイキがってる様に余裕綽々な高見の見物感もある。そ…

死刑台のエレベーター

★★★ 2010年10月15日(金) 梅田ブルク7シアター3 唐突にキレた状況から物語に差し込まれる玉山の描写。その脚色の冴えは買うし又絡む景子ちゃんも超ノーブル。問題は吉瀬のパートで、1夜の不安と焦燥と嫉妬の彷徨芝居はジャズ抜き外タレ加味で学芸会風味…

しあわせの雨傘

★★★ 2011年1月8日(土) 梅田ガーデンシネマ1 オゾンが撮る以上、類型的「女性自立」譚にはなるまいと思ってはいたが、何十年もの自分史を全否定し、元サヤへの未練を一顧だにしない媚び皆無の冷徹が正直俺にはキツかった。ディスコのお茶目や回想のエロな…

地獄に堕ちた勇者ども

★★★★ 1983年1月19日(水) サンケイホール 多重テーマを容易ならざる重層構造で描くが、「リア王」に於ける王不在の中で悪女の傀儡たるボガードが牽引するのが物語構造として如何にも弱い。しかし、替わって魑魅魍魎のようなホモセクシュアルを前面に突出させ…

死にゆく妻との旅路

★★★ 2011年4月23日(土) 高槻セレクトシネマ2 ブイブイ言わせてるときだと鬱陶しいとしか思えなくとも、クスブって受けに立ち行き場を無くしたときから最上の連れ合いとなる。孤絶した刹那な世界に埋没し破滅へ向かう旅路への仄甘い誘い。後暗い共鳴を覚え…

質屋

★★★ 1983年6月15日(水) 関西学院大学学生会館大ホール 撮影・音楽など完璧な布陣だが、それでもカサヴェテス以後ニューシネマ以前の立ち位置ゆえの煮え切らなさは拭えない。人間性の回復とまではいかぬプチドラマを重厚な一人芝居でスタイガーが演じるが空回…

シカゴ7裁判

★★★ 2020年10月24日(土) テアトル梅田2 市民運動団体のリーダーであるジョン・キャロル・リンチが裁判所の余りの横暴に激昂して官吏をぶん殴って拘束される。非暴力を家族に誓ってデモに参加した彼は傍聴席にいる妻と幼い息子に哀しげな視線を送って退廷…

J・エドガー

★★ 2012年2月13日(月) 大阪ステーションシティシネマ6 今更、チビでデブでハゲでマザコンでゲイだからといって何だと言うのか。申し訳ないが10年古い。語るべきはアメリカ近代史への言及であり、そこへの歴史的関与のダイナミズムで、垂れ流し的な点描…

シェーン

★★★★ 1982年1月29日(金) 毎日文化ホール 少年視線を導入した以上、家庭をめぐるドラマは踏み込めないが、それでも妻の安寧を志向しつつ揺らめく女心は一応サスペンスフル。ワイラー的仰角使いが突出した幾つかのシーンを際立たせ、カラー撮影の鮮やかさと風…

忍ぶ川

★★ 1982年5月21日(金) 豊中松竹 主人公を取り巻く陰鬱世界を描くことには成功しているが、思いこみが現出させた主観世界ではなく唯物的世界として描かれ退かざるを得ない。その対極に置かれた木偶の坊的美男美女が悪かろう筈も無いが、どうにもこの2人には…

11.25 自決の日 三島由紀夫と若者たち

★★★ 2012年6月16日(土) テアトル梅田2 稀代の道化か清心な殉教者かと問われたら、若松のスタンスは前者に近い筈だが、そうならば徹底的に笑いのめしてやるのが霊魂に報いる道であろう。遠慮は不要だった。東大や市ヶ谷での井浦新のリアルにダメな口跡が出…

四季・奈津子

★★ 1981316(月) 梅田コマシルバー 地方での平凡な生活を価値のないものとしテント公演の前衛劇から天啓を受ける…同時代に生きた者としても稚拙感が横溢する。ゴダールばりの即興は天賦の才が要る。悲しいことに、あらゆるパートが手抜きの印象でしかない。…

G.I.ジョー バック2リベンジ

★★★ 2013年6月8日(土) 梅田ブルク7シアター1 数多くのキャラが各々一応は立ってた前作に比べ、なんじゃこれはという感じで、いっそスネークアイとジンクス2人の嬉し恥かし世界に耽溺したかった。町に戻ったドウェインのここぞとばかりの眼力披露メンチ…

屍人荘の殺人

★★★ 2019年12月16日(月) TOHOシネマズ梅田3 まったく予備知識なしで見た。 まあ、予告篇から受ける印象は、ゆるい学園ミステリーで、往年の角川映画みたいなもんだろうと思っていた。 たいして見る気もなかったが、時間に合う映画がこれしかなかった…

詩人の血

★★ 1981年6月14日(日) SABホール 例えばメリエスの『月世界旅行』に違和感を感じず本作に感じるとするなら、全ては技術との調和の問題なのだ。コクトーの描きたいものにシンパシーは感じないが映像表現者として意識レベルだけは時代の先を行きすぎていた…

地獄でなぜ悪い

★★★★ 2013年9月28日(土) 梅田ブルク7シアター6 自己愛に塗れた耐え難いテーマで、設定も後付け丸出しだ。園子温が10年前に撮ってたら臭くて見れなかったろうが、20年前の『自転車吐息』の初々しさを強引に俎上に乗せ『熱帯魚』な東映イズムで料理し…

四十九日のレシピ

★★★★★ 2013年11月17日(日) MOVIXあまがさき8 子どもが居る居ないというテーゼより、慎ましやかに何も望まず生きてきた多くの人々への賛歌として見た。そして、絶望の淵からでも立ち直れるのだと言う確信。苦境にある者に寄り添うタナダユキのスタン…

シテール島への船出

★★★★ 2014年1月22日(水) 梅田ブルク7シアター5 持って回った感が無くもない寄る辺なき放浪の途に就いた先人への挽歌。しかし、その持って回った感が須らく味わい深くて堪らない。序盤の『81/2』や『軽蔑』的メタ映画への傾斜と、終盤の正調アンゲロ節とも…

シーウルフ

★★ 1981年11月6日(金) 伊丹ローズ劇場 どういうわけか忘れた頃に少しだけ狂い咲いたかのようなマクラグレンの凡企画に最早死に体の老俳優を掻き集め、『007』ムーアで色を添えてみたが、案の定、顔合わせの割には全然面白くないという当たり前の結果にな…

地獄の黙示録

★★★★ 1980年3月26日(水) OS劇場 1980年9月3日(水) 伊丹グリーン劇場 地獄巡りの主人公が見聞する、恐怖がドラッグを蔓延させ抑圧された性欲が暴力衝動を喚起し意義喪失が殺戮の意味を見失わせる様は圧倒的画力を持つ。しかし、狂言回しが、何時しか侵食さ…

死刑台のエレベーター

★★★ 1980年10月5日(日) 大阪府中小企業文化会館大ホール 撮影と音楽の先鋭に加え時間芸術たる映画の本質にも肉薄するその天才が或る意味完璧過ぎて寧ろ嫌らしい。ロネとモローの能面演技の深層に虚飾の下のパッションが焔の如く垣間見える瞬間は終ぞ無い。無…

ジゴロ・イン・ニューヨーク

★★★★ 2014年12月6日(土) 新世界国際劇場 変化する何かを描きたいのではなく、しがらみや惰性に揺蕩う中でまったりと小さな喜びや哀しみを慈しむという謙虚さが滲み出ている。多分、ジゴロとしての稼業で成功するしないは「誠意」の持ちようなのだと言う寄…

シェフ 三ツ星フードトラック始めました

★★★ 2015年3月5日(木) MOVIXあまがさき10 SNSを軽んじ凋落しSNSを利して復権する展開が今なのだというより寧ろ余りに能天気。それなりの地位にいたシェフがサンドイッチ専業で出直すのもそうなのか?といった感じだ。逸脱を担うダウニーに比しスカ…

地震列島

★★ 1980年9月3日(水) 伊丹ローズ劇場 米『大地震』の三角関係に対抗する為、四角関係にしたのはいいが勝野も永島も木訥で色気が無く、かと言って『日本沈没』の男達のような刹那な狂気もない。救い難く緩い。特撮も完全な使い廻し。しばたはつみの主題歌だけ…

シェイプ・オブ・ウォーター

★★★★ 2018年3月17日(土) 大阪ステーションシティシネマ10 主人公は障碍をもつが、徹底的に虐げられてるとは言えない状況だ。 もちろん、彼女の孤独や悲哀は幾重にも描かれる。 私生活で唯一の隣人はゲイの絵描き。 職場での唯一の友人は黒人。 設定され…

自然の歴史(組曲)

★★★ 2015年3月28日(土) シネヌーヴォ 生きとし生けるものは、魚貝から人体までじっくり見ると須らく気持ち悪いことを生体・死体織り交ぜて再確認させるのだが、しかし、結局は物喰う口の租借ほど摂理に従順で恥知らずな行為は無いという人間嫌いのアイロニ…