男の痰壺

映画の感想中心です

映画感想【しあ~しの】

実録 阿部定

★★★ 1980年10月1日(水) 毎日ホール 出るものが半透明になっても絞り尽くされるという或る意味で地獄を、『コリーダ』がまだしも持っていた時間空間的な延伸感が低予算の為ほとんど無い為に映画として高純度に濃縮されたとも言えるのだろうが矢張りしんどい。…

トリュフォーの 思春期

★★★★ 1977年9月23日(金) 大毎地下劇場 トリュフォーのこういう熟れた散文的語りは有りそで無いところが新たな話法への探求を窺わせシビれる。メインに置かれた少年の憧れや、落ち着く結末は正直ありきたりだが、サイドストーリーのエピソードにシニカル人で…

幸福の黄色いハンカチ

★★★ 1977年10月2日(日) ダイニチ伊丹 松竹大船の旧来型物語を驚嘆すべき細部のリアリティで絶妙に補完する山田の美質はメインの物語に於いては説明的な回想を値引いても尚効果的だが、武田・桃井のパートではリアリズムはベタついた作為に粉飾される。カメラ…

幸せなひとりぼっち

★★★ 2017年2月12日(日) MOVIXあまがさき1 スウェーデンでめっちゃヒットした映画だそうだ。 何年か前にヒットしたフランス映画に「最強のふたり」ってのがあったが、あれと同種の何かを感じる。 すごく平易な作りというのもあるが、基本はいけ好かな…

シェルブールの雨傘

★★★ 1976年8月3日(火) SABホール 浪花節だよ人生は的な物語を情緒メロメロの歌曲でビショビショにまぶしてくれるので息苦しい。本来小ネタで繋ぐ挿話も歌で綴られ身に沁みない。ストーリーを今更に読み返して見るといい話なのだがストンと落ちないのだ。…

ジーザス・クライスト・スーパースター

★★★★★ 1976年8月29日(日) 元映 1980年5月21日(水) 関西学院大学学生会館大ホール 魂の相克と言うに偽りないソウルフルシャウトの連続で「今宵やすらかに」を筆頭に感涙ものの名曲揃いだ。演出はアイデアに富み歌詞イメージを時空を超え延伸させる。キャステ…

実録外伝 大阪電撃作戦

★★★ 2016年12月10日(土) 新世界東映 タイトルバックに未だスラムの残る70年代の大阪の空撮映像が出る。 脇雑な混沌に期待が深まるのだが、結局凡百の実録物と差異性はほぼ無い。 神戸の巨大組織の侵攻に長いものには巻かれるしかしゃあないんちゃうとい…

ジェイソン・ボーン

★★★★ 2016年10月17日(月) 大阪ステーションシティシネマ2 全部思い出したって本質何も変わらんし最早何が何だか珍糞漢糞なモンタージュが笑えるレベルなのだが、それでも冒頭ギリシャシークェンスでの喪失が串団子形式の単線構図に哀切のロマティシズムを…

ジェニーの肖像

★★★ 2023年11月20日(月) プラネットプラスワン 人気の高い映画で期待してたのだが、今の時代に尚ジャンルのオリジンとして突き抜けるなにものをも感じなかった。最早この手の題材は、本作の制作以降やり尽くされてきていて、始祖としての価値も揺らいでる…

質問

★★ 1984年12月8日(土) 千日会館 問う者・答える者の関係性ゆえに客観性はまず無い。ガチンコがもたらす傷ついた瘡蓋を剥がして露呈する真実の代わりに、空虚な妄言を弄する寺山の底の浅さが巧まざるして見えてくる。そういう意味で面白いとも言えるし馬鹿馬…

潮騒

★★★ 2023年3月8日(水) シネリーブル梅田4 1970年代、フランス映画低迷期にうすボンヤリした恋愛映画が日本で続けて公開されて、当然、大して話題にもならなかった。「夕なぎ」「うず潮」「潮騒」で、ヒロインはそれぞれロミー・シュナイダー、カトリ…

自殺サークル

★★★ 2002年○月○日 テアトル梅田2 3流なスプラッター描写も陳腐なサスペンス描写も辟易するが、一方で寺山映画のJ・A・シーザーを彷彿とさせる鎮魂歌のような音楽の吸引力。途方も無い絶望感に覆われた21世紀初頭の日本を描いて文句無く哲学ホラーとし…

シックス・センス

★★★★ 1999年11月5日(金) ワーナーマイカルシネマズ東岸和田5 第六感を持つ少年の遭遇する幽霊の超常現象描写が相当に陳腐な表現に終始するのがどうにも甘いが、全篇を遍く横溢する哀感を帯びた寂寥が夫と妻の二者二様の孤独へと急転直下に連結するラスト。…

実録梁山泊 パチプロ列伝 浪花の哲

★★★ 1999年10月11日(月) ホクテンザ1 堅実にまとまってて好感は持てるが何せ余りに小さな世界の話すぎる。数万円勝った負けたのパチンコごときもんを映画館で金払って見たいと思わない。好事家の為のジャンルだし多分に梁山泊の自己弁明。まあ、本当のパチ…

阿片台地 地獄部隊突撃せよ

★★★ 1998年12月23日(水) 第七藝術劇場 剃刀の如き怜悧な安藤昇の口跡の良さと暑苦しいまでの南原宏治の顔面演技の正面激突に見応えがあり見て損の無い出来。更にショウブラザーズの名花(知らんが多分)ペギー・潘(潘迎紫)がキューティで切ない。(cinemasc…

時雨の記

★★★★ 1998年11月14日(土) ホクテンザ2 小百合のカマトトは見飽きていても哲也兄いの超絶カマトト振りには涙を禁じ得ないであろう。新味無きストーリーとキャスティングを絵葉書みたいな綺麗なだけの画面で縁取った映画であっても真摯な姿勢は心を射るのだ。…

シェフとギャルソン、 リストランテの夜

★★★★ 1997年6月19日(土) 徳山市市民館小ホール インディーズ映画でありながら多国籍国家に於ける民族アイデンティティを尖らず予想外の豊饒さでフィルムに残せてる。信を貫くことは結果如何に係らず気高い。そしてイアン・ホルムやイザベラ・ロッセリーニが…

死と処女

★★★ 1998年4月13日(月) 天六ユウラク座 圧政のトラウマを背景にした密室劇はポランスキーの根っ子を揺さぶる筈なのだが撮影・美術と名手を揃えて尚緩い。南米の多湿空気が怜悧な欧州体質の監督とミスマッチ。ウィーバーも当たり前だが好みの金髪美女ではない…

しのび逢い

★★★★ 1999年2月27日(土) テアトル梅田1 どうにもピリっとしない女こまし野郎の自慢話で、老獪な戦前派クレールあたりならエスプリで流すところがクレマンでは半端なクソ真面目で物語相性悪い。なのに、モリス撮影の自然主義的屋外シーンがアンビバレンツな…

失楽園

★★★ 1997年5月10日(土) 岩国ニューセントラルⅠ 割り切ってポルノにすべきだったのを下手におしゃれに細工したのがつまらない。表層的とまでは言わないが社会や家族との関係性を絶ち行き場を失った男女の刹那的愛慾地獄は感じられなかった。ただ黒木瞳のとこ…

シスター 夏のわかれ道

★★★★ 12月5日(月) 大阪ステーションシティシネマ5 両親が事故で死んで会ったことのない幼い弟を引き取ることになった20代の姉の話なのだが、演じるチャン・ツイフォンが童顔なので初めは学生かと思ってました。中盤以降で看護士として働くシーンが出て…

ジェネレーションズ STAR TREK

★★★ 1996年1月13日(土) テアトル徳山Ⅱ 興味のない伝統芸能の復活興行みたいなもんで、新旧の主役揃い踏みったって、内実を伴わない気障管理職の成れの果てと出所来歴の知れない胡散臭い禿親爺では一見者にはオーラゼロでキツい。話もええかげんとは思うがそ…

死者の学園祭

★★★★ 2000年8月11日(金) ユナイテッドシネマ岸和田9 部分的にショッカーに傾いた感が惜しいが、10余年の歳月を経て復刻された赤川次郎原作による正統的な角川学園ものの王道。どうでもいい話であるからこそ尚更に80年代にリアルタイムでその洗礼を受け…

資金源強奪

★★★ 2000年12月27日(水) 日劇会館 肝心の襲撃計画なぞが「絶対に成功する訳ない」と思えるぞんざいなものでクライムアクションとしては最低なのだが、梅宮の極道デカが出てきて俄然、画面は躍動を始める。汚い奴らの騙し合いを、もっとスマートに描けていた…

四十七人の刺客

★★ 1995年2月4日(土) 天六ユウラク座 ジャンル不問で原作を蹂躙をしてきた男が流されているだけの衰え。回復不能なまでに緩みきった市川節の老残。含蓄の計略士とは正反の高倉の無残も相俟りミスマッチ地獄の中でアクションも出し殻。唯一の救いは浮きを承知…

JM

★★ 1995年7月2日(日) 高槻セントラル 何だか小賢しい癖に『ブレードランナー』の呪縛から1歩も脱け出せないという情けない代物で3大スターの競演といってもロクな見せ場をもらえないラングレンが気の毒だ。期待のたけしも柄じゃない。(cinemascape) keniro…

J&S さすらいの逃亡者

★★★ 1995年9月9日(土) みなみ会館 見かけはもとより遣ること為すことド汚なく且つええかげんな主人公の70年代マカロニ末期テイストの佳品。演出にはハッタリとケレンが垢抜けなくも窺え一応の訴求力はある。ひとことで言って変な映画だが例によってのんべ…

地獄の女スナイパー

★★★★ 1994年2月12日(土) 新世界国際劇場 パクリであっても『荒野の用心棒』の価値が些かも揺るがぬ如くに『ニキータ』のそれと言われるだろう運命を社会派ダミアーニは愚直な律儀で受け流す。マカロニックな図太さ。アクションとして派手さは無いが詫びしい…

シックス・デイ

★★★ 2001年8月15日(水) トビタシネマ 行き着くところオリジナルかコピーかが全く無意味と化すクローンっていうのは高度に深淵なる題材だと思う。本作でもそこに若干踏み込んでくれそうなシチュエーションはあるが結局は形而上に振れる筈もない。そこが惜しく…

失踪

★★★ 1994年2月12日(土) 新世界国際劇場 確かに実際の人生は白黒はっきりできることは希でボーダーラインの上を歩き続けるようなものだろう。この映画の主人公も犯人もストーリーラインも煮え切らない境界線上をすすみ続ける。微妙に特異だが、そんなに面白い…