男の痰壺

映画の感想中心です

映画感想【く】

クライム&ダイヤモンド

★★★ 2010年2月27日(土) トビタシネマ 50年代映画に多く言及されてるが、寧ろ70年代的ロマンティシズムへの憧憬(アンリコやワイルダー他)が感じられ心地よく懐かしい。一方で敵キャラ造形はタランティーノ以降の90年代風味でこれも又良い。ただ両者…

群盗荒野を裂く

★★★ 2010年9月17日(金) シネヌーヴォX ダミアーニの横移動にはゴダールの匂いがする。『気狂いピエロ』の2年後という製作年を考えると強ち穿った見方でないかもしれない。男としての矜持を貫いたとも言えるラストの居心地の悪さも又通り一遍ではない。た…

黒い神と白い悪魔

★★ 1985年12月30日(月) SABホール アヴァンギャルドな寓話だとすれば、描法が昇華し切れていず、撮影・編集ともに素人域を出ていなく見てるのが苦痛。マカロニウエスタンから出てきたかの如き『アントニオ・ダス・モルテス』登場となれば下手な期待を煽る…

クラッシュ

★★★★ 2021年2月7日(水) シネマート心斎橋2 ここまで世界と孤絶して変態に耽溺されると参りましたとしか言えない。 クローネンバーグが「戦慄の絆」以後に舵を切った内向する純文学的変態シリーズの到達点なんだろう。全部見てるわけじゃないんですけど。 …

グリーン・ホーネット

★★★ 2011年1月22日(土) 梅田ブルク7シアター7 半端なボケツッコミ構造がイラつく。いっそのこと助手キャラを更に立たせて主客逆転にまで物語構造を破壊して欲しく思えた。ゴンドリーのロマン主義な片鱗は窺えるが半端だし展開も冗長。ヴァルツも初出は流…

草迷宮

★★ 1984年12月8日(土) 千日会館 海外からの初オファーを受けて勝手知る自家籠中の世界でってのが安易。まるっきり『田園に死す』の焼き直し短縮版みたいで、受け狙いのイメージの集積に見える。母と故郷に絡め取られた閉塞感は繰り返し何度も見たいものでは…

グンダラ ライズ・オブ・ヒーロー

★★★★ 2021年1月14日(木) 新世界国際劇場 マーベルやDCユニバースの映画を見ても、セントラルキッチンで調理されたファミレスの料理みたいなもんで、もはや何の刺激も感じなくなった俺であるが、インドネシア産のこれは、プリミティブな情動が充ちている…

クロッシング

★★★★ 2011年5月28日(土) トビタシネマ 律儀すぎてソダーバーグやPTAのような混沌の巨視感には及ばないが、世知辛くも気合充満の破滅譚。ギアの顛末への古式的志向も案外に好みである。何より隠し玉としてのバーキンのドスやスナイプスの鈍重。やってく…

グッドラックLOVE

★★ 1982年1月5日(火) 伊丹グリーン劇場 本当はバカなのにシリーズでは何故か憂いを帯びた陰ある男キャラであった俊ちゃんを主役にして徒にしんねりむっつりしてるだけで面白くも何ともない。大体、ちょっと儲かればすぐにNYとかLAに行きたがるおのぼりさ…

グリーン・ランタン

★★★ 2012年1月7日(土) トビタシネマ 嘗ての『フラッシュ・ゴードン』ほどではないが、脳筋肉な天然バカヒーローなのが清清しい。そして、トホホで単細胞な世界観なのに躊躇なく堅実なプロ仕事を見せるマーティン・キャンベル以下の製作陣も好ましい。ただ…

グレートレース

★★★★★ 1982年5月8日(土) 毎日文化ホール< スラプスティックなバーレスクを復古させ、エドワーズの泥臭くも洒脱な特質が最高の適合場所を得たスペクタクル・コメディの傑作。『お熱いのがお好き』コンビの発展的継承。わけてもジャック・レモンの巧緻。マンシ…

グッド・ワイフ

★★★ 2020年8月5日(水) シネリーブル梅田2 やりたいことはわかるのだが、メリハリが足りないし、もっと言えば毒が足りない。 クソ女の転落を描くに、新人女性監督には、そこまでの同性嫌悪を露わにするのが躊躇われたか。 それにしても、この富裕層のご婦…

苦役列車

★★★★★ 2012年7月14日(土) 梅田ブルク7シアター3 西村が場違いな昭和言語で取り繕った極北の下司根性を森山が据わった三白眼で二乗し開放してしまった。優しさと馴れ合いに支配された時代に降臨した糞ミーイズム。それが紙一重だとしても苛烈たる者がこじ…

九月の冗談クラブバンド

★★ 1982年6月11日(金) 三番街シネマ3 撮影事故で中断の不幸が尾を引いたか停滞感が横溢する。澱んだ思い入ればかりが空回りし全く疾走感の無い映画になってしまった。そして、その想いが予想外に黴臭いのもアナクロで不幸だった。いっそのこと浪花節にでも…

暗くなるまで待てない!

★★ 1982年9月11日(土) 大阪府立文化情報センター 映画バカが映画を題材に撮ったオナニー映画で青いセンチメンタル感傷はある程度許容しても、ギャグの程度が低すぎついていけない。不遇時代の清順本人を一瞬ではあるが担ぎ出した一念岩をものプロデュース力…

★★★★ 1982年11月4日(木) 新世界東宝敷島 我が儘放題で傲慢かますパラノイアな主人公の描き方は『日本沈没』の田所教授に繋がる小林・橋本・森谷の最強タッグの原点だろう。際どい倫理感をハイボルテージで擦り抜け蹂躙されるマゾヒスティックな快感。森谷司…

クロユリ団地

★★★ 2013年5月18日(日) MOVIXあまがさき6 都市伝説への斬り込みに於いて『リング』から、情感と神経症的鋭利に於いて『仄暗い』から10年後退した凡作。序盤の設定が方便に過ぎず、トラウマはリアリティ無く、終盤には納得性が無い。中田には無い無…

グランド・マスター

★★★★★ 2013年6月2日(日) MOVIXあまがさき5 ど素人のトニーをカット割りとスローで修飾したのではなく、カーウァイの必然としてそうなった。魂は逸らしてない。武芸に秀でても普通人な葉門を翻弄する時代の流れ。流れに抗して潰える高潔な魂ツィイー…

狂った果実

★★★★ 1981年5月4日(月) ダイニチ伊丹 80年当時としても描かれた社会的ヒエラルキーは時代から乖離しているかに思えたが、確信的に被虐と浪花節をブロウアップした演出が見る者を揺さぶり虐げられし者の爆発的破壊衝動に同調させる。したたかでさえある。…

グロリア

★★★ 1981年7月12日(日) 大劇名画座 クールなオープニングに期待は昂まったがカサヴェテスの演出には、こういう物語を転がすの為のケレンやハッタリが足りない。市井人を描いてのヒリヒリ感はアンチリアルでは可逆的に作用しワルも市井人じみては盛り上がらな…

クロニクル

★★★ 2013年10月17日(木) TOHOシネマズ梅田6 全てのクスブリ少年の為のトラディショナルな物語なのだが、上げて落とすのではなく上げずして落とすので居たたまれない。それを、ほんまウンザリなフェイクドキュの主観カメ制約により輪をかけ非情に突き…

グッバイガール

★★★ 1979年1月28日(日) 伊丹グリーン劇場 1981年2月23日(月) 梅田ロキシー メイスンとカミングス母娘にまつわる話は素晴らしいし愛おしいとも思える一方でドレイファスの奇矯なキャラクターが何とも鬱陶しい。もっとストレートに愛の歌を紡いで欲しかった。(…

グランド・ホテル

★★★★★ 2019年8月4日(日) プラネットスタジオプラス1 今ではあたりまえのように使われる作劇の骨法、「グランドホテル形式」の語源となった、いわば始祖である。 始祖っていうのは往々にして、そのトピックだけが形骸として残り作品的価値は劣化してるもの…

下り階段をのぼれ

★★★★★ 2019年6月9日(日) プラネットスタジオプラス1 ロバート・マリガンって「アラバマ物語」1本で辛うじて映画史に名を遺した人でしょう。 って予断は、ぶっとんだ。 これは、傑作だと思う。 今年、公開されたフランス映画「12か月の未来図」ってのと…

空母いぶき

★★★ 2019年5月30日(木) TOHOシネマズ梅田3 原作未読です。 ぜんぜん見る気がしなかった。 なぜなら、日本の専守防衛とやらに雁字搦めになっている自衛隊の現状を、忠実に敷衍する内容であればあるほど煮えきらない代物になるに決まっているからだ。 …

蔵の中

★★ 1981年9月28日(月) 高島屋ホール 普通の人が変態だったら面白いが変態が変態してもつまらん。近親相姦や盗視だけでも充分倒錯的であるのに、配役に奇手を凝らし過ぎて相殺し合った感もある。技法や趣向に溺れすぎるから、もったいぶってるだけで全然面白…

グリーンブック

★★★★★ 2019年3月24日(日) MOVIXあまがさき10 アカデミー作品賞の映画ってのは信用ならんし、ましてや経緯が経緯だけに見る気もなかったのだが、見てよかったと思った。 中盤でディープサウスを旅する車がパンクして停車を余儀なくされる場面。 車外…

クローズ EXPLODE

★★★★ 2014年4月27日(日) MOVIXあまがさき2 ワイルドサイドな昭和ロックで開巻した物語は豊田十八番のパンキッシュスローへと引き継がれ以後一切澱まない。ワルメン的底浅ではなく地べたからの上昇志向とニヒリズムの噛み合わせの妙。ダサくかっこ悪…

クーリエ 過去を運ぶ男

★★★★ 2014年5月24日(土) トビタシネマ 人捜しに纏わる状況がカフカ的迷宮の様相を呈するだけでも堪らんが、ニューオリンズや中国女やエルヴィスといったここ20年の映画的売れ線アイテムで修辞してダメ押す。中でも異彩を放つのがカポ夫妻の造形。ギャグ…

グランド・ブダペスト・ホテル

★★★★★ 2014年6月9日(月) TOHOシネマズ梅田10 美術や構図や多くのギミックが行くとこまで行った感があり、結果、歴史に翻弄された男の物語は意匠に覆われ埋没ぎみ。円環は閉じてしまい、綻びは2重3重に修復されハプニングは封殺された。役者もこぞ…