男の痰壺

映画の感想中心です

映画感想【く】

グッドウィル・ハンティング 旅立ち

★★★ 1999年2月27日(土) 第七藝術劇場 請負仕事を無難にこなすこれが本当にガス・ヴァン・サントの映画なのかと思った。天才という設定は気が利いてるが捻りなくプレーンすぎる展開と手法のオーソドキシー。なので主人公の悩みは皆目心に届いて来ない。エスコ…

グース

★★ 1997年1月19日(土) 岩国ニューセントラルⅡ CGを使わぬ本物の雁の飛行シーン等そりゃあ大変な苦労だったであろうことは解るが、それが手軽な数多の映画のシーンをトレースしただけに感じられて努力が報われてない。アンナ・パキンの据わりも今一な面白み…

黒い家

★★★★ 1999年12月9日(木) ユナイテッドシネマ岸和田8 ありきたりな風景を異化させるフレームの切り方とロケーション選定の眼力。過度にカリカチュアした人物造形。そういったコンセプトが『家族ゲーム』以降の森田作品中で最も成功している。正味惚れ惚れす…

黒い牡牛

★★★ 11月28日(月) 11月28日(月) シネリーブル梅田4 もう全篇、少年の牡牛愛ダダ漏れに塗れた映画で、「ヒターノ、ヒターノ」と牛の名を連呼するそれが耳に五月蝿い。 まあ少年ってのは、動物好きと相場が決まっており、定番の王道が犬なんでしょう。け…

クッキー・フォーチュン

★★★★ 2000年4月15日(土) テアトル梅田1 1人の死から巻起るドタバタの主線は娘姉妹の筈だが何故か拡散し出した流れは姪と本筋からズレた挿話に全て持って行かれる方向性の定まらなさ。しかし、そんなことがどうでもよくなる南部アメリカの日向の午睡の如き…

グリーンマイル

★★★ 2000年4月22日(土) ワーナーマイケルシネマズ東岸和田4 短篇をイマジネイトするに付加で済むなら長篇ではリストラクトが要る。これは換骨奪胎に終始する優等生映画。原作を解体再構築する映像作家の矜持は皆無。原作者にひれ伏したダボランはキングから…

グラディエーター

★★★★ 2000年6月22日(木) ユナイテッドシナマ岸和田7 序盤のゲルマン攻略は圧倒的であり掴みとしては最高。『ベン・ハー』『スパルタカス』を継接ぎしたかの如き展開もまあ許せる。ただ、主人公の流転人生を描くに必要な時間が足りず無駄が無さ過ぎ。個の対…

グリーン・デスティニー

★★★ 2000年11月4日(土) ユナイテッドシネマ岸和田4 撓う竹の細枝を飛ぶが如くに舞う中国古来の仙人伝説と同列にワイヤーアクションを並べれば理詰めでは納得できたとしてもミシェールとツィイーの殺陣を見てしまえば矢張り重力を感じたいと思う。悠久の夢幻…

狂った果実

★★ 1995年1月28日(土) ACT活動写真館 女をめぐっての兄弟喧嘩が生な感情を表出せず鬱屈するジメジメ感は、中平のキザな技巧のもとで湘南の陽光とこれ見よがしに対比される。慎太郎描く無軌道の耐えられない軽さ。キザの相乗効果は哀しいことに枠内で安住…

クリムゾン・タイド

★★★ 1995年10月21日(土) 徳山国際シネマ 60年代では当たり前であった「核→人類破滅」の図式は後退し収縮した旧態な世界観でしか物語は語られない。2大俳優の正面衝突は全く見応え充分だしスコット演出も過剰さを押さえて巧みであるだけに、いじましいまで…

グッバイ・クルエル・ワールド

★★★ 2022年9月14日(水) 大阪ステーションシティシネマ11 ドン詰まりの男たちがヤクザの資金を強奪したあと自壊していく顛末ってことで、石井隆の「GONIN」を連想する。 しかし、その印象は、鳴り物入りの期待を煽ってトホホな結果だった深作「いつか…

★★ 1995年10月28日(土) テアトル徳山Ⅱ 宮沢りえでもどっこいだったとは思うが一色紗英の主人公に過酷な運命を自ら克服して生きていく裂帛の気迫は感じられない。お人形さんは所詮お人形さんである。同じことが浅野にも言える。正攻法の映画は嫌いじゃないが…

クリフハンガー

★★★ 1994年3月3日(木) 北野劇場 冒頭の見せ場は心胆寒からしめるものだったし、スタローンお得意の全身哀しみオーラ発散でそのトラウマを表出できていたのに、いつのまにやら何でも詰め込んでのてんこ盛り映画に堕ちてしまった。(cinemascape) kenironkun.ha…

黒豹のバラード

★★★ 1994年3月21日(月) 新世界国際劇場 これはと思う冴えた描写も結構あるのだが暗い。暗いのはいいとしても甘ったるい。マカロニウェスタンとペキンパーをパクって今風(当時)ミュージッククリップ乗りを加味したが正体は浪花節だったというブラック・ウェ…

草の上の仕事

★★ 1994年3月19日(土) 扇町ミュージアムスクエア 1日限りの単調なバイトの2人きりで過ごすこのニュアンスは俺にも解るが、ニュアンスを伝えるのみに終始し次の次元へ映画は翔んでいかない。閉塞的で自慰的な世界観。何も産み出されはしないし何も壊れもし…

黒薔薇VS黒薔薇

★★★★ 1994年4月10日(日) みなみ会館 廉価パロディと鈍い笑いのキッチュな不可解さが止め処なく連鎖し、その最果てに得体の知れないオフビート天国が現出する。香港映画の魔窟のような懐の深さ。レオン・カーフェイの唐変木の為す術のなさの周囲で女たちは限…

黒い下着の女 雷魚

★★★ 2022年7月14日(木) シネヌーヴォ 苦しみを抱えお先も真っ暗、救いも何もあったもんじやない。そういう話で、千葉の工業地帯の澱んだ空気が重くのしかかる。 瀬々の初期作だが、最近の犯罪ものの高バジェットな作品で見せる画面造形の密度はもとからの…

クローン

★★★ 2002年4月5日(金) 新世界国際劇場 それなりのビジュアルは見せるものの、こういう未来絵図は、正直言って食傷気味。主人公と妻や親友やスラムの人々達との関わりが、全てもう1歩描き足りないので思うほど盛り上がらないしラストの感銘も弱い。(cinemasc…

蜘蛛女

★★★ 1994年9月3日(土) ホクテンザ1 ハードボイルドの意匠を完璧に纏った世界にファムファタールも真っ青な怪物女を降臨させた傑作脚本。オリンもオールドマンも最善の配役。なのに惜しいまでの薄味感。メダック演出が手堅くそつがないだけで狂気な狂熱に欠…

黒蜥蜴

★★ 1993年4月11日(日) 高槻セントラル 敵味方に別たれた許されぬ同族愛に美輪起用による禁断の愛的様相を加味した2重の背徳性なぞ何処吹く風の通り一遍の演出。耽美やデカダンと無縁な深作とは言えキッチュにも振れ切れぬでは惜し過ぎる題材。『雪之丞変化…

狂った野獣

★★★ 2002年11月20日(水) 扇町ミュージアムスクエア 『スピード』を遡ること20年、我が日本にも『狂った野獣』があった…と言いたかったのに…。和製キャラハンを気取った室田の無念のポーズには涙を禁じ得なかったが…。(cinemascape) kenironkun.hatenablog.…

軍旗はためく下に

★★★ 1993年6月13日(日) 日劇シネマ フレームに拘泥しない深作の演出技法が現代パートのドキュメンタリータッチに即応しており寒々とした寂寥が非情を際だたせる。しかし、過去に遡った戦場シーンでは一転ステロタイプな形骸に堕した。これは逆でも面白かった…

クレージー メキシコ大作戦

★★★★ 1993年6月13日(日) 日劇シネマ 言わば末期の爛熟が一番美味いかもと思わせる2時間40分。お祭り大作らしいテンコ盛でギュウ詰めな長尺は素直に嬉しく楽しい満腹感。バタ臭い如何にも東宝映画らしい味わいだし女優陣も皆いい。ロケ効果や劇中歌謡ショ…

沓掛時次郎 遊俠一匹

★★★ 2003年2月4日(火) 日劇会館 筋を通した生き方が出来れば、何事にも後ろめたさは持たなくていい。解ってくれる人は必ず居る。しかし、通す筋がお互い相容れなくば地獄行き。侠道の天国と地獄をロジカルに構築した素晴らしい脚本。ただ、加藤泰の様式演出…

グレート・ブルー

★★★★★ 1993年6月24日(木) パラダイスシネマ1 3人が世界各地で点描される前半がスケールとロマンティシズムを内包した悠久の映画的ダイナミズムを示現している。中盤、男2人に女1人のルーティーン展開になりかけたのだが最後は全てを振り切り神話の世界に…

クライング・ゲーム

★★★★ 1993年7月15日(木) シネマアルゴ梅田 表通りを歩けないから裏を歩いて片隅で生きる…そういう感じが巧く出てる。スティーブン・レイの情けなく冴えない風情がこれ又どんぴしゃのニュアンス。そしてデビッドソンの存在が輪をかける。(cinemascape)

クレージー 黄金作戦

★★★ 1993年7月11日(日) 日劇シネマ シリーズを多く見てるわけでもないが、ベガス大通りでのロケも大して効果的でもなくやっただけ感がさもありなルーティーンの果ての間延び記念大作。定型にはめられたクレージーの面々の脇で要所でポイントゲットする浜美枝…

グッドモーニング・バビロン!

★ 1993年8月5日(木) ゆやホール 兄弟愛や家族愛や夫婦愛らしきものが並列されてはいるが何一つ沁みてこず、サッカリン入りの駄菓子のように甘っちょろい。大風呂敷を広げて『イントレランス』という神話の領域に拠って立つにしてはスペクタクルが不足で紙芝…

唇からナイフ

★★ 1993年10月15日(金) 扇町ミュージアムスクエア 「愛の不毛」女優が「赤狩りトラウマ」監督と組んでお洒落なコメディ・アクションを撮ればマイナス2乗で弾ける目もありそうなもんだが、出来あがったものは理解を超えて一巡し、つまらなく古臭くセンスが無…

黒い罠

★★★★ 1993年11月6日(土) 京都朝日シネマ2 冒頭はじめ長廻しが効果的に機能したとも思えないが、それでも仰角で捉えられたウェルズの巨躯が画面を制圧し一貫したフォルムが維持される。メキシカンヘストンの佇まいやチョイ役ディートリッヒのオーラ。ギリ圏…