男の痰壺

映画の感想中心です

映画感想【く】

グッド・ワイフ

★★★ 2020年8月5日(水) シネリーブル梅田2 やりたいことはわかるのだが、メリハリが足りないし、もっと言えば毒が足りない。 クソ女の転落を描くに、新人女性監督には、そこまでの同性嫌悪を露わにするのが躊躇われたか。 それにしても、この富裕層のご婦…

苦役列車

★★★★★ 2012年7月14日(土) 梅田ブルク7シアター3 西村が場違いな昭和言語で取り繕った極北の下司根性を森山が据わった三白眼で二乗し開放してしまった。優しさと馴れ合いに支配された時代に降臨した糞ミーイズム。それが紙一重だとしても苛烈たる者がこじ…

九月の冗談クラブバンド

★★ 1982年6月11日(金) 三番街シネマ3 撮影事故で中断の不幸が尾を引いたか停滞感が横溢する。澱んだ思い入ればかりが空回りし全く疾走感の無い映画になってしまった。そして、その想いが予想外に黴臭いのもアナクロで不幸だった。いっそのこと浪花節にでも…

暗くなるまで待てない!

★★ 1982年9月11日(土) 大阪府立文化情報センター 映画バカが映画を題材に撮ったオナニー映画で青いセンチメンタル感傷はある程度許容しても、ギャグの程度が低すぎついていけない。不遇時代の清順本人を一瞬ではあるが担ぎ出した一念岩をものプロデュース力…

★★★★ 1982年11月4日(木) 新世界東宝敷島 我が儘放題で傲慢かますパラノイアな主人公の描き方は『日本沈没』の田所教授に繋がる小林・橋本・森谷の最強タッグの原点だろう。際どい倫理感をハイボルテージで擦り抜け蹂躙されるマゾヒスティックな快感。森谷司…

クロユリ団地

★★★ 2013年5月18日(日) MOVIXあまがさき6 都市伝説への斬り込みに於いて『リング』から、情感と神経症的鋭利に於いて『仄暗い』から10年後退した凡作。序盤の設定が方便に過ぎず、トラウマはリアリティ無く、終盤には納得性が無い。中田には無い無…

グランド・マスター

★★★★★ 2013年6月2日(日) MOVIXあまがさき5 ど素人のトニーをカット割りとスローで修飾したのではなく、カーウァイの必然としてそうなった。魂は逸らしてない。武芸に秀でても普通人な葉門を翻弄する時代の流れ。流れに抗して潰える高潔な魂ツィイー…

狂った果実

★★★★ 1981年5月4日(月) ダイニチ伊丹 80年当時としても描かれた社会的ヒエラルキーは時代から乖離しているかに思えたが、確信的に被虐と浪花節をブロウアップした演出が見る者を揺さぶり虐げられし者の爆発的破壊衝動に同調させる。したたかでさえある。…

グロリア

★★★ 1981年7月12日(日) 大劇名画座 クールなオープニングに期待は昂まったがカサヴェテスの演出には、こういう物語を転がすの為のケレンやハッタリが足りない。市井人を描いてのヒリヒリ感はアンチリアルでは可逆的に作用しワルも市井人じみては盛り上がらな…

クロニクル

★★★ 2013年10月17日(木) TOHOシネマズ梅田6 全てのクスブリ少年の為のトラディショナルな物語なのだが、上げて落とすのではなく上げずして落とすので居たたまれない。それを、ほんまウンザリなフェイクドキュの主観カメ制約により輪をかけ非情に突き…

グッバイガール

★★★ 1979年1月28日(日) 伊丹グリーン劇場 1981年2月23日(月) 梅田ロキシー メイスンとカミングス母娘にまつわる話は素晴らしいし愛おしいとも思える一方でドレイファスの奇矯なキャラクターが何とも鬱陶しい。もっとストレートに愛の歌を紡いで欲しかった。(…

グランド・ホテル

★★★★★ 2019年8月4日(日) プラネットスタジオプラス1 今ではあたりまえのように使われる作劇の骨法、「グランドホテル形式」の語源となった、いわば始祖である。 始祖っていうのは往々にして、そのトピックだけが形骸として残り作品的価値は劣化してるもの…

下り階段をのぼれ

★★★★★ 2019年6月9日(日) プラネットスタジオプラス1 ロバート・マリガンって「アラバマ物語」1本で辛うじて映画史に名を遺した人でしょう。 って予断は、ぶっとんだ。 これは、傑作だと思う。 今年、公開されたフランス映画「12か月の未来図」ってのと…

空母いぶき

★★★ 2019年5月30日(木) TOHOシネマズ梅田3 原作未読です。 ぜんぜん見る気がしなかった。 なぜなら、日本の専守防衛とやらに雁字搦めになっている自衛隊の現状を、忠実に敷衍する内容であればあるほど煮えきらない代物になるに決まっているからだ。 …

蔵の中

★★ 1981年9月28日(月) 高島屋ホール 普通の人が変態だったら面白いが変態が変態してもつまらん。近親相姦や盗視だけでも充分倒錯的であるのに、配役に奇手を凝らし過ぎて相殺し合った感もある。技法や趣向に溺れすぎるから、もったいぶってるだけで全然面白…

グリーンブック

★★★★★ 2019年3月24日(日) MOVIXあまがさき10 アカデミー作品賞の映画ってのは信用ならんし、ましてや経緯が経緯だけに見る気もなかったのだが、見てよかったと思った。 中盤でディープサウスを旅する車がパンクして停車を余儀なくされる場面。 車外…

クローズ EXPLODE

★★★★ 2014年4月27日(日) MOVIXあまがさき2 ワイルドサイドな昭和ロックで開巻した物語は豊田十八番のパンキッシュスローへと引き継がれ以後一切澱まない。ワルメン的底浅ではなく地べたからの上昇志向とニヒリズムの噛み合わせの妙。ダサくかっこ悪…

クーリエ 過去を運ぶ男

★★★★ 2014年5月24日(土) トビタシネマ 人捜しに纏わる状況がカフカ的迷宮の様相を呈するだけでも堪らんが、ニューオリンズや中国女やエルヴィスといったここ20年の映画的売れ線アイテムで修辞してダメ押す。中でも異彩を放つのがカポ夫妻の造形。ギャグ…

グランド・ブダペスト・ホテル

★★★★★ 2014年6月9日(月) TOHOシネマズ梅田10 美術や構図や多くのギミックが行くとこまで行った感があり、結果、歴史に翻弄された男の物語は意匠に覆われ埋没ぎみ。円環は閉じてしまい、綻びは2重3重に修復されハプニングは封殺された。役者もこぞ…

蜘蛛の巣を払う女

★★★★ 2019年1月14日(月) TOHOシネマズ梅田3 何の因果か知らないがスウェーデン版3部作もフィンチャー版も見ている。 が、俺は、このリスベットという不幸な生い立ちでパンクヘアでピアスでタトゥーで小柄でレズビアンでフェミニストで天才ハッカーな…

クリード 炎の宿敵

★★★ 2019年1月13日(日) MOVIXあまがさき9 ドラゴ父子かわいそう…って、そう思ってしまう物語軸ってどうなんよ。 そのへんスタローンも焼きが回ったと思うのだ。 まあ、そんなこと抜きにしても安直な物語ではあるのだが。 子供のころ、タイソンの試合…

来る

★★★★ 2018年12月9日(日) MOVIXあまがさき6 中島哲也はジャンルとしてのホラー映画に本当に関心があるのかって疑問。 たぶん無いんだと思う…っていうかあんまり巧くもない。 映画の前半は、人間の負の部分を拡大した陳列ショーで、嫌な連中ばっかの、…

黒い警察

★★★ 1980年7月4日(金) 毎日文化ホール 前後する『ダーティハリー2』と同工異曲のネオファシズムものだが泥臭い。しかし、おもろい。法的制裁をかいくぐり外道どもを処刑しまくるってのは快感だが危うい。その辺、遵法派の主人公がバランスを取ってはいる。(…

くるみ割り人形と秘密の王国

★★★★ 2018年12月4日(火) 梅田ブルク7シアター6 ジャンルとして、さして好みでもない映画です。 ファンタジーとして例えばティム・バートンの「アリス・イン・ワンダーランド」とか 古典の復刻版として例えば「美女と野獣」とか そういうの、まったく、見…

喰女 クイメ

★★★★★ 2014年8月24日(日) 梅田ブルク7シアター6 劇中劇とリアルワールドのシンクロは間々あるが、稽古場をジャンクションとして噛ませ錯綜の3次元がクロスオーバーする妙味。美術・音楽も良いが三池演出もカメラサイズを含め縦横。知れてる筈の「四谷怪…

クワイエット・プレイス

★★★ 2018年10月28日(日) MOVIXあまがさき9 演出が的確なので、印象は悪くない。 とくに掴みは相当にいい。 しかし、巷間言われてるように、物語がすすむにつれて馬脚が現れる。 まあ、ゾンビであるとか宇宙人であるとかに人類が滅亡寸前まで追い込ま…

暗くなるまで待って

★★★★ 1974年12月22日(日) 伊丹グリーン劇場 歩道から玄関を入って居間が階下にある構造が主人公の盲目と相俟り外部からの孤絶感を増幅する。地味な衣裳で茶目っ気を封印したオードリーは皮相にも美しさが倍加。加齢の疲弊も役者魂の発露と見える。平板な演出…

クレイジー・リッチ!

★★★★ 2018年10月6日(土) 大阪ステーションシティシネマ7 セレブの恋愛沙汰なんか真っ平御免だし見たくもないのだが…見てみりゃ、おもしろいでやんの。 やっぱり、ハリウッド映画ってのは脚本で徹底的に練り込むんやろね。 そういうプロデューサーがごまん…

グリース

★★★ 2018年8月11日(土) 大阪ステーションシティシネマ5 この映画を公開当事に高校生だった俺は見ていない。 のだが、受験期でラジオから流れる主題歌はイヤというほど聞いた覚えがある。 終盤、似合わぬアイビーを身にまとった(しかし髪はリーゼント)ト…

クレアのカメラ

★★★★ 2018年7月22日(日) シネリーブル梅田4 映画配給会社(?)の有能社員でカンヌ映画祭に仕事で来ている女性がいきなりクビになる。 街中の小さなブースみたいなところで仕事をしているキム・ミニがファーストカット。 これは、ラストショットのアパー…