男の痰壺

映画の感想中心です

映画感想【はは~はん】

母を恋はずや

★★★ 1994年2月26日(土) ACTシネマテーク オープニングとラストが欠落状態では肝を欠いたも同然だが、にしても何の変哲もない母物で可もなく不可もない。先腹実腹の同趣向設定の裏を当然に行くかのような展開が品位にしてもドラマトゥルギーの発露は抑制さ…

ハンニバル

★★ 2001年8月24日(金) 新劇会館シネマ1 これ見るとレクターというキャラの魅力は檻に入れられてたからこそだったと思う。ギリギリの心理戦が見応えのあった前作に比べ枷を解かれた彼は在り来たりの犯罪者に堕した。取って付けたような終盤のカニバリズムは…

バニシング 未解決事件

★★★ 2022年8月8日(月) 新世界国際劇場 オルガ・キュレリンコ。ウクライナ出身でフランスでファッションモデルとなり、その後ボンドガールを経て多くのヒット作に出演。その彼女が出演した韓仏合作映画ってことで多少興味をそそられたのだが。 彼女が出たこ…

反則王

★★★★ 2002年2月14日(木) 新世界国際劇場 この主人公に共感したくはないが、一種の閉塞感やマイルドな破壊願望とでもいうアナーキーさは解る。何よりソン・ガンホがドロップキックやバック中を初めとした技をこなすのに驚嘆した。演出面でも風の表現は万感が…

パン屋襲撃

★★ 2002年2月28日(木) 扇町ミュージアムスクエア 軽いジョークと言うなら、それにさえなっていない。本質への考察や言及もないままに一種のファッションとしてのみ取り上げられた「共産党」と「任侠」が不快であるし無惨でさえある。表層に終始した形骸。原…

パーフェクト・ワールド

★★★ 1994年7月24日(日) 新劇会館 とりたててヒネリが効いてるとも思えぬ真っ当すぎる浪花節をノーブルだが散漫な演出と凡庸な撮影でダラダラ見せられる。コスナーが良いので若干救われてるが所詮は狂気の域まで踏み切る訳もなく、イーストウッドに至っては役…

パルプ・フィクション

★★★★★ 1994年10月16日(日) 梅田東映パラス 人の営為には煎じ詰めれば意味あることなんて何も無い。小癪な達観だが強烈なウィットが全てのシーンを被い工夫が効いていてダルに流すところが全く無い。まともなことは悉く避け脚本構成やキャスティングは全て1…

ハワーズ・エンド

★★ 1993年3月7日(日) 大毎地下劇場 相反する対立軸が融解しゆく過程を緻密に描くわけではなく、広いようで狭い階級社会の中で錯綜する多くの人間関係に埋没する。真の理解ではなく諦観めいている。何だろうか…この世界が趣味じゃないとしか言いようがない。(…

パリ13区

★★★★★ 2022年5月16日(月) シネリーブル梅田2 冒頭から素晴らしいモノクロの空撮に射られる。監督ジャック・オディアールは「マンハッタン」と「モード家の一夜」にオマージュを捧げたと言っている。直接的な本作への反映があったかはともかく敬意を捧げら…

巴里の女性

★★★★★ 2003年7月31日(木) OS劇場CAP 女性の自立史を独逸映画→仏蘭西映画→伊太利亜映画とでもいった構造的色調の3段変化で見せ、思いはメリエス『カリガリ』から『アンダーグラウンド』等に至る映画史に遡及せずにはおけぬ傑作。男はミューズパービエン…

巴里のアメリカ人

★★★★ 2022年2月26日(土) シネリーブル梅田2 子どもの頃にテレビで放映されてるのを見て退屈した覚えがあるのだが、さすがに今回はそれはなかった。 ガーシュインの楽曲はメロディアスではあるがビートが効いてるわけじゃないので趣味でもないし、モダンバ…

春のソナタ

★★★★ 2003年10月11日(土) OS劇場CAP 人生に於いて意図的に駆け引きを弄さなければ偶然は転がり込んでは来ない。そして、要件さえ整えば男と女はいとも簡単に恋に落ちるし簡単にそれは終わる。微妙なニュアンスをきめ細かく描いて闊達だが、それでもやは…

パーム・スプリングス

★★★ 2022年2月16日(水) 新世界国際劇場 【ネタバレです】 繰り返される時間軸の中に閉じ込められるっていう全然目新しくもない話を、さしたる緊張感もなくまったりと描いている。何か耳目を唸らせるような斬新なアイデアかあるかというと、どうやろか、 無…

晩春

★★★★ 1992年2月16日(日) 日劇シネマ 晩年の「娘の結婚」シリーズの基調を形成したオリジナルな強度は認めつつ、それでも『麦秋』のパノラミックな複合や『秋日和』の豊穣な役者群の諧謔に比し単調且つ短調な調べに若干の物足りなさを覚える。ベーシックな小…

半落ち

★★★ 2004年1月10日(土) ホクテンザ1 端に至るまで男も女も背景を背負ってギリギリの生を生きるという全ての配役陣の役の把握力が圧倒的ドラマトゥルギーの発露に至る前半も真摯な問題提議をあくまで真摯に問う後半も個々に言うなら素晴らしい。しかし、両者…

パーマネント・バケーション

★ 1992年5月9日(土) テアトル梅田2 ディスコミュニケーションは映画の素材として決して珍しいものではないのだが、その結果、煩悶する自身が何を掴んだかが観客としては知りたいところなわけで、飄々と流れていく数日間の果てに突然旅立ちとか言われても勝…

パーフェクト・ケア

★★★ 2021年12月6日(月) なんばパークスシネマ8 金持ち老人を喰い物にする。ってのは、俺のような貧乏老人からすれば溜飲が下がる話。のはずだが不快感が先行する。 何だか、重心の置き方がハンパである。 この設定なら、老人たちを喰い物にされて当然のク…

パプリカ

★★★★ 2007年1月6日(土) テアトル梅田2 夢がゴッタ煮なフィギュア等の物で代替されるところに限界を感じ、刑事のトラウマは余りに青く、終盤のカタストロフも10分短い。しかし、間断しない目眩く展開には矢張り魅了される。そして、魅惑的なパプリカに代…

浜の朝日の嘘つきどもと

★★★ 2021年10月7日(木) テアトル梅田2 土台、無理筋やろ思った。 冒頭、福島のひなびた町に女性がやって来る。 閉館予定の映画館を訪れ館主に経営を立て直しに来たと言う。名前を聞かれ咄嗟に目に止まった券売所を見てモギリコ(茂木莉子)。「用心棒」三…

バベル

★★★★ 2007年5月19日(土) ナビオTOHOプレックス3 日本とモロッコの挿話が数枚の写真でしかリンクしない等、構成の強度は脆いし新味も乏しい。しかし、一見今更の喪失や鎮魂の中から最終的に抽出されるのは子供に対する大人達の思いと次世代への希望に…

バロン

★★★★ 1991年6月1日(土) みなみ会館 思い込みが激しすぎて相当にダラダラした物語だし、時には丸っきり漫画レベルの稚戯でしかないのだが、金に飽かせぬここまでの徹底ぶりには敬意をはらいたくもなる。カメオが効いておりロビン・ウィウィアムスが特に凄く深…

ハリウッドにくちづけ

★★ 1991年7月7日(日) 祇園会館 『スタ誕』の昔からめんめんと語り継がれる食傷気味なハリウッド内幕再生物語に何ひとつ新味ある解釈を加えずに御用監督に成り下がったニコルズ演出も黄昏の醜態を晒す。せめて、リアリズムかコメディか位は明確にしてほしかっ…

パンズ・ラビリンス

★★★★ 2007年10月20日(土) シネリーブル梅田2 少女の母への想いが醒めて見えるほどに退いた視座を保持している。過度にサディスティックな義父や偏執的にグロテスクな迷宮に対しても同様に均質な距離を感じ、逆説的に構造の歪さを増幅する。ラストの違和感…

バンテージ・ポイント

★★★ 2008年3月13日(木) 梅田ブルク7シアター3 反復される時間軸が徐々に伸延される様には快感がある。ただテロリズムの本質を私利に堕させる浅薄な展開や権力への従順な盲信や場違いな親爺の勘違いヒロイズム等又かとうんざり。手法には茫漠とした混沌の…

パラノイドパーク

★★★★ 2008年4月19日(土) テアトル梅田1 何も主張せず状況だけを切り取って散文的であることに徹するようにも見えるが、文字通りの普通の良い子をこうも完膚無きまでに体現されると観る者は肩入れせざるを得ない。そのキャスティングにサントの主張が凝縮…

ハンコック

★★★ 2008年9月4日(木) 梅田ブルク7シアター1 ウィル・スミスの神話領域への到達かとも思わせるカリスマ。孤独と連帯を抽出した前半は真に傑作であった。ところが唖然とする唐突な展開。セロンとの絡みは伏線の張りが無さすぎで台詞で説明される真相には…

ハプニング

★★★★ 2008年10月1日(土) 新世界国際劇場 一種異様とも言えるほど底浅の夫婦を登場させたことで、臭いまでのクライマックスに真実味が降臨。わけても妻デシャネルの造形は素晴らしい。更にそれがシャラマンの計算ではなく天然ボケらしいのも好ましい。変態…

バーン・アフター・リーディング

★★★★★ 2009年4月25日(土) TOHOシネマズ梅田9 どう転がるか予測不能の奇天烈展開が何をも語らず消え入るかの如き収束を迎えるとき、俺はコーエンの哄笑を確信する。タイプキャストのキャラを精緻の限りを尽くして演じる3人の男達。幸福な映画王国の共…

春来る鬼

★★ 1989年4月23日(日) 長崎東映シネマⅡ 脚本の菊島や三船、津島といった配役に旭の黒澤への憧憬が窺える。男が一途に思い続けた熱き衝動をこれ以上ない実直さでスクリーンに刻んだのだろう。ただ余りに実直すぎて何がおもろいのかさっぱり判らん気の毒な結果…

バベットの晩餐会

★★★★★ 1989年6月17日(土) セントラル劇場 幸せに多少は惹かれても慎ましやかな生き方を選択した姉妹の長い人生に捧げられた至福の1夜。謙虚に絶対の天才を隠していたトリックスター、バベットが舞い降りた幸運を機にスパークさせる奉仕の演舞。豪奢な料理の…