男の痰壺

映画の感想中心です

映画感想【はは~はん】

薔薇の葬列

★★★ 1999年8月1日(日) シネヌーヴォ梅田 ギリシャ悲劇を基盤に置いたものの、パッションの表出は文字の挿入や時間の解体などゴダール的手法に囚われる余り多分におざなりである。あるのは60年代末のゲイカルチャーの記録価値であり、ピーターのスター性よ…

バルタザールどこへ行く

★★★ 2000年1月15日(土) 扇町ミュージアムスクエア クロケの白黒撮影は完璧に美しいが児童映画にでもありそなロバの受難物語に人間界の無慈悲を対比させるなら今少しの劇的誇張もやむを得なかったのではなかろうか。無表情な目をして立ち尽くすバルタザールだ…

バレット・バレエ

★★ 2000年3月20日(月) テアトル梅田1 モノクロ撮影が塚本初期のテイストを匂わすが、やってることもまんま同じで、うんざり感も弥増す。何より抗チンピラ戦が女ごときにコロッときて、いつしか抗井川ヤクザにすり代わってしまうのでは勃ったもんも萎む。破…

(ハル)

★★★★ 1996年4月21日(日) テアトル徳山Ⅲ 恐らく想像だが森田は新幹線を使ったすれ違いというアイデアを起点にパソ通という今風アイテムを取り入れ物語を構築している。そして、そのシーンは気合い乗り充分で最大の見せ場たり得たが、全般にショットのパワーが…

パーフェクト ストーム

★★★★ 2000年8月2日(水) ユナイテッドシネマ岸和田3 CGを見飽きたと感じる向きにもこの嵐の海の木の葉のような漁船には一驚を感じさせる強弱感の理想的表出がある。物語が割れるのも全く気にならなかった。鄙びた漁村の風情が良くダイアン・レインもいい歳…

バンド・ワゴン

★★★★ 1995年1月12日(木) パラダイスシネマ アステアとチャリシーが反目しあいながらも惹かれ合う。そういう設定が両者のギアの噛み合わなさが引っ掛かりしっくり来ない。歌やダンスは「バックステージもの」の必然として浮世に内在化され楽屋落ちは世界を収…

★★★★★ 2000年12月21日(木) シネヌーヴォ 夫婦の根元的な営みとは綺麗事言ったってこれしかないんだってことだろう。新藤は解りやすい。とてつもなく暗く真っ当な話を60年代ATG前衛テイストでクールに、しかもシャープに描いた傑作。黒田清巳のエッジの…

薔薇のスタビスキー

★★★ 2022年9月14日(水) テアトル梅田2 フランスの一大疑獄事件を扱ったベルモンド自身の企画だそうで、脚本に「Z」や「告白」のホルヘ・センプランは良いとして何故監督にロマン主義のアラン・レネを選んだんでしょう。コスタ=ガヴラスとかの方が良かっ…

母を恋はずや

★★★ 1994年2月26日(土) ACTシネマテーク オープニングとラストが欠落状態では肝を欠いたも同然だが、にしても何の変哲もない母物で可もなく不可もない。先腹実腹の同趣向設定の裏を当然に行くかのような展開が品位にしてもドラマトゥルギーの発露は抑制さ…

ハンニバル

★★ 2001年8月24日(金) 新劇会館シネマ1 これ見るとレクターというキャラの魅力は檻に入れられてたからこそだったと思う。ギリギリの心理戦が見応えのあった前作に比べ枷を解かれた彼は在り来たりの犯罪者に堕した。取って付けたような終盤のカニバリズムは…

バニシング 未解決事件

★★★ 2022年8月8日(月) 新世界国際劇場 オルガ・キュレリンコ。ウクライナ出身でフランスでファッションモデルとなり、その後ボンドガールを経て多くのヒット作に出演。その彼女が出演した韓仏合作映画ってことで多少興味をそそられたのだが。 彼女が出たこ…

反則王

★★★★ 2002年2月14日(木) 新世界国際劇場 この主人公に共感したくはないが、一種の閉塞感やマイルドな破壊願望とでもいうアナーキーさは解る。何よりソン・ガンホがドロップキックやバック中を初めとした技をこなすのに驚嘆した。演出面でも風の表現は万感が…

パン屋襲撃

★★ 2002年2月28日(木) 扇町ミュージアムスクエア 軽いジョークと言うなら、それにさえなっていない。本質への考察や言及もないままに一種のファッションとしてのみ取り上げられた「共産党」と「任侠」が不快であるし無惨でさえある。表層に終始した形骸。原…

パーフェクト・ワールド

★★★ 1994年7月24日(日) 新劇会館 とりたててヒネリが効いてるとも思えぬ真っ当すぎる浪花節をノーブルだが散漫な演出と凡庸な撮影でダラダラ見せられる。コスナーが良いので若干救われてるが所詮は狂気の域まで踏み切る訳もなく、イーストウッドに至っては役…

パルプ・フィクション

★★★★★ 1994年10月16日(日) 梅田東映パラス 人の営為には煎じ詰めれば意味あることなんて何も無い。小癪な達観だが強烈なウィットが全てのシーンを被い工夫が効いていてダルに流すところが全く無い。まともなことは悉く避け脚本構成やキャスティングは全て1…

ハワーズ・エンド

★★ 1993年3月7日(日) 大毎地下劇場 相反する対立軸が融解しゆく過程を緻密に描くわけではなく、広いようで狭い階級社会の中で錯綜する多くの人間関係に埋没する。真の理解ではなく諦観めいている。何だろうか…この世界が趣味じゃないとしか言いようがない。(…

パリ13区

★★★★★ 2022年5月16日(月) シネリーブル梅田2 冒頭から素晴らしいモノクロの空撮に射られる。監督ジャック・オディアールは「マンハッタン」と「モード家の一夜」にオマージュを捧げたと言っている。直接的な本作への反映があったかはともかく敬意を捧げら…

巴里の女性

★★★★★ 2003年7月31日(木) OS劇場CAP 女性の自立史を独逸映画→仏蘭西映画→伊太利亜映画とでもいった構造的色調の3段変化で見せ、思いはメリエス『カリガリ』から『アンダーグラウンド』等に至る映画史に遡及せずにはおけぬ傑作。男はミューズパービエン…

巴里のアメリカ人

★★★★ 2022年2月26日(土) シネリーブル梅田2 子どもの頃にテレビで放映されてるのを見て退屈した覚えがあるのだが、さすがに今回はそれはなかった。 ガーシュインの楽曲はメロディアスではあるがビートが効いてるわけじゃないので趣味でもないし、モダンバ…

春のソナタ

★★★★ 2003年10月11日(土) OS劇場CAP 人生に於いて意図的に駆け引きを弄さなければ偶然は転がり込んでは来ない。そして、要件さえ整えば男と女はいとも簡単に恋に落ちるし簡単にそれは終わる。微妙なニュアンスをきめ細かく描いて闊達だが、それでもやは…

パーム・スプリングス

★★★ 2022年2月16日(水) 新世界国際劇場 【ネタバレです】 繰り返される時間軸の中に閉じ込められるっていう全然目新しくもない話を、さしたる緊張感もなくまったりと描いている。何か耳目を唸らせるような斬新なアイデアかあるかというと、どうやろか、 無…

晩春

★★★★ 1992年2月16日(日) 日劇シネマ 晩年の「娘の結婚」シリーズの基調を形成したオリジナルな強度は認めつつ、それでも『麦秋』のパノラミックな複合や『秋日和』の豊穣な役者群の諧謔に比し単調且つ短調な調べに若干の物足りなさを覚える。ベーシックな小…

半落ち

★★★ 2004年1月10日(土) ホクテンザ1 端に至るまで男も女も背景を背負ってギリギリの生を生きるという全ての配役陣の役の把握力が圧倒的ドラマトゥルギーの発露に至る前半も真摯な問題提議をあくまで真摯に問う後半も個々に言うなら素晴らしい。しかし、両者…

パーマネント・バケーション

★ 1992年5月9日(土) テアトル梅田2 ディスコミュニケーションは映画の素材として決して珍しいものではないのだが、その結果、煩悶する自身が何を掴んだかが観客としては知りたいところなわけで、飄々と流れていく数日間の果てに突然旅立ちとか言われても勝…

パーフェクト・ケア

★★★ 2021年12月6日(月) なんばパークスシネマ8 金持ち老人を喰い物にする。ってのは、俺のような貧乏老人からすれば溜飲が下がる話。のはずだが不快感が先行する。 何だか、重心の置き方がハンパである。 この設定なら、老人たちを喰い物にされて当然のク…

パプリカ

★★★★ 2007年1月6日(土) テアトル梅田2 夢がゴッタ煮なフィギュア等の物で代替されるところに限界を感じ、刑事のトラウマは余りに青く、終盤のカタストロフも10分短い。しかし、間断しない目眩く展開には矢張り魅了される。そして、魅惑的なパプリカに代…

浜の朝日の嘘つきどもと

★★★ 2021年10月7日(木) テアトル梅田2 土台、無理筋やろ思った。 冒頭、福島のひなびた町に女性がやって来る。 閉館予定の映画館を訪れ館主に経営を立て直しに来たと言う。名前を聞かれ咄嗟に目に止まった券売所を見てモギリコ(茂木莉子)。「用心棒」三…

バベル

★★★★ 2007年5月19日(土) ナビオTOHOプレックス3 日本とモロッコの挿話が数枚の写真でしかリンクしない等、構成の強度は脆いし新味も乏しい。しかし、一見今更の喪失や鎮魂の中から最終的に抽出されるのは子供に対する大人達の思いと次世代への希望に…

バロン

★★★★ 1991年6月1日(土) みなみ会館 思い込みが激しすぎて相当にダラダラした物語だし、時には丸っきり漫画レベルの稚戯でしかないのだが、金に飽かせぬここまでの徹底ぶりには敬意をはらいたくもなる。カメオが効いておりロビン・ウィウィアムスが特に凄く深…

ハリウッドにくちづけ

★★ 1991年7月7日(日) 祇園会館 『スタ誕』の昔からめんめんと語り継がれる食傷気味なハリウッド内幕再生物語に何ひとつ新味ある解釈を加えずに御用監督に成り下がったニコルズ演出も黄昏の醜態を晒す。せめて、リアリズムかコメディか位は明確にしてほしかっ…