男の痰壺

映画の感想中心です

ハンズ・オブ・ラブ 手のひらの勇気

★★★ 2016年11月28日(月)大阪ステーションシティシネマ
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恋の形成過程も熟成過程も多分におざなりである。
確かに映画の本線は権利を得るための社会を巻き込んだ「闘い」にあるのだろうし、実話ということで脚色にも限界があったかもしれない。
だが、この結末が深い共感をもって受け入れられる為には、2人の絆をもっと強固に描かないとならなかったと思えるのだ。
 
難病演技のジュリアン・ムーアは当然にそつがないが、やはり映画の核心を担うのはエレン・ペイジだろう。
それまでの孤独で過酷な生をオーラのようにまとわせた佇まい。
常に相手の瞳を通り越して遠くの何かを探すような眼差し。
製作も担っただけに気合入りも半端じゃなかった。
 
恋の形成過程も熟成過程も多分におざなり。権利を巡る闘いが本線であるにせよ結末が深い共感をもって受け入れられる為の2人の絆の描きこみが不足。しかしそれでも尚エレン・ペイジの孤独で過酷な生をオーラのように纏わせた佇まい。そこには心打たれる。(cinemascape)