男の痰壺

映画の感想中心です

2018-11-01から1ヶ月間の記事一覧

イントゥ・ザ・ストーム

★★★ 2014年8月26日(火) 梅田ブルク7シアター2 最早どんなに凄いことがスクリーン内で起こっても所詮CGやろとしか思えぬが、竜巻ハンターのピートが今際の際に見る静謐世界には心打たれた。ならば、至福の表情こそ必須だったと思うのだが。兄弟のキャラ…

豚と軍艦

★★★ 1977年11月20日(日) 東梅田シネマ 豚の大群とマシンガンが全ての汚濁を無に帰するというクライマックスありきで、そこに至るあれやこれやが喜劇というには重くシリアスには役者陣も戯画的に過ぎる。ヒロイン吉村実子も風穴を開ける清風を纏うには内実が…

ハード・コア

★★★★ 2018年11月23日(金) 梅田ブルク7シアター5 ダメ野郎どもが、打ち捨てられたロボットをみつけて物語が転がる。 ってのは、正直食傷であって、そんな今更の話なんてみたくもない。 アメリカ映画並みに特撮でガンガンやるってのもしんどいので、ヘタウ…

トランスフォーマー ロスト・エイジ

★★ 2014年8月14日(木) 梅田ブルク7シアター6 方形の金属がガシャガシャと変形するのが良いのであって、粒状物質にトランスフォームさせた時点で終わったと思う。途中からクソのような物語の舐めた根性に付き合うのがアホらしくなった。謙やグッドマンが…

ヤング・ゼネレーション

★★★★ 1980年8月5日(火) ビック映劇 鬱屈しまくっているが反逆もできない。身の丈を弁え親のことは一応尊敬もする。そんな彼等がダラに過ぎゆく日々の中で辛うじて見つけた正念場。そういう細やかな一局面にドラマが見出されたこと。大多数の埋没し行く人生の…

ギャングース

★★★★★ 2018年11月24日(土) TOHOシネマズ梅田7 どっかの党が一時機、消費税上げなくても企業の内部留保吐き出せたらいいねんと謳っていた。 どうやって吐き出させるかの方途を指し示すことが肝要なのに、全くの言うだけ番長で、だからダメやねん。 と…

ヘウォンの恋愛日記

★★★★ 2014年9月6日(土) シネマート心斎橋2 作劇常道では行き詰りの孤独地獄への転落を描くその一歩前のモラトリアムな瞬間をこそ淡々と綴る。此処ではない何処かへの逃避願望の切実をアイコンバーキンやスコセッシがシャレで被い救われる。悪意は隠蔽され…

007/ムーンレイカー

★★★ 1980年7月28日(月) 伊丹グリーン劇場 半端に宇宙という要素を加味したのが虻蜂取らずの浅薄さで、敵ジョーズを執拗にフィーチャーし続けるに至りギャグ映画へと転換する。ギルバートの取り組みは前作と違わぬ真面目な大構えなのに伝統的「スパイ映画」と…

三人の女

★★★★ 2018年11月24日(土) プラネットスタジオプラスワン 人格が入れ替わる(完全にとは言えないのだが)ということで、当時、アルトマンが影響下にあったらしいベルイマンの「仮面 ペルソナ」が容易に想起されるのだが、そこには俺はあまり興趣をおぼえな…

人生劇場 続・飛車角

★★★★ 2014年9月13日(土) 新世界東映 義を通すと同等に情を重んじる。倫理観が男尊的であることを差し引いても尚惻惻と沁み入る鶴田の口跡の絶品。佐久間2役も如何わしさを帯びつつ刹那感を弥増させる。沢島演出は技巧を抑制し尚絶好調だが、満州パートが…

あなただけ今晩は

★★★ 1980年8月8日(金) 毎日文化ホール ペーソスの塊だったトリオ前作に比べ、すり替わりのドタバタを前面に出したのは良いが、そこに徹しきれずに半端にペーソスを投入する。結果半端に笑えて半端に泣けるものにしかならなかった。ギャグが超現実に飛翔する…

アウト&アウト

★★★ 2018年11月17日(土) TOHOシネマズ梅田4 俺は「レオン」という映画にちょっと気持ち悪さを感じている偏屈野郎なので、小さな女の子を引き取ってる強面探偵っていう設定は鬼門のはずなのだが、大丈夫だった。 女の子が小さすぎたのもあったし、その…

LUCY ルーシー

★★★ 2014年8月29日(金) TOHOシネマズ梅田2 エイゼンシュテインも墓場で真っ青な冒頭のチーターモンタージュを気力で乗り越えると後はどうなっても平気だった。寧ろ無心でスカヨハのおっぱい調度いいでかさだなとかに念を注力した。ただ、ミンスクがど…

ピンク・パンサー2

★★★★ 1980年9月3日(水) 伊丹グリーン劇場 品の良い連中が精一杯バカやってるのに嫌みになっていない。誠意をもって真剣にバカやろうとしているからだろうし、エドワーズもセラーズも選ばれし者ということだ。境界線上の均衡を擦り抜けたシリーズ最高作。アン…

★★★★ 2018年11月17日(土) テアトル梅田1 銃を手に入れたとたんに、万能感に支配され身を滅ぼす。 ってモチーフは、大藪春彦とか始め繰り返されたモチーフで特に新しいもんでもない。 しかも、本作は銃に対するフェチズムも大して見られないし、人生変わっ…

監視者たち

★★★ 2014年9月6日(土) シネマート心斎橋2 オリジナルより犯行グループの描写が熾烈になり温さは解消されたのだが、それでも所詮は手出し御法度の監視専門班というダイナミズムを封殺された設定が枷と感じられる。上司(ギョング)・部下(ヒョジュ)コン…

マイ・ロード

★★ 1980年10月19日(日) 伊丹ローズ劇場 白人女と一発やりてえという恥も外聞も身も蓋もない話を脳天気に繰り広げられても、どう対処すればいいというのだろうか。日本人の平均的意識レベルを忠実に反映した時代の産物とも言えるが哀しくも侘びしい出来となっ…

ソフィーの選択

★★★★ 2018年11月17日(土) 大阪ステーションシティシネマ5 見終わって製作年度を調べたら「シンドラーのリスト」より10年前だった。 であれば、このアウシュビッツの描写は衝撃だったと思われる。 どういう映画か、あまり知らずに見た。 で、必然的にか…

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー

★★★ 2014年9月14日(日) MOVIXあまがさき10 1人カラオケしつつのオーブ奪取の掴みが良く、面子が揃うまでは流れも快適だが、揃ってからは毎度の悪の枢軸VS連合軍的定番戦争の善良サイドの尖兵と化して新味も失せる。惑星ザンダー上空の陽光下の…

悪魔の棲む家

★★ 1980年7月16日(水) 伊丹グリーン劇場 さしたる刺激が無いことを承知しつつ、怠惰に流されるだけの仕事。ベストセラー原作でヒットが予測されてるに甘え使い古しの設定に依拠し斬新さの欠片もないスタッフやキャストの迎合のルーチンワーク。何よりあんま…

生きてるだけで、愛。

★★★★★ 2018年11月16日(金) 梅田ブルク7シアター4 大仰で重っくるしいタイトルであるから、多少眉に唾つけて見始めたのだが。 篇中、主人公が言われる。 「あなた、よく今まで生きてこれたわね」 まったくそのとおりであって、そういう意味でこのタイトル…

郊遊 〈ピクニック〉

★★★ 2014年9月13日(土) シネリーブル梅田2 鼻水垂らし期限切れ弁当食いつつ此処ではない何処か今でない何時かを見探す男だが、何も見てない空洞のような眼窩にも見える。チャップリン映画のようなホームレス親子の生活が痛々しいが夢も希望も世界には無い…

サンゲリア

★★ 1980年10月12日(日) 伊丹グリーン劇場 とことんな伊映画屋魂はわからんでもないが、病的なまでに執拗な気持ち悪い描写の羅列には矢張り辟易する。炎天下の路上や公園で動物の死体を棒で裏返して見れば蛆が何百匹も涌いていた…そんな生理的嫌悪感を煽り続…

殺る女

★★★ 2018年11月17日(土) 大阪ステーションシティシネマ12 女殺し屋主演のアクション映画としてはてんで駄目である。 屋上からのスナイプ。 高級娼婦に化けて潜入接触。 ウェイトレスに変装してターゲット待ち伏せ。 ありきたりな借り物臭。 部屋は最小限…

ソニはご機嫌ななめ

★★★★★ 2014年9月6日(土) シネマート心斎橋2 短気な自己チューで倫理観低そな彼女だが、一方で酒付き合いだけは良く止め処ないグダ喋りにも延々付き合ってくれてエッチ障壁も低い。そういうピンポイントのホン・サンス的理想に激しく同調する。ラストの鉢…

さすらい

★★★ 1980年9月13日(土) SABホール 2度とは戻れぬ過去にしがみついて虚無と絶望の狭間をたゆたう様が、アントニオーニの後のグエッラ共闘作品のような透徹された先鋭ではなく物語の枠に未だ拘泥しており緩く平凡に感じられる。急転直下に流れを断ち切るラ…

ロイ・ビーン

★★★★ 2018年11月11日(日) プラネットスタジオプラスワン 一番秀逸なのはジョン・ミリアスの脚本だと思う。 ヒューストンの演出は縦構図とアップを縦横に駆使してストップモーションの遊びなど自在な感じでいい。 しかし、おそらくこの映画で最大のヤマ場で…

るろうに剣心 伝説の最期篇

★★★ 2014年10月5日(日) MOVIXあまがさき5 結局とっ散らかした前篇を回収する為にだけ奉仕するプロット群で、その間を繋ぎ止めるエモーションが欠落。気合入りのシークェンス構築力で一応は吸引力を維持するが体育会系一辺倒の殺陣も飽きる。福山登板…

モダン・タイムス

★★★★★ 1980年7月12日(土) 毎日文化ホール ラング・クレールの延長線上に立脚したチャップリン集大成にして最高到達点。工場とスケートリンクの至宝級の芸に加えて「悪声」の不協和音爆弾が歴史を刻印する。ドライなユーモアと程良いペーソスが絶妙の配合。完…

ボヘミアン・ラプソディ

★★★★ 2018年11月9日(金) 梅田ブルク7シアター1 クイーンにそれほど興味を持ったことはない。 俺が10代のころ、彼らに対して勝手にもっていたイメージは女子に人気のバンド。 まあ、ベイシティ・ローラーズとかそんな類ってもんだろってな感じであった…