男の痰壺

映画の感想中心です

映画感想【さあ~さの】

ザ・エージェント

★★★★ 1997年6月8日(日) テアトル徳山Ⅰ 崖っぷちエージェントにポンコツ選手を配し再生が2重構造になっているのが巧妙で両者が絶妙に補完し合う。クルーズのハイテンションパフォーマンスへの転換点。ゼルウィガーのキュートな哀感も相性抜群な正統派シチュ…

さすらいの二人

★★★★ 1998年8月15日(土) 第七藝術劇場 アントニオーニの又かの厭世感には今更とも思うが、米欧の主役2人が異郷北アフリカの砂漠に流れ行く様には刹那感も倍加される。そして、予想外に用意された終局驚愕の7分間。このハッタリを好きかどうかが加点の分か…

サドン・デス

★★★★ 1996年6月1日(土) テアトル徳山Ⅰ 撮影者としてのハイアムズが着目されることは少ないのだが、これは傑作の部類だろう。細緻な部分にまで拘りとにかく画面の抜けが抜群に良い。ヴァン・ダムのどうしようもなく人の良い兄ちゃんキャラも遺憾なく発揮され…

叫びとささやき

★★★ 1980年3月5日(水) 毎日文化ホール モノクロームの表現主義に傾倒してきた映像作家が虚飾を脱いで彩色世界で曝け出した女性観が血の色だというのが生々しくキツい。手法の変化という以上にベルイマンの内なるミソジニーが全開された転換点。だが先鋭的…

さくや 妖怪伝

★★★★ 2000年8月18日(金) ワーナーマイカルシネマズ東岸和田7 少年向けの貸本文化的な妖怪ものとしても愛くるしい出来だが、思いの他に怪獣映画へのリスペクトまでもが匂い立つ。それを真摯に演ずる松坂の生真面目さは感涙もの。ザコ妖怪までいちいちご丁寧…

さかなのこ

★★★★ 2022年10月18日(火) シネリーブル梅田4 さかなクンへの関心ってのが絶無で、のんへの興味も失せてる俺ですが、それでも見て良かったと思いました。やっぱ映画は見てみないとわからんもんです。 男であるさかなクンを女の子ののんが演じる。設定を変…

京浜抗争史外伝 最後の組長

★★★ 2000年12月2日(土) 天六ユウラク座 最早何も今更抽出し得べくもない任侠道と功利主義の確執を描くに当たり、今を表出させるべく持ち出したのが冒頭の女子高生のパラパラだったのだろうか。哀しいまでの鳥井監督のセンスのズレに戸惑うが手堅い出来ではあ…

サディスティック&マゾヒスティック

★★★ 2001年4月13日(金) シネヌーヴォ 良識人的風貌の小沼がSMという題材に傾倒する何かが露呈されたわけでもない。ただ真摯に付与の仕事に向き合ったのだとする中田の抑制には好感を持つ。谷ナオミとの邂逅シーンはさながら『インテルビスタ』のフェリーニ…

13デイズ

★★★ 2001年5月8日(火) 祇園会館 好戦ポピュリズムに抗して理を通す困難と孤独を余すことなく描いているが、側近で助言者である語り部と弟、この3者間の信頼と共振が仄暖かく救われる。しかし、室内ディベート劇に徹し切れないパイロットエピソードの挿入な…

J&S さすらいの逃亡者

★★★ 1995年9月9日(土) みなみ会館 見かけはもとより遣ること為すことド汚なく且つええかげんな主人公の70年代マカロニ末期テイストの佳品。演出にはハッタリとケレンが垢抜けなくも窺え一応の訴求力はある。ひとことで言って変な映画だが例によってのんべ…

サイボーグ・コップ

★★ 1994年1月9日(日) 新世界国際劇場 折角サイボーグものの人に非ずになっちまった哀感を醸し出せる設定を取ってるのだから、その線であざとい位に押しても良かったのではないだろうか。それはさておき、アクション映画ならいくらなんでももう少し見せ場らし…

殺人ドットコム

★★★ 2002年1月13日(月) 天六ユウラク座 ネタが割れそうになると先回りして割っちまう展開が巧いかズルイかはともかく、好テンポを産んで飽きさせない手法とは思う。だが一方で、枝葉を広げすぎて焦点がボケた感も否めない。まあしかし、拾い物とまでは言わず…

殺人核弾頭 キングコブラ

★ 1994年8月28日(日) 新世界国際劇場 300%どうでもいいような話であり、それはそれで構わんのだが、肝心のアクションが絶対零度に限りなく接近しようかというショボさであり、尚且つ畏れ多くもジョン・ウーの『ハード・ターゲット』を意識した類似品とい…

酒とバラの日々

★★★★ 1994年9月7日(水) シネマアルゴ梅田 ジャンル映画としての前フリに過ぎぬ前半3分の1が矢張り甘い。しかし、後半急速に締まる。付かず離れず墜ちていく2人。だが、サイコパスな展開を避け死での決別もない予想外な終結と余韻。オーバーアクトのレモン…

座頭市果し状

★★★ 2002年7月7日(日)~8日(月) トビタ東映 人を斬る市の呵責の無さが結構際だっていて非情さが良く出ている。ルーティーンな話だが安心して見られるし、天下の宮川の撮影は深い色を良く出しカットによってはとてつもなく美しい。(cinemascape)

最後のブルース・リー ドラゴンへの道

★★★ 2002年8月15日(木) トビタシネマ 蹴り上げた足先で瞬時にこなす2つの動作に目を疑い、殴り蹴る際の烈迫の気合は「闘う」ことの初源的な意味を思い知らせる。バレエの如き振付けクンフー映画では味わえない本物の興奮。敵役ノリスの扱い良く、リーの三文…

さすらいのカウボーイ

★★★★★ 2002年10月16日(水) テアトル梅田2 女は男の愛にすがって生きていけても男は女への愛だけでは生きてはいけず、永久に本質的には解り合えないという自明の理を悟りの境地に達したかのような達観ぶりで描いた散文詩。20歳のときに結婚した10歳上の…

サイン

★★★ 2002年11月2日(土) 梅田ブルク7シアター7 世界の終末を田舎の1軒屋に限定して描くというのは思いつきそうな話だが、それにリンクさせた超常現象にアメリカンタブロイド的レトロチープさを持ってくるのは完璧に新鮮で巧い。しかし、信仰の回復にまつわ…

殺人に関する短いフィルム

★★★★ 2003年4月29日(火) シネリーブル梅田1 青年の殺人に至る背景が解き明かされるにつれ感情移入を強制される居心地の悪さを感じたのは事件と社会構造とのロジカルな因果関係を解き明かせてはいないからだろう。にしても、このフィルター駆使による閉塞感…

サウンド・オブ・サイレンス

★★★ 2003年6月19日(木) トビタシネマ ブリタニーが出色なこともあり導入部分は『羊たちの沈黙』逆バージョンとして期待も高まるのだが、単なる記憶探しに話が縮こまってしまい、つまんないことこの上ない。映像表現も役者も1級といっていい出来なのに脚本の…

チャップリンの殺人狂時代

★★★ 2003年8月7日(木) OS劇場CAP 大不況下の絶望感を滲み出させてソクソク身に沁みる物語だけに、トレードマークは脱ぎ捨てても残るチャップリンの尻尾が煩わしい。有名なラストの演説も戯言にしか思えない。何故なら物語は其処に収斂するようには組ま…

サクリファイス

★★ 1993年12月4日(土) ACTシネマテーク タルコフスキー美点のたゆたう時間軸は平準化され、ニクヴィストが捕らえる空気や火や水は平板で陳腐。ヨセフソンが問う神の在不在には借り物臭いベルイマン臭が横溢。しかも、退屈な『鏡の中にある如く』を彷彿と…

座頭市

★★★★ 2003年9月20日(土) 梅田ピカデリー1 異世界から来たターミネーターのように問答無用で斬りまくる市には虚無や同情や憎悪等の作劇上の動機付から逃げたズルさを感じる。それを逆手に取ってトリックスターとしての役回りを全うさせるなら物語構造自体を…

殺人課

★★★ 1992年2月16日(日) 新世界国際劇場 主人公がコミューンに同化してアイデンティティに目覚め境界を越えて行くのに同族であるからというだけでは今いち説得性が無い。結局のところ属する場所は何処にもなかったという終盤の絶望感はかなりのものだが。演出…

殺人の追憶

★★★★★ 2004年9月13日(月) トビタシネマ 野村や熊井や黒沢在りし頃の嘗ての日本映画が持ち得ていた社会派推理劇の豊穣なる文法に乗っとりつつ、得てしてノスタルジーに装飾される多くの未達感や悔恨は現実には今の時代にも綿々と繋がっているという詠嘆。そこ…

続・座頭市物語

★★ 1992年6月21日(日) 高槻松竹 虚無感の塊みたいな1作目での天知茂の存在感に対して本作の若山富三郎には虚無感が似合わなく、しかも、市との関係もピリピリした緊張感を出せない設定にしてしまった。三隅と森の演出力量の差も一目瞭然だ。(cinemascape)

ザ・コミットメンツ

★★★★ 1992年6月20日(土) 大毎地下劇場 プレイヤーではなくマネージャーを主役にしたのがドロ沼のようなアーティスト地獄から映画を解き放ち観る者に一抹の救いを与える。でないと、クスんだダブリンのマイナーバンドの挫折話を、こうまで気持ちよくは見れな…

座頭市物語

★★★★ 1992年6月21日(日) 高槻松竹 歴史の伝承の片隅に記されただけの傑物たちのひとときの相克と共振。後のアクロバティックな市の居合いはまだ無く地味なリアリズムが全編に漂う虚無感を全うさせている。それを一方で負って立つ天知茂の傍流的な役者として…

ザ・グリード

★★★★ 2005年11月28日(月) トビタシネマ 清々しいまでに夾雑物がなくノンストップに一直線。編集で取り繕うのではなくショット内での役者やスタントの労力を惜しまないのにトリート・ウィリアムスは余裕で笑ってる。しかし、泣くときゃあ泣く。これぞ減り張り…

THE有頂天ホテル

★★ 2006年4月21日(金) ナビオTOHOプレックス3 笑いも泣かせも底が浅すぎて観客を嘗めてるのかとさえ思うし、ロビーのセットと他のロケシーンの繋ぎに違和感があり過ぎる。どんな規模とグレードのホテルやねん。美術設計をしてないんちゃうかと思う。…