男の痰壺

映画の感想中心です

2022-03-01から1ヶ月間の記事一覧

ハンテッド

★★★ 2003年5月31日(土) 梅田ブルク7シアター5 デル・トロのトラウマは物語を転がすための方便として緩さを黙認しても全編に渡って骨子となる「子殺し」というテーマが何の切実味もなく悲愴感が欠片も感じられない。電車を使ったチェイスの冴えのみが往事の…

キャロル

★★★ 1993年9月14日(火) 第七藝術劇場 映画を巡る事件は最早風化しそこへの言及は虚しいだけだが、固めてないリーゼントがまるでロン毛の素の永ちゃんが、反ロッカー的に70年代のフラワーなムードを発散させ秀逸。キャロルと言うより彼の映画ってな位に思い…

団地妻 肉体地獄

★★★ 2003年5月14日(水) 東梅田日活 正味AVに毛のはえた程度の代物としか言えず、定石のストーリーを飽きもせず繰り返すだけにしても、数多ある「映画」の存在意義を考えるに、これはこれで或る意味役割をまっとうしているとは思う。見てる間ずっと勃ってた…

諏訪敦彦 Nobuhiro Suwa

生年:1960/05/28 kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com

ベルンハルト・ヴィッキ Bernhard Wicki

生年:1919/10/28没年:2000/01/05 kenironkun.hatenablog.com

孤独の報酬

★★★★ 2022年3月21日(月) プラネットプラスワン 60年代にイギリスのスタジオシステムの圏外から勃興したフリーシネマの3羽烏の1人リンゼイ・アンダーソンの作品だが、社会のシステムに対するどうしようもない怒りや反抗というより、ひたすらに男と女の…

赤い航路

★★★★★ 1993年9月25日(土) 池田映劇 冒頭の乳白色の海の深みに誘われ突入する目眩く変態性欲世界は文学情緒満載で時制の構成も巧緻。依存と乖離を往還しながら堕ちてゆく男と女の腐れ縁の帰結はそれ以外にあり得ない必然。そして突き放す。物語のバイブレーシ…

ワンス・アンド・フォーエバー

★★★ 2003年6月19日(木) トビタシネマ ドラッグもストーンズも未だ無いベトナム。完膚無き負け戦にまみえた50年代アメリカ理想主義は友愛精神も高らかに未だ穢れを知らない。斜に構えぬ平明な描写は悲惨な戦闘状況を的確に描写するがイラク戦争下でこれが製…

僕の村は戦場だった

★★★★ 1993年9月17日(金) 第七藝術劇場 現在進行形の部分は今だありきたりな物語の尻尾にひきずられ、その静謐描写の連続は倦怠との臨界ギリギリとも思われるのだが、回想シーンのシュールな突出が失われし恒久平和をリリカルに表して惜涙が滲む。その時制の…

テリー・ギリアム Terry Gilliam

生年:1940/11/22 kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com

HIKARI Hikari

生年:/// kenironkun.hatenablog.com

カオス・ウォーキング

★★★ 2022年3月26日(土) 新世界国際劇場 心で思ってることがバレバレになってしまう。 もし、そうなったらと思うと、己の下衆性根が白日のもとに晒されてかなわんわーと思う一方で、みんなそうなんやからええかと思ったり。だって、多かれ少なかれ人間なん…

巴里の女性

★★★★★ 2003年7月31日(木) OS劇場CAP 女性の自立史を独逸映画→仏蘭西映画→伊太利亜映画とでもいった構造的色調の3段変化で見せ、思いはメリエス『カリガリ』から『アンダーグラウンド』等に至る映画史に遡及せずにはおけぬ傑作。男はミューズパービエン…

水の旅人 侍KIDS

★★★ 1993年9月15日(水) 梅田劇場 NHK教育の幼児向けドラマのようなチープな絵作りがそれなりに味わい深く、それを全篇全うすることで題材に見合う世界を表出し得てるとは思うが、『デンデケ』以後の大林マイブーム手持ちカメラのブレ映像のしつこさが世界…

the EYE [アイ]

★★★ 2003年6月7日(土) 梅田ガーデンシネマ1 下手なCGに依存せず超望遠レンズの駆使で見せるところに作家魂を感じたし、もの哀しい孤独な叙情感の表現にも惹かれたが、新旧古今東西の映画や漫画のアイデアを凌駕するものが1つでもいいから欲しかった。 ke…

トム・フーパー Tom Hooper

生年:1972/10/05 kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com

レン・ワイズマン Len Wiseman

生年:1973/03/04 kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com

白い牛のバラッド

★★★ 2022年2月26日(土) 大阪ステーションシティシネマ6 扱っているテーマも演技と演出も文句をつける筋合いはない。でも、1イシューをその通り描いただけみたいな物足りなさを感じた。 それは何だろうと考えるに、主人公の女性の葛藤の描き足りなさであ…

ローラ

★★★ 1993年9月25日(土) シネマヴェリテ クタール撮影はモノクロの粋だが、あっちへふらふらこっちへふらふらの主体性にも行動力にも欠ける主人公が結局フラれるだけの話を幾ら感傷的に修飾して撮ったって何も観る者の心には沁みない。頭からケツまで思い込み…

二重スパイ

★★★ 2003年6月9日(月) ホクテンザ1 丁寧に撮られた映画だとは思うが、決定的にサスペンスが足りない。劇的な誇張を良しとしないのなら、中途半端な恋愛感情も抜きにして欲しい。脱北者に対する意外と冷徹な韓国感情はこれが全てではないとは思うが予想外で…

マトリックス リローデッド

★★★ 2003年6月24日(火) 梅田ピカデリー2 脳味噌にプラグ差し込みデータを送り込めばスーパーマンの出来上がりというのは設定だから我慢しても拮抗すべき現実世界が馬鹿踊りと青い純愛で表象されるしかないのならどうしようもない。100人のスミスに至って…

井筒和幸 Kazuyuki Idzutsu

生年:1952/12/13 kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hat…

ジョセフ・コシンスキー Joseph Kosinski

生年:1974/05/03 kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com

BODY ボディ

★★★★ 1993年9月25日(土) 池田映劇 エロティシズムを描こうとする映画は往々にしてあざといが、このマドンナは不感症の女が無理してる感が全く無い。それでも律儀にミステリーの体裁を全うしようとする演出の隙間から否応なくスケベが滲み出る。冗談ではなく…

友よ、静かに瞑れ

★★★★ 1993年10月30日(土) 第七藝術劇場 日本映画には珍しい本物のハードボイルドの臭い。原作通りの北日本では多分キザが表に立ちすぎてしんどかったろうが、緩い沖縄のムードが中和剤となり又そこはかな神話味も付与。出色な出来。脇に回ると最強な原田・倍…

サウンド・オブ・サイレンス

★★★ 2003年6月19日(木) トビタシネマ ブリタニーが出色なこともあり導入部分は『羊たちの沈黙』逆バージョンとして期待も高まるのだが、単なる記憶探しに話が縮こまってしまい、つまんないことこの上ない。映像表現も役者も1級といっていい出来なのに脚本の…

ジャファル・パナヒ Jafar Panahi

生年:1960/07/11 kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com

ハーモニー・コリン Harmony Korine

生年:1973/01/04 kenironkun.hatenablog.com

初恋・地獄篇

★★ 1993年9月26日(日) 高槻松竹 四畳半的寺山の怨念がアナーキーに解放されずに日常に埋没し糞詰まりのようで、更に羽仁の演出がゴダールの洗礼を受けた60年代シネアストの悪しき典型とでもいう舌足らずさで追い打ちをかける。(cinemascape) kenironkun.ha…

アメリカの友人

★★★ 2003年7月2日(水) OS劇場CAP 物語を正面から語れない典型的シネフィルの「ごっこ映画」でヒッチもどきの列車内サスペンス等パロディにさえなっていない稚戯の極みだ。しかし、不遇のホッパーを掘り起こしコッポラへと繋いだ慧眼などキャスティング…