男の痰壺

映画の感想中心です

映画感想【かあ~かの】

怪物の木こり

★★★ 2023年12月17日(日) MOVIXあまがさき8 シリアルキラーVSサイコパスと聞いて「エイリアンVSプレデター」とか「貞子VS伽倻子」とかの最恐対決もんを連想するが、そういうのって大方面白くならないのは、どっちかに見る者の気持ちを仮託させ…

カード・カウンター

★★★ 2023年6月28日(水) シネリーブル梅田3 80歳手前のポール・シュレイダーが同年代の盟友スコセッシの協力を得て戦争後遺症のギャンブラーを描く。唆らないでもないが、まあ、2人ともお歳ですから、そんなにエッジの効いたもん期待してなかったし、実…

怪物

★★★★ 2023年6月4日(日) MOVIXあまがさき11 カンヌでの脚本賞受賞の降って湧いた感の正体は又ぞろの多様性ポリコレかよと、幽霊の正体見たり枯れ尾花。でも、それは授賞の背景のことで、作品自体の評価とは又別ものの筈である。 どうも、この脚本、…

書かれた顔

★★★★ 2023年5月31日(水) シネヌーヴォ 玉三郎に大して関心がないし、そもそもに歌舞伎ってものにも興味がない俺であるが、ダニエル・シュミットには少しあった。学生の頃、イメージフォーラムとかリュミエールなんて雑誌を見てるとニュージャーマンシネマ…

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー VOLUME3

★★★ 2023年5月19日(金) 大阪ステーションシティシネマ6 2作目でのアライグマ、ロケットのキャラ深化を見ればこうなるのは必然かと思わせるロケットど真ん中作である。 それに加えてマンティス(触覚女・クイルの異母妹)やネビュラ(キカイダー女・ガモー…

風の歌を聴け

★★★★ 2023年3月15日(水) シネヌーヴォ 村上春樹の小説は幾つか映画化されているが、その内向するモラトリアムな世界観と映画を叙述する散文的文体が適合した点に於いて、良いか悪いかは別として随一だと思う。それは多分に若気の至り的青臭さを纏っている…

崖上のスパイ

★★★★ 2023年3月8日(水) シネリーブル梅田2 俺は中国共産党の映像番頭みたいなポジションにいるチャン・イーモウにがっかりするのだが、その一方でやっぱこの人の映像筆力は並々ならぬもんがあると思わざる得ないんです。今作もその辺を堪能しました。 満…

影の軍隊

★★★ 1998年11月7日(土) シネヌーヴォ 淡々と進む話の流れを断ち切ってでもいいから得意の陶酔型描写を見せて欲しかった。ムーディな叙情描写を旨とする人が見せた転向とも言える叙事的語り口を評価する向きがあったにせよ俺には平板としか感じられなかった。…

学校Ⅲ

★★★★ 1999年1月30日(土) 新劇会館シネマ2 リストラに絡む部分は山田の現実認識の弱点を露呈しているが中年男女の恋愛描写はさすがに絶妙に巧い。大竹しのぶはこういう役だと本当に独壇場。そして、投げ出すようなラストがシニカルで厳しい。(cinemascape) k…

カットスロート・アイランド

★★★ 1996年3月2日(土) 徳山国際劇場 古き良き時代の海洋アドベンチャーを巨費で描くというのはいい。しかしシリアスでもコミカルでもない余りに中途半端な設定を火薬量で紛らわすかのような大味。悦に入って演じるジーナだけが喜んでいる感じで金持ち勘違い…

カジノ

★★★ 1996年4月20日(土) 徳山国際シネマ スコセッシが自分の抽斗から使い廻した物を引っぱり出してつなげた希釈版集大成。渦中に浸った『グッドフェローズ』に比し搦め手からの印象は免れず、狂気の担い手ではなく狂言回しになったデ・ニーロも喰い足りない。…

学校の怪談2

★★ 1996年7月20日(土) テアトル徳山Ⅲ ベタだが明快な骨子があった1作目に比べ、全く練られてないとしか言いようのない脚本がうんざり。明らかに興行事情にかまけた怠惰な仕事。お化けも新味無く、辛うじてのベタ強度を持った岸田今日子がいなけりゃ救いよう…

★★★ 2000年9月2日(土) テアトル梅田1 悲惨な状況に諧謔を差し込むことは有りだとしても真のどん底から遠ざける。ひとつひとつのエピソードはそれなりに魅力があるが単なる羅列に終わり再生につながる道程を構築しきれない。主人公の生き様に対しての感情の…

学校Ⅱ

★★★★ 1996年10月19日(土) テアトル徳山Ⅱ リサーチがもたらした養護学校に携わる人たちのプロフェッショナリズム。それを具現化する演出の力量と役者魂の相克。リアリズムな前半の室内からファンタジックな後半の雪原への展開も閉塞感を解放する。ギリの選択…

カオス

★★★★ 2000年11月20日(月) テアトル梅田2 正直凄く面白いアイデアでもないし中田演出は中谷美紀からエロスを抽出しようと躍起になっているが未だ力量不足の感がある。だが、もどかしいほどの遣り切れなさが横溢し随所でヒッチ乃至は伝統的ファムファタ-ルへ…

カウガール・ブルース

★★ 1995年1月21日(土) 三越劇場 何がどう間違ったのかわからないが全く面白くない。癖のある役者達が繰り広げる奇矯な人物群が、どれもこれも緩くてパターン化している。尚かつ演出もパワーダウンし、前2作にあった目を見はる鮮烈なイメージも枯渇。(cinema…

★★★ 1995年4月2日(日) シネマヴェリテ 古都京都の閉塞感を背景に隠微な世界を展開するコンセプトは宮川の完璧な撮影を得て成功しているが、どうしたってモロな描写が無しでは成立しようがない世界。結果、曰くあり気な訳解んない空疎が延々と続く。仲代と叶…

回路

★★★ 2001年2月10日(土) 三番街シネマ2 ミニマムな世界で解ったような解らんような終末感を描いてこそ或る意味深遠さを醸し出していたのに、こうも子供じみたビジュアルで具現化された終末世界がヤケにちぐはぐ。大体、武田真治が語る幽霊が出てくるワケの幼…

ガス燈

★★★★ 2001年2月23日(金) 動物園前シネフェスタ2 トリッキーな展開ではなく真正面からいたぶりつくそうという悪とそれに反転攻勢に転じる性根の相克を描いているのだが、徒にニューロティックな表現に走らず演技ボルテージに注魂するキューカー演出がバーグ…

影の映画 二頭女

★★★ 2001年1月9日(火) キリンプラザ大阪 寺山の短篇中でも鈴木達夫撮影とJ・A・シーザー音楽が高度に補完し合った世界観が達成されたものだとは思うが、あまりに『田園に死す』的ラストを含め結局のところ自己模倣に捕らわれたものでしかない。コンセプト…

凱旋門

★★★★ 2001年2月26日(月) 動物園前シネフェスタ2 コントラスト効いたモノクロ撮影とパリの陰鬱な大戦前夜のムードが秀逸。そういう中で行き場のない2人が惹かれ合う片隅感が切なくて、大して抑揚のない物語を牽引する。それでも何だかんだでロマネスク的に…

十五才 学校Ⅳ

★★★ 2001年4月6日(金) パルシネマしんこうえん 長距離の運ちゃんにせよ頑固な爺さんにせよ、そういう未知世界の住人との邂逅を自己回復のよすがとするなら最低の因果律を提示せぬでは片手落ち。散文的でドラマトゥルギー皆無。散文だと言うなら役者陣がベタ…

彼女のいない部屋

★★★★ 2022年9月22日(木) シネリーブル梅田4 冒頭からミスリードの仕掛けが施されるのだが、この耐えがたいまでの喪失を描く映画で、それが必要であったのかの疑問を中盤あたりで感じたりもした。 しかし、展開は現在と過去、主観と客観、現実と妄想がタペ…

学校の怪談

★★★★ 1995年7月12日(水) 梅田劇場 プレーンな演出姿勢と応える子役達の演技には上質の児童映画の趣がある。今更感ありそうな古式床しいお化けにも衒いが無く正対している。クマひげのクリーチャーだけ香港映画みたくて今いちだが他のイメージは良い。ラスト…

カストラート

★★★★ 1995年11月3日(金) 徳山市市民館小ホール 持てる者と持たざる者の話は『アマデウス』の類型のようで目新しいものではなく、一方で題材上避けては通れない筈の性的抑圧を兄弟の愛憎で誤魔化したようで逃げを感じるが、ともかく舞台シーンの異様なまでの…

怪談おとし穴

★★★★ 2001年8月12日(日) テアトル梅田1 完全に『東海道四谷怪談』の現代版焼き直しで、さすれば伊右衛門に相当する成田三樹夫のニヒリズムが真っ向的中。加えて、お岩(渚まゆみ)の微妙なる下品さが又堪らぬ味わい。夜間のオフィスビルの冷えたムード醸成…

家族

★★★ 1994年2月2日(水) テアトル梅田1 列島を縦断するだけで犠牲にせざるを得ないものがあったが、一方計り知れない希望もあった。清潔や安全と引き替えにユートピア幻想が崩壊した今、時代の記録として感慨を覚えるが、ただ机上の設計を旨とする山田にロー…

外套と短剣

★★ 1994年6月18日(土) 第七藝術劇場 ラングらしい表現主義的な尖った描写は全く無く凡庸。それだけならまだしもそういう怠惰な連鎖の中より滲み出るかのようなアナクロな偏執臭が居たたまれないのだ。メッキが剥げて腐食した内実が露呈しそうだが辛うじてハ…

飾窓の女

★★★★ 1994年6月20日(月) 第七藝術劇場 ラング的な表現主義なショットは余り観られないが、とにかく脚本が全く緩まず緻密そのもので緊張の間断を許さない。加えてベネットの前面からはともかく後姿の生唾を飲む思いがする色香が見物でファムファタールっての…

風の丘を越えて 西便制

★★★ 1994年7月3日(日) 第七藝術劇場 少女が清冽な空気の中で朗々と歌い上げる場面の数々が修行の厳しさと同時に体得していくことの喜びを漲らせている。展開は芸道物として殊更目新しいものとも思わないが、佳境の再会シーンとそのあとのザ・無常とも言うべ…