男の痰壺

映画の感想中心です

映画感想【う】

嘘八百 なにわ夢の陣

★★★★ 2023年1月10日(月) TOHOシネマズ梅田9 前作の「京町ロワイヤル」が低調だったのでどうかと思ったが、ずいぶんと盛り返したなと思う。いい意味で冒険せず中位安定を目指して成功した感じだ。 一応、秀吉の7遺品とされるうちの未発見の7品目をめ…

大人の見る絵本 生れてはみたけれど

★★★★★ 1998年10月24日(土) 動物園前シネフェスタ2 焼跡の残滓も生々しく先行真っ暗な戦後不況真っ直中の日本でも、子供は純粋且つ強靱であり女房は優しく包容力があった。信じ難い理想郷を見たという驚きに充ちた驚愕の90分間。緩やかに移動するロングシ…

ヴァイラス

★★ 1999年8月29日(日) ホクテンザ1 人類バイ菌説が斬新な趣向に連結しない。基本設定が『リバイアサン』と同じで、それ自体が過去作から頂きまくって継ぎ接ぎしたような代物だった。そう次々と新趣向が涌いてくるものでもないにせよ2重のパクリ連鎖は臆面…

運動靴と赤い金魚

★★★ 2000年2月11日(金) カナートホール スポ根めいたマラソン大会をクライマックスに持ってき、しかも、あらずもがなのスローモーションで盛り上げるというのが、どうにも画龍点睛を欠く感じで、それまでの3分の2にわたる抑制された慎ましさが霞んでしまっ…

ウィング・コマンダー

★★★ 2000年8月19日(土) 天六ユウラク座 大体、幾つもの映画からインスパイアされたに決まってるゲームが鮭の回遊よろしく巡りめぐって映画化されたのだからオリジナルマターを付与することが本末転倒となるジレンマ。決してVFXは悪くはないが過去のこの手…

ウェールズの山

★★ 1996年11月24日(日) 徳山市市民館小ホール 人と人とが信頼し合うのは美しいことだが、そんな当たり前のことを直球で言われても今更どうしようもない。それが失われたものという立脚点に立たねば通用しないのではないか。確信的なら工夫が足りないし素なら…

美しさと哀しみと

★★★ 2001年4月11日(水) 高槻松竹 閉塞世界の京都を舞台にした、しんねりむっつりの耽美的世界。余りにしんねりむっつりし過ぎるあまり加賀まりこのヴァンプまでが埋没し、パッションの無い形骸世界のお人形さん達に見える。八千草の過去挿話も全体のバランス…

ウォーターボーイズ

★★★ 2001年11月15日(木) 動物園前シネフェスタ4 プチ周防化するのはいいが、お上品にまとまり過ぎ予定調和に安住してる。フィンガー5やPUFFYの楽曲に助けられてクライマックスは辛うじてカタルシスのようなものをもたらすが、マイナージャンルにいる…

裏切り者

★★★★ 2001年12月6日(木) 動物園前シネフェスタ1 のっぴきならない所に雁字搦めに追い込まれる展開が最高ランクの任侠映画に匹敵する。利権まみれのブルーワーカー業界の腐敗を描いて『波止場』から連なる系譜を感じ、ロートルスターの起用も小粋。ただ、室…

ウェディング・バンケット

★★★★ 1994年6月26日(日) パルシネマしんこうえん ゲイカップルに女1人という組み合わせに所詮は完成されぬ居たたまれなさがある以上虚無感は拭えないのだが、両親の大陸的な良い意味での処世観が骨太でありドラマを高めている。コンテンポラリーであること…

VERSUS ヴァーサス

★★★★ 2001年4月5 日(金) トビタ東映 主役が新庄に似てると思う間もなく現れた悪役元木に驚愕した。恥も外聞も無く何でもアリの世界で見栄と虚飾で塗り固めた力業の快感。このゴリ押しパワーで世界に翔ばたけ!(cinemascape) kenironkun.hatenablog.com

美しき諍い女

★★★ 1993年2月6日(土) 難波ジョイシネマ 一陣の風と共に登壇するベアールの映画的ケレンは事が始まると消失するのだが、只管続く素描接写と筆音がポージングをめぐる2人の軋轢と相関し何時しか快楽リズムが到来。そして、とどのつまりでドハッタリの煙に巻…

浮き雲

★★★★ 2002年10月22日(火) 扇町ミュージアムスクエア こういう毒を廃したオーソドックスな物語を志向せざるを得ないところにカウリスマキの転回というより限界を感じた。50年代アメリカ映画を明らかに意識した序盤は巧すぎてかえって作為的だ。それでも煙草…

美しき獲物

★★★ 1993年4月25日(日) トビタシネマ 冒頭からチェスの選手権試合という特異な設定を相当に入念に描いていく割には展開には殆ど活かされないというのが若干に歪でありどっちかと言うと好きである。90年代にミッキー・ロークと並び立った思い込み男優ランバ…

ウエスト・サイド・ストーリー

★★★★ 2022年2月13日(日) 梅田ブルク7シアター3 オリジナルの冒頭、静謐の大俯瞰から急降下したカメラが捉える指パッチンという余りにインパクトのある導入は、さすがにそれをやっちゃあおしまいよでスピルバーグも準えるのが憚られたんだろう。総じて、…

ヴァイブレータ

★★★★ 2004年11月16日(火) 東梅田日活 あくまで自己完結した女の理想郷願望話には「はあ、さいでっか、よろしおましたな、ほなさいなら」としか思えないが、トラックが行く冬枯れの辺境のロケ効果が抜群で、それを一切装飾せずにスクリーンに移植し得ている。…

麗しのサブリナ

★★★★ 1992年7月16日(木) 梅田コマシルバー 超弩級の新星に強面のベテランボガートを配したのが常套手段にしても填ってる。一方でシニカルなホールデンも良い味で配役の妙を堪能すべき映画だろう。オードリーは同じワイルダーなら『昼下りの情事』の方を買う…

宇宙戦争

★★★ 2005年7月9日(土) 梅田ブルク7シアター6 日常に突如襲い来る非日常の切り込まれる手際の鮮やかさと倍加するカタストロフの怒涛の展開には確かにテロが対岸の火事で済まなくなった時代を表象して傑作。しかし、だからこそ、後半では原作の枷を外し同時…

ヴェラ・ドレイク

★★★★ 2005年8月13日(土) テアトル梅田1 泣くのは何時も女…的メッセージ臭とマイク・リー的「片隅」臭がこれ以上濃厚になるならキツいなと思う前半に対して後半は男達4人の赦しと慈愛の物語へと転調する。巧みな作劇。時代色創出の為の仰角使用のフレーミン…

運命じゃない人

★★★★ 2005年9月15日(木) 梅田ガーデンシネマ2 時制をズラし反復させるエクリチュールは超絶にロジカルで巧緻と思うがとりわけ斬新とも思わない。小技の効いた演出(足には参った)もあるが、根底に流れる野郎同士の「友情」ってのが打算も虚飾もなくただ当…

ウルガ

★★★ 1992年11月29日(日) 大毎地下劇場 文明圏の視点での非文明圏賛歌的語りが既に胡散臭い…ことはミハルコフは承知の上だとしても、その異文化の邂逅はドラマトゥルギーを産み出すわけでもない。寧ろ、映画に描かれた以後の近代化の侵食がもたらしたものにこ…

ウェンディ&ルーシー

★★★★★ 2021年10月24日(日) シネヌーヴォX ケリー・ライカートって知りませんでしたが、処女作が1994年ですからキャリアは20年以上なんですね。遅ればせながら知り得で良かった思います。 車で放浪する女性ってことで、今年の前半の話題をさらった「…

運命の逆転

★★★ 1991年6月9日(日) トビタシネマ さしずめ、日本だと清張原作、野村芳太郎監督作みたいなもの。胡散臭さに於いて当代随一とも言うべきアイアンズとクローズの充実演技と米ブルジョワの生活の丹念な描写の珍しさが見所。しかし、モデル存命中で結論付け出…

宇宙大怪獣ドゴラ

★★★★ 1991年11月17日(日) 日劇シネマ モノクロームのレトロ東京上空にクラゲの如くに幽玄な姿で浮遊するドゴラの造形が怖いと同時に得も言われぬ味わいで棄てがたい。人工衛星に端を発したマクロな視点が急転直下にセコい宝石強盗へと転回していく味わいも又…

ウォンテッド

★★★★★ 2008年9月20日(土) 梅田ブルク7シアター1 『マトリックス』的選民思考に立脚したインスタントヒーローかと思えば肉を切り骨を断つその気概は安寧世界には依っていない。そこを買う。で、後は車と列車の使い手としての映画の王道を歩める選民として…

ヴァン・ヘルシング

★★ 2008年10月25日(土) トビタシネマ 「怪物くん」にでも出てきそうなベーシックモンスターたちのお子様ランチボックスで怖くない。しかも、このジャンルの多くの過去作の断片を寄木細工のように継ぎ接ぎした作りは厚顔無恥過ぎる。ヘタにCGばかりが気取…

宇宙の法則

★★★★ 1990年7月28日(土) シネマヴェリテ 宇宙の法則の前では些末な事象に過ぎないとしても日常の生活の中にも衝突や共振のドラマは生じる。古尾谷と長塚の絡みが魅せる役者力。その一方で凄まじく短いカットの連鎖に強烈な長回しを織り込み篠田の自然光撮影…

WALL・E ウォーリー

★★★★ 2009年1月9日(金) 梅田ブルク7シアター4 ミクロからマクロへ、接写から鳥瞰へと縦横に往還する前半の地球でのテクにはCGの完成形とも言える細密描写もあり陶然とした。しかし、中盤以降のディストピアの、毒は認めるが陳腐な出来に主演2人も在来…

ウンタマギルー

★★ 1990年8月4日(土) アクア文化ホール それをこそ高嶺が描こうとしたことを理解した上でもダルい。延々と下手な田舎芝居を見せられてるような感じを小林・戸川の客演が一層際だたせてしまう皮相さ。ましてやセイルズをやだ。寸分でも怒りをこそ見せて欲しか…

ウォッチメン

★★★★ 2009年4月16日(木) 梅田ブルク7シアター2 60~70年代のパラレル米国史観のミクロな細緻描写に折々圧倒され又郷愁も感じる一方、突如、児戯にも見えるパロディや下手なポップスの導入に戸惑うが、その壮大な混沌をゴリ押す力技はトータルでは買…