男の痰壺

映画の感想中心です

映画感想【う】

宇宙の法則

★★★★ 1990年7月28日(土) シネマヴェリテ 宇宙の法則の前では些末な事象に過ぎないとしても日常の生活の中にも衝突や共振のドラマは生じる。古尾谷と長塚の絡みが魅せる役者力。その一方で凄まじく短いカットの連鎖に強烈な長回しを織り込み篠田の自然光撮影…

WALL・E ウォーリー

★★★★ 2009年1月9日(金) 梅田ブルク7シアター4 ミクロからマクロへ、接写から鳥瞰へと縦横に往還する前半の地球でのテクにはCGの完成形とも言える細密描写もあり陶然とした。しかし、中盤以降のディストピアの、毒は認めるが陳腐な出来に主演2人も在来…

ウンタマギルー

★★ 1990年8月4日(土) アクア文化ホール それをこそ高嶺が描こうとしたことを理解した上でもダルい。延々と下手な田舎芝居を見せられてるような感じを小林・戸川の客演が一層際だたせてしまう皮相さ。ましてやセイルズをやだ。寸分でも怒りをこそ見せて欲しか…

ウォッチメン

★★★★ 2009年4月16日(木) 梅田ブルク7シアター2 60~70年代のパラレル米国史観のミクロな細緻描写に折々圧倒され又郷愁も感じる一方、突如、児戯にも見えるパロディや下手なポップスの導入に戸惑うが、その壮大な混沌をゴリ押す力技はトータルでは買…

浮雲

★★★★ 1990年11月4日(日) 日劇シネマ 敗戦の荒廃と虚無の中、仏印→東京→屋久島と流されて行く2人の離反と吸着を繰り返しダメになっていく腐れ縁の遣る瀬無さが堪らない。中盤の伊香保温泉の煌きが誘う新たな地獄。投げやりな高峰秀子の表情が目に焼き付いて…

ウルトラミラクルラブストーリー

★★★★★ 2009年6月13日(土) なんばパークスシネマ3 冥界とシンクロする町で優しき人々に見守られつつ主人公は彼岸と此岸を往還する。そして、死者と生者が招き寄せられ始まる物語は他者を礎に人が再生することの肯定に行き着く。何という前向きな人生観。寺…

海辺の彼女たち

★★★★ 2021年5月22日(土) シネヌーヴォX 外国人技能実習生の過酷な現実を描き、それを取り巻く日本という老齢社会が陥ってる労働需給のアンバランスを穿つ、 みたいな社会システムへの言及は中盤以降に後方に退き、別のテーマが浮上する。 そういう意味で本…

ヴィヨンの妻 桜桃とタンポポ

★★★★★ 2009年10月20日(火) TOHOシネマズ梅田9 冷めたグダグダの果ての手と手を繋いでの一過性の休戦。連綿と続く男と女の腐れ縁への諦念は生な野郎が語っても小賢しい。根岸には未だ及ばぬにせよ溝口・成瀬の先陣を追って欲しい。役者も良いがオーソ…

裏アカ

★★★★ 2021年4月9日(金) シネリーブル梅田4 裏アカウントって言うけど、およそSNSに投稿してる大方は本名名乗ってないんだからみんな裏アカやん。 とどうでもいい話です。 物語の骨子は目新しくもない。 【以下ネタバレです】 仕事に打ち込んできた女性…

ウディ・アレンの 夢と犯罪

★★★★ 2010年4月5日(月) 梅田ガーデンシネマ2 余りに何の変化もない直球のギリシャ悲劇もどきで、肝心の修羅場を避けるアレンの根性無しぶりを情けなくも思うが、それを今更言いたくもない老練の余裕綽々に悪ガキ2人の軽い芝居の脱深刻の妙。こうも打つ手…

美しき結婚

★★★★★ 2010年4月1日(木) 梅田ガーデンシネマ1 クソな人生観を持つ主人公に対しロメールはニュートラルで、その境地の衒いのない美しさこそ至上。主人公をド痛い境地に陥れ断罪するかと思えば、性懲りもなく開き直らせる人間愛。ル・マンの片田舎の濡れた…

海燕ジョーの奇跡

★★ 1985年2月16日(土) 観光会館地下劇場 モラトリアム身上の藤田が撮るには徒に劇的であったりするものだから、どっちつかずで主人公の逃亡劇から何を浮かび上がらせたかったのか皆目わからない。鈴木のカメラもマニラを同化も異化もし切れず結局は何の魅力…

ウーマン イン レッド

★★★ 1985年6月9日(日) 友楽スカラ座 気が弱いのか強引なのかよくわからん主人公も不倫を扱いながらサラリと流すブラックな背徳も題材としては面白いのだがどうにも微温的でパンチが無いのでナンセンスは自走し損ねる。全盛期のメル・ブルックスならと思わせ…

ウルヴァリン X-MEN ZERO

★★★ 2010年6月26日(土) 新世界国際劇場 ミュータントたる悲哀もクソもないので、嫌気して逃避して絶望させられる表層的ドラマが全く琴線に触れない。終盤、どっかのサーガみたいに初作に連関するが放置された枝葉が気になる。まあ、飛んだり跳ねたり賑々し…

うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー

★★★★ 1984年2月15日(水) 伊丹ローズ劇場 非日常である原漫画を日常に引き寄せた後強引に捻って非日常へ解き放ち驚異的力業で隙間から浸食させる異世界。凝った映像で特に前半の夜のシーンは秀逸ではある。主要キャラを置き去り脇キャラ「メガネ」らをフィー…

裏窓

★★★ 1984年2月12日(日) ニューOS劇場 1点からのアングルのみで娯楽作を成立させるというアイデアを十全に駆使できる完璧な美術セットを手に入れながら慎ましやかなレンズ使いの古典品位。だが、それでも尚滲む出歯亀覗きのアンチモラル愉悦というファクタ…

ウルフマン

★★★ 2011年3月12日(土) 新世界国際劇場 辛うじてホプキンスが変奏を担うが、所詮何の新味もない企画であり、又かのリック・ベイカーフィーチャーの変身も今更。ロンドンのCG多用もうんざりだが、美術は特筆だと思うし、それを明晰な光で捉えた撮影も良な…

ウイークエンド

★★★★★ 1983年7月3日(日) 吹田映劇 淡彩のアパートから始まる物語が緑の沿道と青い空、白い雲と原色の車の列に巻き込まれる。ポップアートの極みにファルスとスペクタクルが混在しゆく有り得なさが、そこに留まらずモラルを蹂躙し最果てまでいっちまう。分水…

宇宙でいちばんあかるい屋根

★★★★ 2020年9月7日(月) 梅田ブルク7シアター7 継母とオヤジの間に子どもができたってことで、実の子でない私は…っていう女子高生の悶々。悩んだり反抗したりの定番ドラマと近所のお兄さんへの憧憬。 まあ、見たい気力は起こりません。 そこに、ホームレ…

ウェイバック 脱出6500km

★★★★ 2012年10月13日(土) テアトル梅田2 新味無い題材だし、サクサク進む感も迎合的に思えたりもするが、それでも、雪原→砂漠→雪山と両極に振れ続く過酷な逃避行の幕間に挿まれた湖畔やオアシスの安らぎの妙。ウィアーにより切り取られた風景の連鎖はハッ…

裏切りのサーカス

★★★ 2012年12月11日(火) 新世界国際劇場 緩やかに移動し続けるカメラが全篇を一貫した情感で覆う。美術や衣裳も交えて殆ど完璧に制御されたスタイルの達成だが、完璧すぎて嫌らしい感じも。再三注入される過去パーティシーンが強要する懐旧感は青春グラフ…

ウエスト・サイド物語

★★★★★ 1975年11月30日(日) ニューOS劇場 1976年1月18日(日) ビック映劇 原作でテイボルトやマキューシオが担う役割を集団に置き換え前面に出し、不良グループ同士のみならず不良と警官、男と女など多様な対立の劇的緊張の連続をモダンバレエで描いてド…

ウィ・アンド・アイ

★★★★★ 2013年4月27日(土) シネリーブル梅田2 クソガキどもの遣り放題や青臭い吐露をさして見たくも聞きたくもないが、この順次退場し行く設定の発見のみでもゴンドリーは勝利を得ただろう。加えて時間軸の進行がもたらす光線の変化が行きつく文字通りのマ…

宇能鴻一郎の 濡れて開く

★★ 1981年5月4日(月) ダイニチ伊丹 明るいのが良いと言えばその通りなのだが、余りに他愛ない話。映画界に於ける秩序を破壊せんとした作家の養卵機としての日活ロマンポルノを実質支えたのは、こういう数多の作品であった。決して言及されることがない西村…

嘘八百 京町ロワイヤル

★★ 2020年2月6日(木) TOHOシネマズ梅田2 前作を俺はまあまあ好きではあったのだが、それはなにもコンゲームとして優れているからではなかったのである。 ええ歳こいたおっさん達が、こたつ入ってみかん食いながら、チンチン立ったみたい話をするって…

ウルヴァリン SAMURAI

★★★ 2013年9月15日(日) MOVIXあまがさき7 葬儀場から新幹線を経て長崎に至るシークェンス。四つ巴のチェイスが縦横の錯綜を絡めつつ移動する佳境なのだが、マンゴールド演出が、どうにも理詰めのキレを欠きいただけない。で、他は正直どうでもいい。…

ウエスタン

★★★★ 2019年9月29日(日) テアトル梅田2 *「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ザ・ウエスト」なるタイトルで再公開されているのだが、あえてここではオリジナルタイトルでの表記とします。 (同様にたとえば「キートンの探偵学入門」は「忍術キートン」…

ウディ・アレンの誰でも知りたがっているくせにちょっと聞きにくいSEXのすべてについて教えましょう

★★★1981年6月21日(日) 池田中央第二映劇 俎上に乗せられたのが数多あるオムニバス形式のイタリア製艶笑コメディだとは推察されるが、充分に咀嚼し薬味を加味して出てきたものとも思えない。要はパロディにもなってないし、ストレートに見るなら大して笑えな…

歌麿 夢と知りせば

★★★ 1981年9月13日(日) 新世界東宝敷島 曲者揃いの役者の面構えの選択に於ける一貫した趣味性も凝りまくりの照明と撮影も実相寺演出は完全な統一感を保っているのだが、エロスの追求という明確な主題を提示してしまっては底が浅い。爛熟文化の光と影を描くに…

ウォーム・ボディーズ

★★ 2013年12月21日(土) 新世界国際劇場 初期設定にこれ程違和感を覚えたことは無く、「ゾンビ映画」なるものに些かの愛着も持たぬ俺でさえも、これはジャンルの新たなステージの開拓などではなく終焉をもたらす冒涜に思える。腐りズルムケる表現を回避し、…