男の痰壺

映画の感想中心です

映画感想【す】

スリーパーズ

★★★ 1997年6月7日(土) テアトル徳山Ⅲ 少年時代とその後の青年期を描いた映画は多くあり、大抵は少年期が屹立してしまうのだが本作はそこが予定調和なのに対し、後半に一直線に進まぬ展開が歪な多層感を映画に加味する。ワンショットでデ・ニーロとホフマンが…

ジェネレーションズ STAR TREK

★★★ 1996年1月13日(土) テアトル徳山Ⅱ 興味のない伝統芸能の復活興行みたいなもんで、新旧の主役揃い踏みったって、内実を伴わない気障管理職の成れの果てと出所来歴の知れない胡散臭い禿親爺では一見者にはオーラゼロでキツい。話もええかげんとは思うがそ…

すずめの戸締まり

★★★★ 11月28日(月) TOHOシネマズ梅田1 隕石の落下→大洪水による国土水没→ときて今度は地震です。仏の顔も3度と例えが違うのを承知の上で4度目はないぞと思いました。でも面白かった。「天気の子」より上位に置きたい出来だと思う。 今回、ひっかか…

スリーピー・ホロウ

★★★★ 2000年4月12日(水) ユナイテッドシネマ岸和田2 趣味的嗜好に走りすぎて逸脱するバートン作中で最大の抑制を見せた作だと思うし、多分コッポラの陰での統制があったのではなかろうか。今更の題材なのだがゴシックとポップの理想的ブレンドで画を確立す…

ストレイト・ストーリー

★★★ 2000年5月13日(土) ホクテンザ2 変態毒性リンチが、これを撮ったということで、その意外性を過大評価はしたくない。ファーンズワースも良いが、特にスペイセクは慎ましやかな佇まいで素晴らしい。だからこそ、この世界には如何にもなリンチ的ギミックは…

スモーク

★★★ 1996年7月13日(土) 山口県教育会館ホール 結末を見れば主人公の喪失と再生の物語なのだろうが、それと並列的に配置された親子の物語が全くリンクしない。これでは、随筆映画の域を出ないだろう。ほんわかな微温的ムード映画として見れば、それで充分かも…

スーパーの女

★★★★ 1996年7月10日(水) テアトル徳山Ⅲ 引きの絵を放棄したかの如きテレビっぽさや揃いも揃ったB級キャスティングを含めて透徹されたコンセプトが貫かれている。『マルサ』以降テレビ語りに堕した伊丹演出の極北であり、その意味で完成形として認めざるを得…

スペーストラベラーズ

★★★★ 2000年6月24日(土) 天六ユウラク座 常套的ストックホルムを背景に遊びをシリアスに転化させることは生真面目にそれをやるとヘタすればどっちらけになってしまうが際どいところでかわしている。アニメや渡辺謙の効かせ具合が絶妙。ただ不要な背景描写が…

スワロウテイル

★★★★ 1996年12月1日(日) テアトル徳山Ⅰ 行き詰まりが顕現した時代の混沌と足掻きを捉える岩井の皮膚感覚は正しい。ごった煮アジアンテイストの器の中に、この架空の街をまがりなりにも創造した努力も買う。しかし後半は恐ろしく陳腐化して70年代東映アクシ…

スケッチ・オブ・Peking

★★★★ 1996年11月30日(土) 山口県教育会館ホール ゴミゴミした街の裏側と暑苦しい署内を行き来する日常にシネマ・ヴェリテ的手法が活かされた佳作。仕事に追われて過ぎ去る毎日の徒労は警官とて同じ。そして終盤のたたみかけるような展開はドラマトゥルギーの…

スリ

★★★★★ 2000年11月17日(金) シネマアルゴ梅田 撮影と美術と音楽が静謐に抑制されブレッソンを想起させさえする。黒木が仕掛けた老盟友原田・石橋とのトライアングルが熟成の味を醸し出し、脇を彩る新旧の役者がこれ又ピンポイントで良い味を見せまくる。底辺…

スペース カウボーイ

★★★ 2001年1月17日(水) ホクテンザ2 頑張る爺ちゃん的コンセプトは相当に黴臭いが、イーストウッドは当然に自虐とは無縁で頑固&助兵衛路線を貫徹する。ただ、今回は良いとこをトミー・リーに全て譲った感があり泣かせる。VFXがドラマと親和しないのは『…

スナッチ

★★★★ 2001年3月18日(日) 梅田スカラ座 前作未見で2番煎じを感じないのも確かだが、それでも、出てくる役者がどいつもこいつもオリジナリティを競い合うかのようなハイレベルなセッションを見せる点は突出。組織のボスフォードとロシア人シェルベッジャと殺…

スペシャリスト

★★★ 1995年7月2日(日) 高槻セントラル 骨子はスタローンとウッズの話になるべきなのに下手にストーンを持ってきて、その役柄に分量を割きすぎ拡散してしまった。脇に回る女がやけにポーズを決めてファムファタールな振る舞いをするから焦点がぼける。実直で…

スリー・リバーズ

★★★★ 1994年1月16日(日) 新世界国際劇場 『パルプ・フィクション』に拾われてインディーズ御用達にならなければブルース・ウィリスは消えていただろう。その直前の行き詰まった黄昏の哀感が自己回復の物語と同期する。しかも、一方でアクションの切れ、特に…

スパイ・ゲーム

★★★ 2001年12月28日(金) 北野劇場 いい話とは思うが構成が致命的。一刻一秒を争おうってのに過去の長ったらしい回想が興を削ぐ。しかも、現在進行形のCIA本部が臨場感に富んで大層魅力的なのに対して過去シーンはかなりのルーティーンだ。初めて老醜を曝…

助太刀屋助六

★★★★ 2002年2月18日(月) ナビオシネ5 感涙ものの縦構図の切り返しやストップモーションの絶妙なタイミングや緊張に割り込むユーモアの機微など紛れもなく喜八節の復活。対峙する仲代と小林が醸し出す嘗ての映画の味。しかし、真に驚愕したのは真田の確信的…

スコア

★★★★ 2002年2月21日(木) 天六ユウラク座 『ケープ・フィアー』や『ザ・ファン』あたりで新たな抽斗の枯渇を感じたのであろうデ・ニーロは、この路線で十二分に魅力的だ。3世代の自他共に認める演技虫が肩の力を脱いだ枯淡の味わいとも言うべきコラボレーシ…

スパイダーマン

★★★ 2002年5月11日(土) OS阪急会館2 遙か彼方より筋斗雲に乗った孫悟空よろしく飛来するゴブリンのスーパーナンセンスな素晴らしさには参ったが、そのゴブリンが私的な復讐に終始する物語世界の卑小さが致命的。スパイダーマンがビルの谷間を飛ぶ飛翔感に…

スピード

★★★ 1994年12月3日(土) 北野劇場 技術屋が作った余白の無さが横溢する。見せ場を繋げてダレ場がないのでキャラはシナリオの上辺をなぞるだけで埋没し余韻は遠ざかる。画づらのアイデアは幾つかあっても編集のエモーションに乏しいので決定力がない。いっそ更…

酔拳2

★★★★★ 1994年12月23日(金) OS劇場 仕掛けで見せるのでなく功夫技のみを純粋に追求したジャッキー源流の集大成。脚本・演出ともに奇を衒ったとこは一切無く年齢ギリで臨んで彼が残した恒久遺産だと思う。酔拳の「酔」に拘りそれが自壊技であったことも押さ…

スター・ウォーズ エピソード2 クローンの攻撃

★★★★ 2002年7月20日(土) 北野劇場 圧倒的な物量で繰り出される戦闘機械やクリーチャーの数々が素晴らしく特に終盤30分のバトルは圧倒的。しかし、所詮、解ってる結末に向かい整合性を付けるべく展開されるアナキンの変容が、どうにもヒネリなく深みが無い…

SPY_N

★★★ 2002年7月29日(月)~30日(火) ホクテンザ1 2枚目半が似合いそうな紀香にマタハリ的絶世の美女スパイを演らせたのが座りが悪く、本人もしんどそう。主人公と女スパイの軸に1元化してくれないからクライマックスへ収斂していくカタルシスが無い。とは言…

スパイキッズ

★★★ 2002年8月15日(木) トビタシネマ 主役の姉と弟に、胡散臭い愛らしさが無く変にヒネてもないのは良いが、対するのが、ガキ大人とガチャピンみたいな連中で、ロドリゲスが、そういうお子様ワールドに耽溺してるらしいのが、ついていけない。(cinemascape) …

スリープレス

★★★★ 2002年8月30日(金) ホクテンザ1 少なくとも前半1時間は全く緩まないし、後半も展開はダレてもマックス・フォン・シドーの起用で一昔前のホラーの持つ品性が滲み出ていた。夜間撮影で走る列車の内部をフルショットで映すロニー・テイラーの技量が際立…

ズーランダー

★★ 2002年9月14日(土) ホクテンザ2 内輪でやってる感が強固に過ぎて不愉快だ。大体肝心のキメ顔ってのが丸っきり面白くないし、パロディやるなら徹底的にやってほしいのに学芸会レベルの茶番でシラける。構成も敵役と仲良くなっちまうのが早過ぎて手緩い。…

スタン・ザ・フラッシャー

★★★★★ 2002年10月11日(金) 扇町ミュージアムスクエア 他律的に壊れていく男を描いた映画は山ほどあるが、自覚し受容し淡々と運命を受け入れるこの中年禿デブおっさんは何処か哀しく愛おしい。縦構図の充足感とドレスの少女を始め充血眼のゲンズブールに至る…

ストーリービル 秘められた街

★★ 1993年4月4日(日) 新世界国際劇場 古い因襲に囚われる地方都市を舞台に繰り広げられる出来損ないの横溝正史米国版。リンチのような偏執描写に突出するわけでもなく、ストーリーテリングに長けるわけでもない。そもそもに真っ当な骨子があるとも思えぬ展開…

スペースノア

★★ 1993年5月5日(水) 新世界国際劇場 ひたすらに地味であるのだが地味であることを逆手にとって何かを意図を付加させることもない。寧ろ生真面目にSFしようとしているところが如何にもエメリッヒらしく単細胞的でカーペンターやルーカスに及ぶべくもない。…

洲崎パラダイス 赤信号

★★★★★ 1993年6月20日(日) サンポードアップルシアター 虚無とか不毛とか殊更に言わずとも地に足をついたアンチドラマチックな日常のドラマを描きながら例えようの無い無常感が滲み出ている。ちんけな憐憫も同情も拒絶したそれは川島が狙ったものではなく本質…