男の痰壺

映画の感想中心です

コンテイジョン

★★★ 2011年11月12日(土) 大阪ステーションシティシネマ3 デイモンの遣り切れなさやウィンスレットの遣る瀬無さといった多くの感情の行き場に帳尻をつけぬことで怜悧に状況の混沌を描くソダーバーグの群像処理は買うが、収束への過程が端折り過ぎで尻すぼ…

この子を残して

★★ 1983年9月18日(日) 伊丹ローズ劇場 幼子を残し死にゆく親の手記ならば木下自家籠中の題材だろうし、そこに絞ればいいのに大時代なメッセージ性を加味してバラバラ。大体、永井博士は被爆で死んだのではないのだから根本的に構成に齟齬を来している。原爆…

ラビット・ホール

★★★★★ 2011年11月12日(土) シネリーブル梅田2 失われた絆のドラマとして痛々しさが横溢し、実家や集会といった作劇上の付加要因も完璧に機能する。だが、真に斬新なのは加害者少年の在り方で、その錯綜する想いの絡まり合いが解れて提される微かな光明は…

映画年間概観 2003

回顧2003-映画- 数えてみれば今年になって映画館で見た映画が103本。去年が180本超であったのだから激減した。一重に金が無くなり気力が減退したということなのだろう。思い出せば去年はオールナイトの3本立てによく行って、そこで本数を稼いで…

幻魔大戦

★★ 1983年10月23日(日) 新世界国際 初期限定で平井和正を信奉することに吝かではなく石森のアプローチも同線上に沿ったもの。つまり異形のものの越境を経た孤絶感。しかし、大友は浪花節を拒否して無機的な別次元を志向する。りんたろう如きに巨頭達の采配が…

ジョージ・ハリスン リヴィング・イン・ザ・マテリアル・ワールド

★★★ 2011年11月26日(土) 大阪ステーションシティシネマ8 お庭の花壇のお花の陰からヌボーっと現れるジョージにスコセッシの気持ちは集約されている。肩入れし切れない取り留めの無さ。期待した快楽の編集リズムは無く、ポールやクラプトンとの確執も突っ…

秋日和

★★★★ 1983年12月16日(金) ビック映劇 『晩春』から10年の歳月を経て一巡した原節子の役回りが物語構造と同期した侘びしさが胸を打つ。3人組サラリーマン親爺のコンビネーションと岡田茉莉子の艶も完璧な配合度合いだが、結局笠の枯淡世界へと回帰する小津…

映画年間概観 2002

ベスト・テン 年の瀬も押し迫り残りの日々も少なくなって参りましたので2002年公開映画ベストテン。〔邦画〕①OUT②たそがれ清兵衛③助太刀屋助六④仄暗い水の底から⑤とらばいゆ⑥実録・安藤昇侠道伝 烈火⑦青い春⑧突入せよ! 「あさま山荘」事件⑨金融破滅…

不良番長 やらずぶったくり

★★★ 2011年11月26日(土) 日劇会館 お嬢学園の良家の子女も口八丁手八丁で瞬く間にスッポンッポンのオッパイ丸出しにされてしまうあたり不良番長も憎めないのであるが、ド田舎舞台の間延びしたユルさが締りない。乱闘でのマグロ攻撃程度の寒さでは足りない…

時をかける少女

★★★ 1983年9月27日(火) 三宮東映プラザ 『ねらわれた学園』でのオプティカルの極北と反動とも言える『転校生』での情緒的な思春期描写への傾倒を経て両者をバランス良く融和させ得た。この世界の中で完成されてるんだとは思うが大して驚きもない時空ネタ。一…

おもひでのしずく

ネタ切れにて終了 以前、入院した折に、あんまりヒマで自分が以前書いた日記を読み返してみたら面白くて時を忘れてしまった。 って何自画自賛しとるねんって話なのだが、多分、他人が読んでもおもろないんやろなとか思ったりもする。10年前の自分がどうい…

おもひでのしずく (2012年6月16日 (土))

※おもひでのしずく:以前書いたYahoo日記の再掲載です。 三島由紀夫と便 ※注 又も便に関する話だから、食事中の方は読まないで下さい。 前にも書いたとおり便通がいい俺なのだが、ごくたまにそうでもないときもある。どうにも、出が悪く、顔を真っ赤にしてう…

アジアの純真

★★★★ 2011年12月10日(土) 第七藝術劇場 全肯定には躊躇するが、少なくともマスで醸成された言説を全否定し、且つ強固な自己反省を携えつつ世界に牙を向くという正しい在り様には賛同。大島・若松的な気骨はキューブリックなアイロニーに至る。全般粗いがロ…

デストラップ 死の罠

★★★ 1983年10月22日(土) 高島屋ホール 裏の裏の裏の繰り返しみたいな直線的ひっくり返しではなく待ち構えてる観客の裏はかけない。付加される映画的情緒も決定的に足りルメットの演出はどうにも緩く精彩を欠く。『十二人』の頃のエッジの効いたキレは望めな…

少女ムシェット

★★★★★ 2020年11月17日(火) テアトル梅田1 ブレッソンをそんなに見てるわけではないが、これは今まで見た中でベストであるし、今年見た旧作の中でも最上位に置くだろう。 貧乏で悲惨ということを映画はけっこう好んで取り上げる。そして、この主人公の少女…

おもひでのしずく (2012年5月26日 (土))

※おもひでのしずく:以前書いたYahoo日記の再掲載です。 金環蝕と便 ※注 便に関する話だから、食事中の方は読まないで下さい。 俺は便通が良い。朝起きて、食事をする前に出るし、場合によっては食後にも、もう1回出る。そのあと、仕事先に行っても出ること…

メカニック

★★★ 2011年12月23日(金) トビタシネマ 性急にマニュアル的過ぎ心に何も留まらず過ぎていく展開の味気無さ。相変わらずベン・フォスターは一見いかがわしいが実は腰が据わったキャラで十全だっただけにステイサムの孤高に成りきれない温さが惜しまれる。ウ…

日本春歌考

★★★ 1983年12月17日(日) 伊丹ローズ劇場 春歌は切欠に過ぎず展開されるのは世代間のイデオロギーの相克。討つ側の先鋭であった大島が伊丹に代弁させた討たれる側に立つというジレンマは未解決のままアナーキズムにすり替えられる。建国記念デモという時事的…

そんなアホな 幼年期の終わり2

何がって、飲み屋で食う飲むときのみ瞬間的にマスク外して、食って飲んだら即マスクつけなさいって話で、そんなん無理っしょ。 だって、そういうときって、飲む食う話す笑う泣く管巻く喚くが不可分に混然となってるもんだから。 いやいや、だからそれを分離…

おもひでのしずく (2012年4月16日 (月))

※おもひでのしずく:以前書いたYahoo日記の再掲載です。 マインドコントロール 何ヶ月か前のことだが、マインドコントロールという言葉が世間を賑わせた頃、俺は会社の女の子と、そのことをネタに話していた。 「そう言えば、こないだ、ネットの映画サイトで…

アジョシ

★★★ 2011年12月10日(土) 新世界国際劇場 主人公と少女の関係が表面上ベタついていないのが救いなのだが、結局、心根ではメロウな野郎であることが嘘臭い。ゲスな兄弟とその配下の超プロなタイ人傭兵という敵キャラ配置も最早見飽きた感がある。警察の介入…

荒野の決闘

★★★★★ 1983年12月7日(水) 阪急シネマ 散髪後にボーッと柱に足をかけて椅子をくゆらすフォンダの風情に感じる束の間の安息やクレメンタインとの慣れないダンス。肺病のドクや悪たれ親爺クラントンも各々味わいあるが、この映画に描かれた男たちの安らぎには涙…

さくら

★★★★ 2020年11月15日(日) MOVIXあまがさき3 昔、原作を読んだ覚えがあるがほとんど忘れてました。 父母と長男・次男・長女の5人家族の一家の変遷史であり、次男が大学生になった現在から過去に遡及していく。 家族がひとつであった幼少期があり、子…

おもひでのしずく (2012年1月14日 (土))

※おもひでのしずく:以前書いたYahoo日記の再掲載です。 机上の空論 昨年の暮れも押し迫った30日。俺は頼みごとがあって、先輩と会って飲んでいた。「いや、ちょっとね、最近ショックやってんやんか」「何が」「こないだ、カミさんと下の子と3人で『ミッ…

劇場版 目を閉じてギラギラ

★★★★ 2011年12月10日(土) 第七藝術劇場 非暴力主義でナマな哀川に魅力はないが、多くの脇キャラの逸脱の連鎖が吸引力を持続させる。政岡泰志の狂気や三浦誠己の案外な腰の座りや水先綾女の無意味なエロスや永澤俊矢のダサ格好悪さや杉山彦々のふてぶてしさ…

彼岸花

★★★ 1983年12月16日(金) ビック映劇 頑なに自我を通す親父佐分利信が、後期小津作品の中ではとりわけ融通の利かない男で、枯淡の域には未だ遠く、小津の「赤」を偏重するカラーへの異様な拘泥と合いまり息苦しい。山本富士子が瞬間風穴を開けるとしてもだ。(…

罪の声

★★★ 2020年11月7日(土) TOHOシネマズ梅田9 力作なんでしょうが、もひとつ熱くなれないのは何でやろとずっと考えてたんですが。 この映画と同様の「グリコ・森永事件」をモチーフにした作品で「レディ・ジョーカー」ってのがありました。当時、映画を…

おもひでのしずく (2011年12月23日 (金))

※おもひでのしずく:以前書いたYahoo日記の再掲載です。 承知しましたじゃねえよと森田芳光のこと この1週間というもの何十回聞いただろう。「承知しました」という台詞。家でも会社でも、どいつもこいつも…。 「おい…お前や、どないすんねん。今月坊主やな…

ベスト・キッド

★★★ 2011年12月23日(金) トビタシネマ 何よりジェイデン君の真直ぐな子にしか見えぬ立ち居振る舞いや眼差しに射られ、観ながら号泣する親爺ウィルが自ずと脳裏に浮かぶ程の素晴らしいタレント。勿論嘗てのサモ・ハン化したかのようなジャッキーも良い。た…

迷走地図

★★★ 1983年11月16日(水) 伊丹ローズ劇場 派閥抗争を形成する金や人脈やカリスマな扇動力や更には人知不可侵の力学やそれを司る闇は所詮伺い知れず平明なスキャンダルに収斂してしまう。過度な期待は端から持っちゃいないが、やっぱり物足りない。闊達な演出…