男の痰壺

映画の感想中心です

カフェ・ソサエティ

★★★ 2017年5月6日(土) 大阪ステーションシティシネマ
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ずーっと熱心なアレン信者であったわけではない。
多分、3本のスカヨハ時代から欠かさぬ感じになった。
現在、エマ・ストーンも2作登用してるが高打率だ。
 
これらの5本に共通するのは、一種の批評精神だと思う。
そこに、独特の諧謔嗜好が加わる。
そういったアレン掌中の語りが稀にみる高みに達したのが「ブルー・ジャスミン」であった。
 
で、今作だが…あきまへん。
自分語りのメロウな情に溺れて見てられません。
他者を語るにシニカルすぎる奴は自己愛に塗れてるんですなあ。
近作では「ミドナイト・イン・パリ」と同質。初期の「マンハッタン」も頭に浮かんだ。
 
ヴィットリオ・ストラーロと初タッグらしい。
デジタル撮影と思われる平板な画からは光の魔術師と呼ばれた片鱗は見えない。
 
一種の批評精神に独特の諧謔嗜好が加わるアレン掌中の語りは影を潜めメロウな情に流れる。他者を語るにシニカルな奴の自己愛は無様。初期『マンハッタン』と同質でも技法のエッジは消失。ストラーロとの初タッグもデジタルの平板さだけが浮き上がる。(cinemascape)