男の痰壺

映画の感想中心です

映画感想【ふは~ふん】

プロフェッショナル

★★★ 1973年9月2日(日) 伊丹グリーン劇場 敵味方同床の馴れ合い感が横溢する割にはその辺を過剰にフィーチャーせぬ醒めたブルックス演出が悪くはなく、2大曲者男汁役者が確執もなく共闘するのも又味わい深い。しかし、やっぱ強固な憎悪や義憤がないと盛り上…

フル・モンティ

★★★ 1998年6月6日(土) 第七藝術劇場 映画は夢を売るものだからこれでいいのかも知れぬが題材的に笑うより切実感が先に立っちまう。思わず股間を眺め溜息ひとつ…そして呟く「俺には無理」だと。切実な状況を刹那な笑いで糊塗し強度の高いドナ・サマーで補完す…

ブローニュの森の貴婦人たち

★★★ 2023年2月日(月) シネリーブル梅田4 ブレッソンの2作目だそう。非情で冷徹な視線はなくはないが一方でロマン主義的物語の骨法に添っているあたり模索期を思わせる。彼の資質が全面開花するのは5年後の第3作「田舎司祭の日記」からなんでしょね。 …

フレンチ・カンカン

★★★★ 1999年9月4日(土) シネマアルゴ梅田 女たらしの辣腕興行師に見えぬギャバンや集団舞踏のカンカンで芸道ものの悲喜交々を抽出し難い点でMGMミュージカルに届かない。だが、ザ・ベルエポックな衣装と色彩がルノワール父子相伝の至宝。そして、酸いも甘…

プライベート・ライアン

★★★★★ 1998年10月10日(土) 北野劇場 『列車の到着』から100年。俺もスクリーン内の上陸艇内で跳弾に身を退いた。未体験の臨場感。黒澤へのオマージュでは済まない剽窃の終盤を割り引いても戦闘シーンの劇場体験はは激賞するしかない。そして、中盤のダレ…

フリーマネー

★★★★ 1999年4月17日(土) 天六ユウラク座 どういう映画なのか最後まで全く馬脚を現さない、常軌を逸した者たちが考えた脚本。それに嬉々として参画するブランドやサザーランドが身をもって示す米映画の間口の広さ。演出面でも対象を捉える空間的な距離感の把…

ブレア・ウィッチ・プロジェクト

★★★★ 2000年1月17日(月) ユナイテッドシネマ岸和田1 主観カメラ2台に限定する手法的制約を如何に切り抜けるかという幾何学的な興味。往々にして妥協と凡庸の陥穽に陥るところだが全く針はブレなかった。こういうのは、ノータリンか強固な意志を持つ者にし…

プリズナー・オブ・ラブ

★★ 2000年1月15日(土) 天六ユウラク座 主人公が余りに受け身で場当たり的な為に物語が生半可にしか転がらずもどかしい。監禁・飼育といった扇情的題材ながらナオミ・キャンベルへの遠慮からか、そっち方面の期待も充たされず、となれば残るは映画スターとし…

ブロークン・アロー

★★★ 1996年3月9日(土) 徳山国際シネマ 鈍重な役者たちと辟易するCGの汚濁にまみれて香港の鬼才はハリウッドの大量生産公式に飲み込まれてしまった。最早どこにでも転がってる凡百のアクションのひとつにしか過ぎない。それだけに申し訳程度に見せるジョン…

フロム・ダスク・ティル・ドーン

★★★★ 1996年6月15日(土) テアトル徳山Ⅱ もろロドリゲスな後半はともかくタラテイストな前半には堪能した。熾烈なサド趣味がクルーニーの仁と危うく拮抗するあたり、彼はこの映画を完全に背負えている。ラスト泥まみれの風貌は『大列車作戦』のランカスターを…

フリーズ・ミー

★★ 2000年7月20日(木) シネマアルゴ梅田 3者3様の侵入者が繰り広げる嫌らしさの限りの演技合戦は見応えはあるのだが、肝心の井上晴美に救いようの無い陰惨さを突き抜けて発露される何かがないとなれば、陰にも陽にも振れることなくドツボの如くに映画はパ…

ブレックファースト・オブ・チャンピオンズ

★★★ 2001年1月10日(水) 天六ユウラク座 複層的に奇矯な人物が入り乱れるアメリカ地方都市のドタバタはアルトマンやアレンを思わせるセンスを多少垣間見せはするが、主人公の自殺願望を説得性をもって描ききれず共感度ゼロなうえにフィニーの役が完全カラ回り…

BROTHER

★★★★ 2001年2月10日(土) 梅田ピカデリー2 いつもと同じならまだしも逆境の異国で芽生えた異文化間の友情みたいな風化コンセプトが出て来たんじゃ後退だと思うが、しかし加藤雅也や石橋凌といった見映えするキャラクターをアメリカ風土に立たせて暴れ回らせ…

フランケンシュタイン

★★★ 1995年5月27日(土) 高槻松竹 望まれなかった出自への悲哀。正攻法で描いて堂々たるものではあるが、それでも今更感は尚ぬぐえない。『ドラキュラ』でコッポラのやった絢爛とハッタリの釣瓶打ちに比して余りに糞真面目なアプローチ。デ・ニーロも殻を破る…

プロジェクトS

★★★ 1995年6月5日(月) 扇町ミュージアムスクエア ミシェールのアクションのパワーは相変わらず凄いとは思うが、肉弾戦で充分に魅せ切れるのに仕掛けを多用するトンの演出志向が頂けない。更にポーカーフェイスのクールさが身上の彼女に恋だの愛だのは似合わ…

プロデューサーズ

★★★ 2001年5月10日(木) 扇町ミュージアムスクエア 「ナチス」や「ゲイ」といった越境キーワードが炸裂し多くの人物が錯綜する後半は弾け具合も相当だし、わけてもホモ演出家ヒューイットは白眉。だが、前半を負うワイルダーとモステルが、日陰花的マイナー臭…

ブレイブハート

★★★★ 1995年11月11日(土) 徳山国際劇場 お話にならない位に圧倒的な強者に立ち向かう一寸の虫にも五分の魂があるというベタな題材も確信的思いこみで語られると熱くなれる。演出力未知のギブソンがこの大作を撮りたい思いが物語にリンクするから尚更。しかも…

ブレット・トレイン

★★★★ 2022年9月3日(土) MOVIXあまがさき11 基本ギャグ系は大概スベってると思うのだが、それでもやり続けることでスベりも又味わいと思えてくる。 走り続ける列車が舞台だが、CG依存の画は本物の重量感とはやっぱ雲泥の差だし、各地を通過するだ…

ブロンディー 女銀行強盗

★★★ 1994年3月6日(日) 新世界国際劇場 アベレージヒッターマルケイの90年代前半の水準作の中でも緩い方の作品。ストーリーも肝心の金庫破り描写も特筆点無しの中キム・ベイシンガーの魅力だけが興味を牽引する。ただ、そういう映画も悪いもんじゃない。(ci…

ブルーム

★★★★ 1994年4月2日(土) みなみ会館 脱出願望とか束縛されない自由とかの黴臭い70年代的テーゼは実はどうでもいいし、実際のところ彼らに余り切実味も見受けられない。良いのはブリティッシュニューウェイブ版年増女との恋とでも言うべき侘びしくも切ない風…

PLANET OF THE APES 猿の惑星

★★★ 2002年2月1日(金)~2日(土) 天六ユウラク座 やけにオリジナルが名作に思えてくる奥行きのないお手軽世界。タメが無いからプロットは物語を進行させる為だけのものに堕す。特に人間に加担する猿たちの描写は全く納得性が無い。ティム・ロスの残忍やヘレナ…

フロム・ヘル

★★★ 2002年2月9日(土) 三番街シネマ3 そのセット美術や衣裳や深度あるCGは素晴らしいが19世紀末の暗黒都市ロンドンというコンセプトは最早、手垢がついている。ストーリーにも新味無く主人公の阿片幻視も設定しただけの趣向に終わった。過去の名作の挿…

プレイタイム

★★★★ 1994年8月3日(水) 京都朝日シネマ1 正直相も変わらずの弛緩ギャグは間延びしつつクドいという救いの無さなのだが、無機的な完全潔癖統一世界でのリフレ-ンが神経麻酔の如く機能し心地よい。終盤のレストランでの混乱も破壊のカタルシスに至らない。そ…

ブラックホーク・ダウン

★★★ 2002年4月4日(木) 北野劇場 他国の内戦に介入する是非はともかく失敗に終わった作戦へのポリティカルな視座も決定的に欠如し唯ひたすらに仲間の救出という同志愛だけを高らかに謳い上げても仕方ない。ソマリア内戦に於ける死者は数十万人に及ぶのだ。国…

プライベートレッスン 青い体験

★★★★ 2002年4月28日(日)~29日(月) ホクテンザ2 省略ではなく安易で強引な展開がポルノだから仕方ないかと諦める前半をクリアすると予想外に真摯な脱トラウマ劇としての煌めきのようなものが浮かんで来て最後は感銘を覚えた。しかもポルノとして最高にそそ…

瞳が忘れない ブリンク

★★★ 1994年9月4日(日) 新世界国際劇場 ワンアイデアの中級サスペンスも手堅い職人監督にスピノッティ級の撮影を掛け合わせると上出来のサスペンスになる。ストウは人形みたく趣味でないが幻視するキャラとして表情の硬さが寄与し哀切さを醸し出す。他の地味…

冬薔薇

★★★★★ 2022年6月9日(木) 大阪ステーションシティシネマ10 健太郎ありきの企画だったようだが、オリジナル脚本でこのキャラを彼に当てた阪本のド本気と受けた方の覚悟が窺える。紛う事なきクソ野郎を描いた映画です。 ただ、健太郎は自意識過剰のクソ男と…

プリティ・リーグ

★★★★ 1993年4月4日(日) 新世界国際劇場 時代の間隙を埋める徒花であったにも拘らず誠心誠意がむしゃらに走った彼女たちへの賛歌であり文句無しに気持ちいい。一方で1人の男の再生の物語にもなっているのも又抜かりなくハンクスの場末感が最高。男は女で生き…

プール

★★★ 2003年4月8日(火) 天六ユウラク座 丁寧であざとくない演出は好感を持ったが、どっかでみたような話の縮小学園版みたいなのが喰い足りない。しかし、新星エリカ嬢の顔も体もとことん意地悪そうなのに、どこか寂し気で孤独を漲らせたアンビバレントな風情…

フルムーン・イン・ニューヨーク

★★ 1993年8月8日(日) みなみ会館 女達が知り合うのが株と不動産で成功したキャリアウーマンを媒介としてるので、舞台設定といい語り合う悩みといい何かどうでもいい風に思える。それをトレンディドラマみたく薄っぺらいお洒落ムードで描くのだから益々救われ…