男の痰壺

映画の感想中心です

映画感想【ふは~ふん】

プロミスト・ランド 青春の絆

★★ 1989年7月16日(日) セントラル劇場 リセット出来ない失敗人生の無常観が泣かせる映画ではあるが、とりたてて起伏のあるストーリーでもなく淡々と進行し終わってしまう。これといって際だつ部分も無く華もない。「私」を垂れ流さないだけましとも言えるが…

ブラック・レイン

★★★★★ 1989年10月8日(日) 長崎宝塚劇場 汚泥まみれの2人とノーブルな2人。4人4様のキャラが、それなりに立っていてハードボイルドな対立と融和がロジカルに構築されていく。それが終盤昇華したとは言えないが、不思議の国ニッポン・OSAKAの予想外の…

フレディVSジェイソン

★★★ 2009年11月7日(土) トビタシネマ まあ、『エルム街』も『13日』も1本も見てないのだが、単細胞路線のジェイソンに比して、夢という逆しまな形而上的世界で現実を翻弄するフレディの方が、どう見ても役者が上ですなあ。それが悪いわけでもなく演出も…

ブロードウェイのダニー・ローズ

★★★★★ 1987年9月13日(日) SABホール 振り回されキャラの善性がレモンを当てたかの如きペーソスから匂い立つ点で正しくワイルダーへのリスペクトだしギャグやスラプスティックの匙加減も正鵠を射る。『カメレオンマン』で発芽した語り口としての実しやかな…

プラトーン

★★★ 1987年5月31日(日) 友楽スカラ座 何時どこから弾が飛んでくるか判らないジャングル戦の強烈な臨場感があるが、ボンボンが社会勉強でちょっとだけ覗いて見ましたベトナムって感じが、この映画を真の感銘から遠ざけている。しかし、それは又ストーンの誠実…

BLUE ブルー

★★★★★ 2021年4月11日(日) MOVIXあまがさき1 持てる者持たざる者の話は「アマデウス」とか色々あるんだろうけど、ギラついた嫉妬を内向させて終ぞ現せない男を描いて得も言われない深々とした味わいがある。本作のサリエリを演じた松山ケンイチは独壇…

フローズン・リバー

★★★★ 2010年3月9日(火) シネリーブル梅田1 主人公の入墨やピアスや下着の趣味や銃捌きの躊躇無さが語る語られざる来歴。映画だけが駆使し得る話法を知悉し使いこなす妙。そして、当たり前の母性が当然のようにある世界では社会も当然優しいという絶対的確…

ブルジョワジーの秘かな愉しみ

★★★ 1986年3月9日(日) SABホール 強固な意志で階級を撃つのではなく、後の『自由の幻想』に連なる諧謔趣味が顔を出すことによって冴えたシーンもあるにせよ総じて緩慢になった。大体、悪いことしてる奴らが撃たれるってんでは捻りもクソもなくブニュエル…

プレシャス

★★★★★ 2010年4月27日(火) TOHOシネマズ梅田5 負の十字架をこれでもかと背負わされても人は希望を見出そうとすべきで、さすれば必ず何かが変わるという確信。母親をも断罪し決して後戻りしないプレシャスは素晴らしい。役者は皆良くモニークもポーラも…

フロイド 隠された欲望

★★★ 2021年3月20日(土) プラネットプラスワン フロイトの学説ってよくはわかりませんが、リピドーとか勿体ぶって言ってるけど、要は人間すべて意識下のスケベ心に突き動かされている、ってことでいいんでしょうか。 であれば、当時のウィーンの保守的な学…

フリージア 極道の墓場

★★★★ 2010年5月8日(土) トビタ東映 似非『黄色いハンカチ』めいたロードムービーの最果てに、いきなり来る突き放しに躊躇する。その非情な帰結に意味は見出せないが、北野的或いは黒沢的語り口に絵画的構図を導入する柴主のセンスが微妙な味わいを付与した…

ブルーノ

★★★★★ 2010年6月26日(土) 新世界国際劇場 a チャップリンみたく古式床しく自ら道化となり反権威や反偽善を謳いつつもディヴァインみたく破壊的で自壊的なコーエンのカリスマ。外したネタもあるが、場末のゲイバーの宴会芸は終盤のアーカンソーの真アナーキ…

プレイス・イン・ザ・ハート

★★★★★ 1985年7月6日(土) 新世界国際 黒人が虐殺され銀行は搾取しハリケーンは全てを破壊し身内はドン詰まりの不倫に身を窶す。救われぬ時代に生きる術を閉ざされた彼女は寄る辺ない人を受け入れて必死に生きる。そういう母を見て育った子供たちに託す希望。…

プロジェクトA

★★★ 1985年10月20日(日) 新世界国際地下 ジャッキー自身の演出は集団戦の捌き方が雑然としクリアな迫力に欠ける。スタントありきのプロットの構築をベタギャグで彩るパターンの反復は悪くもないが、そこはかとなく匂う俺様王国の嫌味が影を射す。クライマッ…

ブロンド少女は過激に美しく

★★★★★ 2010年11月20日(土) 第七藝術劇場 根性悪に見えても清新な気概を持ち、無垢な魂の裏には悪魔が潜む。仄かにズレた間合いの居心地悪さと一筋縄ではいかない狂気の片鱗を散りばめたオリヴェイラ節の最高度の凝縮と結実。畳み掛けるラスト3カットの内…

ブレードランナー

★★★★★ 1984年9月24日(月) 大毎地下劇場 精緻な未来造形と主人公のハードボイルドな内省文体とレプリカントのアイデンティティへの哲学的憧憬。3者の完璧な統制の奇跡的な蓋然性。未だ神話領域にいたスコットの達成した偉業。『シャイニング』未使用フィルム…

プレデターズ

★★★ 2011年1月22日(土) トビタシネマ 全然意外性のないことを、エッヘン!と大見得を切って見せられた挙句に、とっくに正体だってわかってるのに大袈裟なフリして見せる。ある意味偉いのかもしれない。撮り方も決してお座成りでもない。でもヤクザと武士を…

ブルーバレンタイン

★★★★★ 2011年5月7日(土) 梅田ブルク7シアター4 剃刀で切られるような進行形現在に寄り添う長焦点カメラの優しさが寧ろ痛ましい。ラブホ浴室でのピン送りはアイデアではなく必然。敷衍される過去が内包する破綻の萌芽が哀しい。だが、それでも皆生きてい…

ブラック・スワン

★★★★ 2011年6月19日(日) MOVIXあまがさき2 高度に精緻な達成とは思うが意外性が無いし、純粋に性的な鬱屈のみで極めた『反撥』なんかと比べると夾雑物があるだけエッジが効かない。大体に安直な黒鳥たるべき資質だが、それをクリアできた劇的クライ…

フルーツ・バスケット

★ 1983年6月4日(土) 大阪府立文化情報センター 少なくとも俺は映画内世界に於いて誰がどういう嗜好を持とうとも寛容に受け止めようというくらいの心構えは持ってるつもりであるが、こうも相容れない趣味の世界を確信的に繰り広げられると我が身を呪いたくも…

不良番長 やらずぶったくり

★★★ 2011年11月26日(土) 日劇会館 お嬢学園の良家の子女も口八丁手八丁で瞬く間にスッポンッポンのオッパイ丸出しにされてしまうあたり不良番長も憎めないのであるが、ド田舎舞台の間延びしたユルさが締りない。乱闘でのマグロ攻撃程度の寒さでは足りない…

フライトナイト 恐怖の夜

★★★★ 2012年1月15日(日) MOVIXあまがさき8 大人悪ガキでマッチョな吸血鬼ファレルの押し出しパワーが序盤のルーティーンを打破し、中盤以降は砂漠の孤立ニュータウンと一本道で繋がる歓楽都市ベガスの距離感も展開に絶妙に寄与。テナントの胡散臭さ…

アパッチ砦 ブロンクス

★★ 1982年1月16日(土) 新世界国際 街「ブロンクス」が一方の主役と言うコンセプトなら、あくまで淡々とドキュメンタルにアプローチすべきでニューマンは不要だし、造形を凝らしてギミックの1つもというなら芸がない。何れにしても厳しさが無い。(cinemascap…

ブリング・ミー・ホーム 尋ね人

★★★★ 2020年9月27日(日) シネリーブル梅田2 子どもが失踪するというモチーフで思い出される映画にイ・チャンドンの「シークレット・サンシャイン」があるが、この映画で監督デビューしたキム・スンウは同作のスタッフだったらしい。拘りがあるモチーフな…

トワイライト・サーガ ブレイキング・ドーン Part2

★★★★ 2013年1月6日(日) MOVIXあまがさき2 転生したベラの歓喜の世界変容を精緻に描く発端からして確信的で、俗世の煩悩から解き放たれしバンパイア人生ハレルヤなのであり、これまでのあれこれは最早どうでもいい。いてもうたれバトルの華やぎのウッ…

ブレイクアウト

★★★ 2012年6月23日(土) 梅田ブルク7シアター2 見飽きた導入展開が、やがて攻守共々剥き身で待った無しの限界状況を露呈するあたり、好みの作劇ではあるのだが、正直もう1手欲しかった。シュマッカー演出もディゾルブ誤用の多用が鬱陶しいモッサリ感。キ…

トワイライト・サーガ ブレイキング・ドーン Part1

★★★★ 2012年2月25日(土) 大阪ステーションシティシネマ1 全体の半分をひたすら男と女が乳繰り合うだけに費やすという豪奢な作りに、古来より映画が委ねられた本来の時間律を想う。そして、半ばよりの怒涛のような釣瓶打ち展開のダイナミズムと最高潮での…

ブラック アンド ブルー

★★★★ 2020年7月26日(日) MOVIXあまがさき3 冒頭、ジョギング中の黒人女性が、パトカーに止められいきなり羽交い締めにされる。 今年の5月に起こったジョージ・フロイド事件を連想させるのだが、この映画は2018年の作で事件を直に反映したもので…

ブラック・サンデー

★★★ 2012年9月15日(土) TOHOシネマズ梅田10 フランケンハイマーのパレスチナへの被い切れない肩入れが際どい情感を産む。ケラーが負う被虐はダーンのそれと相乗され切ないまでの刹那を発散。だが、終盤のアクションシークェンスは正直力量が足りず茶…

ブラック・ブレッド

★★★★ 2012年12月11日(火) 新世界国際劇場 『パンズ・ラビリンス』と通底するスペイン内戦下の非情。大人への幻滅は怨嗟に立ち代り少女は言う。村に火をつけて遠くへ逃げようと。少年はそれを拒み、しかし、緩やかに両親を棄てるのだ。哀しみを超えた果ての…