男の痰壺

映画の感想中心です

映画感想【ふは~ふん】

冬の旅

★★★★ 1992年7月5日(日) みなみ会館 出生由来やよくあるトラウマ等の帰納法的帰結ではなく、唯ひたすらに事象を演繹的に描くことにより自ずと浮かび上がる少女の強烈な自我と心の底まで冷え込みそうな孤独。一種の絶対映画の域に達している媚びの無さだと思う…

ブルーベルベット

★★★★★ 1992年7月9日(木) テアトル梅田2 平穏な日常こそが異常さを内包するとでも言いたげな倒錯ムードが横溢しておりマクラクレンもロッセリーニもどこかズレ感を発散。そうなると彼岸の住人ホッパーと何も変わらない。その異様な混沌とでも言うべき世界観…

ブルーサンダー

★★ 1992年8月23日(日) パルシネマしんこうえん 地味渋オヤジばかり揃えたB級活劇で華が無いのは嫌いじゃないが熱くなれる要素も見当たらない。となればフェティッシュに高性能ヘリの描写に特化すれば立つ瀬もあろうがコマーシャルな嗅覚だけで伸し上がった…

ブロークバック・マウンテン

★★ 2006年4月21日(金) シネリーブル梅田2 隔絶された2人だけの理想郷が何十年も煌き続けるにしては、恋の形成過程が早急に過ぎるのを始めそこでの心理的駆け引きが薄い。代りに写真のように綺麗なだけの風景描写を積み重ね自己満足している。アン・リー…

ブラザーズ・グリム

★★★ 2006年3月24日(金) トビタシネマ 敢えて「グリム兄弟」と題したのにエッセンスとしてさえ介在ざれぬ「童話」。その時点で遣る気の無さが匂いたち退く。成功作『スリーピー・ホロウ』の記憶冷めやらぬ時期の同工異曲2番煎じゴシックホラー。唯一、高所…

プラグヘッド 悪魔の電脳人間

★★ 1992年9月27日(日) 新世界国際劇場 ロクな見せ場も無いに等しいが多少風変わりであることは確かである。ただプラグヘッドという悪役が、どっかで見たようなスキンヘッド親爺なので、どうにも目新しさが無い。C級でもサイバーもんと言えば見ずにおれない…

フライトプラン

★★★ 2006年6月10日(土) シネマしんげき1 安定感のあるオーソドックスな画面構成には好感を持ったが、心理サスペンスの趣で開始された物語は謎が解き明かされる後半になるにつれ脚本の在りえない穴が露見されドッチラケ感が漂う。『フォーガットン』との類…

プルーフ・オブ・マイ・ライフ

★★★ 2006年6月14日(水) 新世界国際劇場 天才のことは凡人には解らないという一貫したポリシーを貫けば主人公の煮え切らないような解らなさにも芯が通るのだろうが、それでは誰も見たいと思えないものになる。父への思いや姉との確執が妥協の産物。真摯な良…

PROMISE

★★★★ 2006年7月22日(土) シネマしんげき1 導入での幽玄の極致とも言うべき女神の御宣託に規定された物語は、牛の大群で心のスイッチを切り替えれば後は成り行きを堪能しつつ見届けるだけ。そして、3人の男女の生な心の揺らぎに思わぬところから心を射ら…

プルートで朝食を

★★★ 2006年8月19日(土) テアトル梅田2 どうにも華やいだ雰囲気を演出が醸し出そうとしてあざとい感じがする。オカマとして生きて行くからって無理にでも華やいでいないといかんわけじゃなかろうにと思う。しかも意識して軽薄であろうとしてる訳じゃなく天…

ブラック・ダリア

★★★ 2006年10月21日(土) ナビオTOHOプレックス3 あの近写から360度のパンニングを交えて大俯瞰に至る件りに尽きる。刑事たちの三画関係を交えた物語の流れの軸を強引に猟奇事件へと転換させていく手法。それのみがデ・パルマであって後は稚拙なヒ…

フラガール

★★★★ 2006年10月28日(土) シネリーブル梅田2 健康ランドでフラダンサーになったからって…と思うが、それさえ叶わぬ親友のことを思えば涙も出る。状況描写に説得力があり、そこしかないから的唯一の社交場の安食堂の鄙びた場末感が良い。ただ終盤が安易に…

フールズ・オブ・フォーチュン

★★ 1992年12月6日(日) 大毎地下劇場 E・M・フォスター原作の映画みたいな雰囲気で始まったのが、いつの間にやら通俗的な復讐譚になる。展開の綾に欠けるので置いてけぼりを喰ったかのような感情移入のし難さだ。それを今いち魅力に欠く役者たちが演じ何を…

プリズナーズ・オブ・ゴーストランド

★★ 2021年10月13日(水) TOHOシネマズ梅田10 園子温のキャリア終焉を窺わせるような微温さ。 むりくりの娘奪還を命じられたニコラス・ケイジは身体のあちこちに取り外し不可の小型爆弾を装着されて、タイムリミット過ぎれば爆発するし、奪還した娘に…

ブラッド・ダイヤモンド

★★★★ 2007年9月29日(土) トビタシネマ 相反する利害を持つ3人のベクトルが収斂されてゆく後半の展開がオーソドックスではあるが肉厚な状況描写に支えられてカタルシスを産む。ロマンティシズムの芳香さえ感じた。メッセージは陳腐で単純だが、それが幸い…

プレスリー VS ミイラ男

★★★ 2007年9月29日(土) トビタシネマ ブルース・キャンベルの枯淡とも言うべき老人演技が味わい深く、エルビスネタのシケた頃合いもナイスなだけに、ヘタレなホラーへの拘りは要らんとも言える。ただ、ヘタレなのも又可愛いとさえ思えてくるから困ったもん…

不倫への招待

★ 1991年8月25日(日) 日劇シネマ エマニエル夫人ならぬエマ夫人のパリでのアバンチュールもとい淫乱行なのだが、そこに何らかの哲学性があろうはずもなく、そのくせ阿呆で可愛げもないので只管にしんねりむっつりしていて見るのが苦役。こんなもんでも需要が…

プラネット・テラー in グラインドハウス

★★★★ 2008年1月5日(土) トビタシネマ 腐った牛乳がやがてヨーグルトになる様に不快な下司も半端を通り越して一周すると爽快になる。人体が砕けて飛び散る様を繰り返し見せられオモロイなあ。賢い人がアホなフリしてるとしても。『デス・プルーフ』とは本当…

ブラッド

★★ 2008年1月14日(月) トビタシネマ 完全に手垢のついた設定であり、今更センチに描いて何とかなるもんでもなかろうにと思う。まあ、特段好きでもないルーシー・リューだが、悦に入って演じているのだから付き合おうとも思ったが方向性が余りに半端。Sで…

フライボーイズ

★★★★ 2008年2月16日(土) トビタシネマ 緑の仏田園地帯の上空で繰り広げられる複葉機の空中戦の最中に敵パイロットと交わす視線の騎士道精神も少女との別離の哀惜もジェームズ・フランコのハニカミ笑顔とともに郷愁の彼方に消える。切ないまでにオーソドッ…

ブラック・ウィドウ

★★★ 2021年8月19日(木) シネリーブル梅田4 コロナで公開延期の件を割り引いても証文の出し遅れ感は免れない。10年早く撮られるべきだった。 考えてみれば、アベンジャーズとその派生作品を5割くらいは見てきてるのだが、真にかっこいいと思えたのはブラ…

ブレイキング・イン

★★★★ 1991年10月13日(日) 新世界国際劇場 人生の裏通りを行くにしては、緊張も鋭利さも無い男達を気負い無く淡々と描いて素晴らしい。達観と諦念の中、一抹の意地と気概を垣間見せるレイノルズが最高に粋。老境にさしかかった元マネーメイキングスターとイン…

プレステージ

★★★ 2008年4月5日(土) 新世界国際劇場 嫉妬や怨嗟や虚栄心や絶望や苦渋などのエモーションは時制の解体や変奇な装置や超現実への越境や多くのギミックに埋没している。寧ろ演出は不要だったかもだ。物語が確実に内包していた生々しいパッションこそが優先…

プロジェクト・イーグル

★★★ 1991年10月20日(日) 新世界国際地下劇場 和洋中揃い踏みな女3人引き連れて悦に入るジャッキーのお気楽アドベンチャー。見てる方は本人が喜んでるほど楽しくないのが難点だが、一応の見せ場は間断しつつも挟み込まれ、最後はジャッキーのキートンへの傾…

フランケンシュタイン対地底怪獣

★★★ 1991年11月17日(日) 日劇シネマ 典型的キワモノの持つ悲哀感が愚直なまでのストーリーとシンクロし骨太と言えるまでの骨格を確保している。怪獣同志のバトルもスピーディで相当に見せる。しかし、愚直すぎて少々退く。(cinemascape) kenironkun.hatenabl…

ブレイキング・ニュース

★★★ 2008年6月21日(土) トビタシネマ 紛れもなく図抜けた冒頭の数分で沸点に達した期待は、世間体を気にしまくるふやけた連中の生ぬるいドタバタに急速冷却されていく。ジョニー・トーは少人数の段取り芝居は制御出来ても集団に対しては全く力が及ばないこ…

プロミシング・ヤング・ウーマン

★★ 2021年7月21日(水) TOHOシネマズ梅田10 アメリカのリベラル層が選定するアカデミーや批評家協会の賞で高評価だそうです。 昨年の「スキャンダル」みたいなペラペラ映画がフェミニズムのバイアスがかかって高得票するのを見てるので、またぞろやら…

ブルースチール

★★★★ 1990年7月8日(日) 新世界国際劇場 煮え切らない展開なのだが、冷めざめとしたメタリックな感触が全篇を被っており、演出に対する強固なスタンスが感じられる。巻き込まれながら同一地平まで降りていかざるを得ない主人公の疎外感と孤独感。タイトでクー…

無頼漢

★★★ 2009年3月21日(土) トビタ東映 爛熟江戸文化の頽廃を表した撮影・美術・音楽のコラボの成果には或る程度魅せられるが、寺山の形骸的反体制イズムと仲代のルーティーン芝居には可成りうんざりする。水野VS河内山の傑物対決に庶民小沢の絡みが鈍く仲代…

ブレイド2

★★★ 2009年5月9日(土) トビタシネマ 少なくとも序盤まではヴァンパイア軍団の面構えに相当な期待もさせられたが、折角のスナイプスの闘技の鈍重な味わいを貶める漫画以下の糞CGの無粋さは許し難いし、粘液過剰満開のデル・トロクリーチャーは好きくない…