男の痰壺

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嘘八百 なにわ夢の陣

★★★★ 2023年1月10日(月) TOHOシネマズ梅田9

前作の「京町ロワイヤル」が低調だったのでどうかと思ったが、ずいぶんと盛り返したなと思う。いい意味で冒険せず中位安定を目指して成功した感じだ。

一応、秀吉の7遺品とされるうちの未発見の7品目をめぐる顛末がお題目だが、それを茶碗と踏んで捏造する贋作コンゲーム要素や、そもそもにそれはホントに茶碗だったのかの歴史ミステリー要素は、まあ大した驚きや感銘もない。

 

場末のシガない泡沫仕事で食い繋いでる古美術鑑定士と茶碗焼きが腐れ縁のように肩寄せあって、降って湧いた大仕事に一攫千金の夢を見てジタバタする、けどやっぱダメでしたーというお決まりパターンは一昔前のプログラムピクチャーを思わせ郷愁を覚える。

 

主演の2人は一応、ボケ蔵之介ツッコミ貴一なんだろうが、この中井貴一が、ミキプルーンのCMでも鮮やかなようにツッコまれ芸も上手い。なんだかもう熟達の域に達してると思わせる安定感がある。佐々木蔵之介のいい意味でのボサーっとしたエッジの無さと合わせていつまでもこの2人のゆるーい掛け合いを見ていたいと思わせてくれるのです。

 

贋作コンゲームや歴史ミステリー要素は大したもんもないのだが、ボケ蔵之介ツッコミ貴一の掛け合いが3作目に至り練達の域の低位安定感を醸して麻薬のように作用する。しょーもなー思ても何か見てまう吉本新喜劇みたいなもんか。泣きもベタでいい。(cinemascape)

 

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