男の痰壺

映画の感想中心です

2025-09-01から1ヶ月間の記事一覧

博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか

★★★★★ 1980年9月16日(火) 毎日文化ホール 基地で反共将軍が、作戦室で元ナチ博士が、コックピットでテキサス少佐が、狂った本性を発酵・醸成させる。作戦室のパンフォーカスと基地のロングの当意即妙。スコット・ヘイドンのタカ派演技とセラーズの天才。2つ…

KANO 1931海の向こうの甲子園

★★★ 2015年1月25日(日) MOVIXあまがさき10 力作なのだが余りに総花的展開で散漫の誹りは免れない。挫折した永瀬の自己回復の物語と混成ダメチームの成功譚はリンクしつつも根っこで化学反応は起こさない。更に何故か札商の青木が語り部で、大沢の出番に…

昭和100年記念 極私的ベスト映画 1997年(昭和72年・平成9年)

1.地球は女で回ってる kenironkun.hatenablog.com 2.ラヂオの時間 kenironkun.hatenablog.com 3.アイス・ストーム kenironkun.hatenablog.com 4.フィフス・エレメント kenironkun.hatenablog.com 5.ゲーム kenironkun.hatenablog.com 6.もののけ…

正しい日 間違えた日

★★★★★ 2018年7月7日(土) シネリーブル梅田3 キム・ミニはホン・サンスにとって明らかにさげまん。 「夜の浜辺でひとり」と「それから」を見てそう思った。 だが、初めてタッグ作のこれはすごく良い。 未ださげまん効果が顕現していないのだろう。 すごく…

フューリー

★★ 1980年10月3日(金) 毎日文化ホール 冒頭の誘拐劇からアーヴィング登場くらいまでがサスペンスフルで期待を抱かせるのだが、物語が2人のサイコキネストを往還し出すと全くの停滞感に見舞われる。そもそも元ネタ自体が超能力という題材に寄りかかりすぎな…

海辺へ行く道

★★★★ 2025年9月6日(土) テアトル梅田4 「ウルトラミラクルラブストーリー」では刮目させられた横浜聡子であったが、長い停滞と回り道を経てやっとこさ本線上に回帰してきたとの希望を感じさせる作品だと思う。 撮影に三宅唱の直近の2作を手がけた月永雄…

焼肉ドラゴン

★★★★ 2018年6月28日(木) TOHOシネマズ梅田9 あの親爺にあの女房で… 美人すぎるやろ!3姉妹 ってお互いの連れ子やったんやな…あり得るか…ってあり得んやろ、やっぱ。 冒頭の井上真央の啖呵の切れに驚いた。 いやあ、極妻リブートするなら、主演、絶対…

さらば、愛の言葉よ

★★★ 2015年2月7日(土) シネリーブル梅田1 「愛」と「言葉」について語り続けてきた男が決別を言う程の感慨もなく本気かも怪しい醒めた世界は、しかし溜らぬ冷えた情感が覆う。レマン湖を揺蕩うフェリーを筆頭に水が印象的だ。『メイドインUSA』的ギャ…

昭和100年記念 極私的ベスト映画 2003年(昭和78年・平成15年)

1.ドッグヴィル kenironkun.hatenablog.com 2.ロスト・イン・トランスレーション kenironkun.hatenablog.com 3.ジョゼと虎と魚たち kenironkun.hatenablog.com 4.リアリズムの宿 kenironkun.hatenablog.com 5.イン ザ カット kenironkun.hatenablo…

ニッポン無責任時代

★★★★ 2015年2月24日(火) 大阪ステーションシティシネマ11 想定外だったのは『お姐ちゃん』3人衆でありそのみのキンキン声と規子のツンデレがアドレナリンを分泌させる。男共はほぼ壊滅状態の体たらくで植木のカリスマは完全遣りたい放題状態。洗練され…

女と男の観覧車

★★★ 2018年7月7日(土) シネリーブル梅田3 どうも、前作の「カフェ・ソサイエティ」から撮影を担当しているヴィットリオ・ストラーロが今いちに思われる。 アレン作品の撮影監督はどっちかというと硬質な画作りをする人が多かった気がするのだ。 初期のゴ…

太平洋奇跡の作戦 キスカ

★★★ 2025年8月22日(金) シネヌーヴォ 子どもの頃にTV放映で見た記憶があり、降雪のなか氷山の間を船が行き救出作戦を行う映画だとボンヤリ思っていたが、氷山ではなく岩礁で降雪でなく霧だった。 南方・北洋で多くの島が侵攻され玉砕の死累が重なるなか…

まぼろしの市街戦

★★★★ 1980年10月11日(土) 毎日文化ホール 「何が正気で何が正気でないか」では如何にも生硬だが、 それを「こっち側に留まるかあっち側に行ってしまうか」にすり替えたのが堪らなく文学的なのだ。そして、留まっても越境しても孤独感は拭われない。そこが痛…

風の又三郎

★★ 1979年2月4日(日) SABホール 製作時に観たならどうだったか知れぬが、こうも特殊撮影のアラが目については乗れない。その部分に負ったリリシズムこそが肝の題材だけに致命的。これが更に10年前の作品であったなら、よりレトロな風情も加味され別種の…

昭和100年記念 極私的ベスト映画 1998年(昭和73年・平成10年)

1.恋の秋 kenironkun.hatenablog.com 2.フルスタリョフ、車を! kenironkun.hatenablog.com 3.プライベート・ライアン kenironkun.hatenablog.com 4.ビッグ・リボウスキ kenironkun.hatenablog.com 5.Hole kenironkun.hatenablog.com 6.カン…

6才のボクが、大人になるまで

★★★★ 2015年2月7日(土) 大阪ステーションシティシネマ8 6歳の頃に永遠に拡がってた未来は僅か10数年で視界90度位に狭まってしまうという現実と真実を年月を費やし詳らかにした労作だが、だからどやねんとも思える。アークェットの疲弊の年輪を重ねゆ…

ザ・フォッグ

★★ 1980年10月12日(日) 伊丹グリーン劇場 グロ度が低くムード歌謡のように情緒に訴求しようとしたが、余りにムードのみで他には何のなかった…というのは後のカーペンターを見れば意図したとも思えず単に金が無かっただけなのだろうと思われ侘びしい。(cinema…

近畿地方のある場所について

★★★★ 2025年8月30日(土) MOVIXあまがさき3 近畿にずーっと住んでる者からすれば、どうしたって近畿を世界の中心とした思考が出来上がってるわけでありまして、なんやねんオカルトの起源でもありげな人外魔鏡の辺境みたいな扱いしやがって、と思うん…

パンク侍、斬られて候

★★★★ 2018年7月2日(月) 梅田ブルク7シアター3 町田康の小説は読んでないか、多分読んでてても1作くらいだ。 (「きれぎれ」を読んだかもしれない) 今回、映画を見て(特に前半だが)、俺は、中島らもの世界に近似だなあと思った。 (中島らもはほとん…

闇・光・闇

★★★ 2015年3月28日(土) シネヌーヴォ 単にアイデアと展開の綾があるだけで何の寓意もないようだ。それだけに破綻がなく安定感は突出している。が、だから?と思えたりもする。舌や脳味噌のズルリとした質感は相変わらず攻撃的。オチはギャフンを通り越し物…

外崎春雄 Haruo Sotozaki

生年:/// kenironkun.hatenablog.com

昭和100年記念 極私的ベスト映画 2002年(昭和77年・平成14年)

1.アレックス kenironkun.hatenablog.com 2.オアシス kenironkun.hatenablog.com 3.OUT kenironkun.hatenablog.com 4.たそがれ清兵衛 kenironkun.hatenablog.com 5.めぐりあう時間たち kenironkun.hatenablog.com 6.8人の女たち kenironkun.…

万引き家族

★★★★ 2018年6月27日(水) TOHOシネマズ梅田2 継父によって日常的に虐待される少女。 パチンコ屋の駐車場で車の中に放置された少年。 まあ、どちらも極めて昨今では普遍化しつつある忌むべき行為だ。 が、であるからこそ、その設定?って感じで、言うた…

走れ走れ!救急車

★★★ 1980年10月24日(金) 毎日文化ホール いい題材にいいキャスティングだったが狂騒も狂気も笑いも全てが煮え切らない。コスビー・ウェルチは立ち位置もあってまあ適役だがカイテルのタチが映えないのが決定的なようだ。題材がマジ半ばの重さをもつだけに演…

昭和100年記念 極私的ベスト映画 1999年(昭和74年・平成11年)

1.アイズ ワイド シャット kenironkun.hatenablog.com 2.御法度 kenironkun.hatenablog.com 3.大阪物語 kenironkun.hatenablog.com 4.マグノリア kenironkun.hatenablog.com 5.あの子を探して kenironkun.hatenablog.com 6.トゥルー・クライム k…

フォックスキャッチャー

★★★★ 2015年2月24日(火) 大阪ステーションシティシネマ8 精緻な心理劇であり全篇にわたり不穏な緊張を持続させる演出は文句なく素晴らしいのだが、言うたらデュポン一本かぶりの展開で余りに単線構造で視野が狭い。孤独なマザコン大富豪の自己崩壊を描く…

それから

★★★ 2018年6月22日(土) シネリーブル梅田4 刹那な時間(1日)が何か決定的な刻印を記憶に残す。 こういうのは、ウォン・カーウァイ的なコンセプトなのであって、ホン・サンス的ではないように思える。 しかも、彼女にとって、それがそれほどに印象的な1日…

劇場版 「鬼滅の刃」 無限城編 第一章 猗窩座再来

★★★ 2025年8月26日(火) MOVIXあまがさき5 「夢幻列車編」が公開されたとき「鬼滅の刃」とは何ぞやの門外漢で全く関心ナッシングであったが、その後折りに触れてのTV放映を見る気もなく見てるうちに、仕事でテンパったとき「全集中!」とか、こいつ…

味園ユニバース

★★★★ 2015年2月15日(日) MOVIXあまがさき11 主人公の妥協の無い糞野郎ぶりが良く、すばるの遊びの無い生硬さがその余裕ない歌唱を含めマッチしてる。堪らぬ寂れ感を漂わすロケ選定も素晴らしい。ただ、終盤が完全に投げたように思え、シュール逃げも芸が…

マシンガン・パニック

★★ 1977年6月19日(日) 伊丹グリーン劇場 地道な聞き込み捜査を描いた映画で冒頭のシーンが派手な見せ場とは言え「マシンガン」は兎も角「パニック」はないだろう。売らんが為の無茶な邦題が罷り通る時代が懐かしい。内容は覚えていないが今見れば通好みの渋…