男の痰壺

映画の感想中心です

2024-08-01から1ヶ月間の記事一覧

家族はつらいよ

★★★★ 2016年3月20日(日) MOVIXあまがさき3 かねてより寅屋のコラボ再現を夢想してた山田が尺に合う面子に巡り合ったということで倍賞の後継として夏川も完全に趣味に合う。老妻の反乱は未遂に終わっても犬の欠伸で済む話。若作りな色気を排した世界では稔…

ダウンタウン物語

★★★ 1977年7月31日(日) 伊丹グリーン劇場 設定だけの形骸であり、愛や暴力のようなものが描かれているが空虚。ポマードで固めた髪に付髭の背広ガキと化粧して付睫のドレスガキの学芸会。こういうのを楽しむセンスが俺には無い。そんな中で唯一違和感が無かっ…

箱男

★★★ 2024年8月27日(火) 大阪ステーションシティシネマ7 安倍公房の作品は中高生の頃それなりに読んだけど本作は未読です。石井聰亙(岳龍)が90年代にこれを撮ると何かで読んだとき、イメージのギャップに戸惑い、でもそれだけに期待したが結局企画はポ…

マンチェスター・バイ・ザ・シー

★★★★ 2017年6月25日(日) MOVIXあまがさき3 彼が後生大事に持っている3枚の写真は1度も映ることがない。 過去挿話で兄の嫁さんは裸の下半身が映るだけ。 アカデミー脚本賞も納得の出来だ。 随所で語らずに語るの技法が効いていて心憎いばかり。 時…

鬼畜

★★★ 1978年10月29日(日) ダイニチ伊丹 冒頭のタイトルバックのセンスは音楽の良さも相まって野村らしからぬ世界観の提示を期待させるが、後は普通。題材をボカさず徹底して突き詰めた気概は買いはするが正直凡庸な表現力だと思う。子役の無表情は誤魔化しと…

THE FIRST SLAM DUNK

★★★★★ 2024年8月15日(木) 大阪ステーションシティシネマ4 自慢やないけど「スラムダンク」の「す」の字も知らない男でございます。漫画を読んだこともなけりゃアニメを見たこともない。であるから2年前の公開時にも端から見る気もなかったし感心ナッシン…

白鯨との闘い

★★★★ 2016年2月16日(火) 梅田ブルグ7シアター2 白鯨に情緒的な何かを仮託することはメルヴィルに委ね、あくまで事象としての事故要因にとどまる。高度に叙事的であり非情緒的で最良のアメリカ文学の芳香がある。そういう中で描かれた男同士の確執が最悪…

TAP THE LAST SHOW

★★★ 2017年6月19日(月) 梅田ブルク7シアター2 水谷豊のことを嫌いな奴なんていない。 俺たちの世代だったら、たぶん絶対そうだろうと思う。 その豊が監督。 俺は祈るような気持ちで見たね。 で…上出来っす。 っていうか、ほっとした反面、まあ仕方ないか…

キングダム 大将軍の帰還

★★★★ 2024年8月18日(日) MOVIXあまがさき4 シリーズ4作目にして打ち止め作とのことでしたんで、懸念されたのは、そういうときに往々にして陥る総花的ないったれ感で、物語は薄く顔見せ的にシリーズ登場人物たちがどうでもええよなエピソードで賑々…

タクシー・ドライバー

★★★★★ 1977年3月18日(金) 阪急文化 1978年6月21日(日) ビック映劇 1980年10月29日(水) 関西学院大学学生会館大ホール 1983年2月25日(金) 伊丹ローズ劇場 深夜の妄想を彩る増感光量の粗粒子で映されるポン引き・少女娼婦・タクシー仲間・買春宿の親爺ら住人た…

昼顔

★★★ 2017年6月13日(火) 大阪ステーションシティシネマ1 TVドラマは未見…っつうか見んでしょう、ふつう、おっさんは。 冒頭、離婚調停の和解文が出る。 なんか、安部公房「砂の女」みたいでそそる。 全てを棄て、失って見知らぬ土地に流れてきた主人公。…

ハリー・O・ホイト Harry O. Hoyt

生年:1885/08/06 没年:1961/07/29 kenironkun.hatenablog.com

ヘイトフル・エイト

★★★★★ 2016年3月2日(水) MOVIXあまがさき7 『キル・ビル』から殺戮のロマンティシズムを『レザボア』から土壇場のダンディズムを継承したイズムの結晶。ワンパターンなのに飽きないっす。人種と性別についての糞コードを蹂躙し遣り放題の挙句に人としての…

仁義なき戦い 広島死闘篇

★★★ 1978年11月23日(木) トーエイ伊丹 1991年7月21日(日) 新世界東映 騙し騙されの狂騒の中を全力で駆け抜ける疾走感がシリーズの肝だと感じているので、番外篇的に鉄砲玉の人生に焦点を絞った本作には余り魅力を感じない。しかし、火傷しそうな千葉のオーラ…

ブルーピリオド

★★★ 2024年8月14日(水) なんばパークスシネマ2 主人公見てて「悟空」や「ルフィ」や「炭治郎」なんかを連想する良くも悪くも「少年ジャンプ」的主人公で、「成長」とその為の「努力や理論」が明確に打ち出されて、ご丁寧に「俺はこうだから」という自己分…

ロスト・ワールド

★★★ 2024年8月12日(月) プラネットプラスワン 1925年制作のジャンルの始祖みたい。完全版は100分らしいが見たのは55分版。女性の弁士(?)つき。初めての経験です。 まあ、始祖であるからそりゃ後のものに比べると恐竜の出来は知れてる。何だか…

ジェーン・ドウの解剖

★★★★ 2017年6月10日(土) シネリーブル梅田3 この監督の「トロール・ハンター」は見ているが、バジェットが大きくなれば堅牢な語り口を呈するあたり、ギャレス・エドワーズの筆頭後方走者と言える。 アンドレ・ウーヴレダル…覚えとこ。 黒魔術とか魔女とか…

影の軍団 服部半蔵

★★★ 2016年3月12日(土) 新世界東映 凡庸な殺陣シーンの度に睡魔に襲われ劇部分で渡瀬の切れ良い口跡に覚醒するという体たらくだが、忍者のアメフト装束や城のジェンガ基底など幼児的なくだらなさが憎めない。感情の機微も糞もない愛子との濡れ場の果ての無…

美しい星

★★★ 2017年6月10日(土) TOHOシネマズなんば12 各人の覚醒(?)を並行的に描く前半は素晴らしい。 吉田大八演出は「桐島」でもそうだったが、複数挿話の捌きに秀でている。 どの挿話も手を抜いた感じは一切ない。 しかし、前半で振られたトンデモネタは…

バージンブルース

★★ 1977年6月5日(日) 東梅田シネマ 小悪魔にメロメロになる中年男という構図は古式ゆかしいのだが、男にも行き場がなく、どうしようもなくヘタレなのが気が滅入る。逃避行を続ける2人に刹那感は微塵もなく、挙げ句の果てに「バージンを守る義務がある」って…

新米記者トロッ子 私がやらねば誰がやる!

★★★ 2024年8月13日(火) テアトル梅田4 文芸部部長の西園寺が新入生の所に宣う。「今後、私のことお姉様とお呼び」おーぶっとんだ世界が繰り広げられるのか、と期待したがそこまでではなかった。 80年代に角川映画で量産された女の子が事件に巻き込まれ…

青春の殺人者

★★★★ 1977年3月18日(金) 阪急文化 1977年11月13日(日) 伊丹ローズ劇場 多分、大島組田村孟脚本はモラトリアムに生き何も成就できず且つ、親達の溺愛に窒息しかかる子供の衝動的解放を弁証的に問うた筈だが、今村直伝の長谷川演出は、ひたすらな細部の精緻さ…

ある決闘 セントヘレナの掟

★★★★ 2017年6月10日(土) 梅田ブルク7シアター3 「地獄の黙示録」に準える向きも多いみたいだが、確かに、このウディ・ハレルソンは一筋縄ではいかないキャラ付。 大上段に邪教の導師的に鷹揚とも言える裁量を見せるが、しかし基本、私欲が行動原理に思え…

レイチェル・ランバート Rachel Lambert

生年:/// kenironkun.hatenablog.com

しあわせへのまわり道

★★★★ 2016年2月27日(土) パルシネマ 熟年期も終わり近いツンデレ男女の徐々に融解しゆく心の肌理を描くが、2人とも何だかんだいって可愛いく笑える。キングスレーのピンクターバンが厳格の下のハートマークを表象。でも現実はそんなには上手くいかないの…

技術者たち

★★ 2016年3月12日(土) 新世界国際 ジャンルの形骸的継ぎ接ぎでしかないし哀しいくらいにライト。韓国映画の魅力であるしつこさが見られずスカスカに流れていくだけ。主演のウビンは悦に入って大見得を切ってるが守備範囲は狭そう。ターゲットの特異性だけ…

時々、私は考える

★★★ 2024年8月5日(月) テアトル梅田3 原題は「時々、私は死ぬことを考える」であり、人生に何の目標もなく、それでも生活の糧は稼がないといけなく、何の刺激もない会社で事務仕事をしている。コミュニケーションが苦手で同僚と四方山話をすることもない…

日本橋

★★★ 2016年2月28日(日) シネヌーヴォ ドン詰まりの片想いが狂気にまで至るドロドロ展開は市川の嗜好と真逆。それでも一応は物語を成立させようとはしてるが、さらっと系の淡島では情念の業が出し切れない。蛆虫食いの没落商人や托鉢僧となった教授といった…

夜に生きる

★★★ 2017年6月5日(月) 大阪ステーションシティシネマ7 ものすごく、とっ散らかった物語だ。 大体、この主人公、もひとつ背骨が通っていない。 俺は指図を受けたくねえと言いつつ、あっちの親分こっちの親分と蝙蝠よろしく行ったり来たり。 悪いことしまく…

パニック・イン・スタジアム

★★★ 1977年3月23日(水) 阪急会館 ことが始まるまでに延々と続くルーティーンな主要人物紹介が凡庸だが、狙撃犯を一種の厄災として描いたのが新鮮。70年代パニック映画の顔ヘストンに対して配されたカサベテスが絶妙のクールさでいい。断ち切って投げ出した…