映画1996
★★★ 2025年4月21日(月) テアトル梅田1 90年代「牯嶺街少年殺人事件」を傑作だと思った俺は続いて公開された「恋愛時代」を見て激しく肌の合わなさを感じてエドワード・ヤンをずっと敬遠していた。そして、今回本作の再公開を機にどうやろかと思ったけど…
★★★ 1998年6月6日(土) 第七藝術劇場 怒れる若者たちの末裔は社会構造圧力から解放された代わりに経済格差に圧殺される。かくして私達はドラッグに浸るのであーる。という言い訳地獄から這い上がったにしても世界が閉じていることは変わらない。幻覚描写をは…
★★★ 1998年8月15日(土) 第七藝術劇場 新人女優の一夏の経験ものという「角川的」典型ジャンル映画に対してのベルトルッチのそれなりに真面目な取り組みは好感を持つが、以上でもそれ以下でもない。硬質なコンジも悪くはないが、このイタリア田園風景はやはり…
★★ 1997年1月18日(土) テアトル徳山Ⅰ 私はセガールは好きです。大阪十三に住んでたと聞いただけで親近感がわきます。どこにでも転がってる単なる女好きのおっさんなのに、何故か本人は世界で一番グレートと思い込んでるような勘違い振りが堪りません。でも、…
★★★ 1997年2月15日(土) テアトル徳山Ⅰ 誰でも一度位はアイデアを思い付く。問題はそれを如何に深化させ派生の枝を広げ物語の揺るぎない骨子と成し得るかだが、本作は拡散して焦点ボケした。演出も丁寧だが律儀すぎてメリハリに欠け脚本の欠点を補えていない…
★★★ 1997年2月11日(火) テアトル徳山Ⅲ プロットの正誤や手法の選択は置いといてそれなりに気合いが入った前半の演出なのだが、シラけまくる後半の展開への全き無自覚ぶりが相殺。特に情に流される余りに80年代的チープジャパネスクなクライマックスは失笑…
★★★ 1997年3月2日(日) 徳山国際シネマ 『007』とか『インディ・ジョーンズ』みたいなのをやりたかったんだろう。おかげでジャッキーの緻密なカンフーアクションは仕掛けに物言わせた世界で埋没し、大味なスタントに終始する。そんなのは彼以外のもっと垢…
★★★★ 1997年3月9日(日) テアトル徳山Ⅱ 人は死を間近にすると天使になるのだとしても姉役にダイアン・キートンでなかったら嘘臭さを感じたと思う。製作のデ・ニーロに彼女を推したストリープの慧眼。救い無く娯楽味にも乏しい話だがトップクラスの役者のコラ…
★★ 1997年4月6日(日) 岩国国際劇場 擬人化された動物も漫画なら許容できても、実写となれば余りに胡散臭い。ブチ模様の犬を101匹も集めて人間の考えた話ににピースとして当てはめるのは奢りであろう。しかも救われんのが、そうまでされた犬達が余り可愛く…
★★★★ 1997年4月6日(日) 岩国国際劇場 大人の姿の子供にロビン・ウィリアムズと聞いただけで食傷感を覚えるが、彼の毛深さが思いの外に主人公の悲哀を際だたせる。対する母親にベタつかないダイアン・レインを持ってきたのも正解。導入シークェンスの乾いたセ…
★★★ 1997年4月27日(日) 山口県教育会館ホール 多義的状況を描くのでなく一応主人公と目されるメイシーが存在するというジレンマが解消されぬので茫漠。2人組の掛け違えた歯車が狂っていくのでなく根っこからゲスで狂ってるので単線的であるし女性署長の好人…
★★★★ 1997年5月5日(月) テアトル徳山Ⅰ NBAにも米アニメにも大して関心も無いし、しょうもないお子様ストーリーで完全なキワ物なのだが一生懸命に全く手を抜いてないので好感が持てる。しかし、教育TVあたりで毎日消耗されている子供向け番組にはこのク…
★★★ 1997年5月10日(土) 岩国ニューセントラルⅡ コミックの王道とでも言うべき設定は置いといて所詮お手盛り夫婦の出来レース的な雰囲気が致命的なのだ。ジーナの勘違い女王様的な立ち居振る舞いが興を削ぐ。それを又ハーリンが太鼓持ち宜しく不必要過分な火…
★★★ 1999年4月6日(火) 西灘劇場 あたかも教育テレビの連続ドラマの無味無臭さ。ノワレ校長の俗物性の匙加減までもが程良く当たり障りない。素直で丁寧な作りには好感を持てるし安心して見れるが多少は毒気も欲しかった。研究への情熱が連帯を産む世界での愛…
★★★★ 1997年5月24日(土) テアトル徳山Ⅰ オールドハリウッドから綿々と連なる過度な刺激には依存しないアメリカ映画の最良の部分。無垢な少年とは正反な胸毛と出っ腹とヤニと油まみれの加齢臭親爺をチャーミング体現したトラヴォルタに祝福あれ。世の審美基準…
★★★★ 1997年6月8日(日) テアトル徳山Ⅰ 崖っぷちエージェントにポンコツ選手を配し再生が2重構造になっているのが巧妙で両者が絶妙に補完し合う。クルーズのハイテンションパフォーマンスへの転換点。ゼルウィガーのキュートな哀感も相性抜群な正統派シチュ…
★★★★ 1997年5月25日(日) 岩国国際劇場 ビデオクリップめいた演出は多少鼻につくものの、今更の古典を再映画化するには、枠組みに対してこれ位壊滅的な破壊操作があった方がいい。一方で台詞の温存という自己制約を課したラーマンの矜持。躁状態下での青春劇…
★★★★ 1997年6月19日(土) 徳山市市民館小ホール インディーズ映画でありながら多国籍国家に於ける民族アイデンティティを尖らず予想外の豊饒さでフィルムに残せてる。信を貫くことは結果如何に係らず気高い。そしてイアン・ホルムやイザベラ・ロッセリーニが…
★★★ 1999年2月13日(土) 第七藝術劇場 3つの世代の女性たちが、ひなびた食堂で各々の事情を抱えて働くことになる。せっかくの設定が整ったのに物語は外に出てしまい限りなく拡散してしまう。主人公の自閉キャラも『ネル』や『冬の旅』等を見てしまった後では…
★★ 1998年10月10日(土) 天六ユウラク座 この素材をどう料理すればこれ程不味い代物が出来るのか…不思議でさえある。得体の知れない三十郎は得体の知れたジョン・スミスに凡化され、ペキンパー擬きのヒルのアクションは擬きの果ての劣化イミテーション。本卦…
★★★ 1997年1月3日(金) テアトル徳山Ⅰ オリジナルを見てないんだが、比較すると多分緩いんだろう。マイク・ニコルズの演出は卒なくこなしてるだけで何の気概も感じられない。ただジーン・ハックマンの何でも演る性根だけが辛うじて対価に見合うものと思われた…
★★★★ 1997年1月18日(土) テアトル徳山Ⅰ オールドハリウッド的理想主義と湾岸戦争勝利の反動がもたらした利他主義が同居し宗教臭が横溢してたとしてもケレンは無くストレート。そして、この映画でのトラボルタが醸すオーラは神話の域に到達したかにも思われた…
★★★★ 1997年1月24日(金) 徳山市市民館小ホール いい加減と紙一重の肩ひじ張らないフットワークと一作毎に簡易にテーマを変える変幻自在さ。洒脱を心得たルコントをアレンと比肩させるのは的を得てるだろう。老優たちが見せるアホ演技のコンビネーションの絶…
★★ 1997年1月19日(土) 岩国ニューセントラルⅡ CGを使わぬ本物の雁の飛行シーン等そりゃあ大変な苦労だったであろうことは解るが、それが手軽な数多の映画のシーンをトレースしただけに感じられて努力が報われてない。アンナ・パキンの据わりも今一な面白み…
★★★ 1997年2月9日(日) 岩国ニューセントラルⅢ 「アルゼンチンよ泣かないで」を始め名曲を高らかに歌い上げるというミュージカルの醍醐味を久々に味わったのは事実だが、大統領の妻としても女権運動の功績者としても、描かれるエビータは愛らしくもなく賢こそ…
★★★★ 1997年3月2日(日) 徳山国際シネマ4 とんでもなくくだらないワンアイデアのみでひたすら強引に引っ張りまくるのが一種清々しい。そう思って見てると終盤で意外にも境界線を越えてしまう悪乗りに現代に於けるシュールレアリズムのポップとの幸福なる融合…
★★★ 1997年3月30日(日) テアトル徳山Ⅱ レトロチープなコンセプトはソリッドと対比されてこそ際立つのに、おバカ騒ぎで粉飾して意匠は後退した。バートンはミニマム世界の住人なのだろう。キューブリック並みの巨視的・俯瞰的な破壊のカタルシスは手に負えず…
★★★★★ 1997年5月25日(日) テアトル徳山Ⅲ 洞窟の壁画が朽ちる命を見守り教会の壁画は傷ついた魂を愛でる。その文学的記号がもたらす対比が謎を絡めた多重構成に紛れ見る者を引きずり込む。大戦下の辺境でのハーレクイン不倫物語は圧倒的豊穣さで具現化され新…
★★★ 1997年5月24日(土) 徳山市市民館小ホール 強固な意志が有りそで無いよな成り行きに流されるヒロイン像であるし物語もドラマティックな展開がある訳でもない。自我の萌芽が糞詰まり的に感じるのは時代の抑圧が十全に描かれてないからかも知れない。曲者揃…
★★★ 1997年6月7日(土) テアトル徳山Ⅲ 少年時代とその後の青年期を描いた映画は多くあり、大抵は少年期が屹立してしまうのだが本作はそこが予定調和なのに対し、後半に一直線に進まぬ展開が歪な多層感を映画に加味する。ワンショットでデ・ニーロとホフマンが…