映画1970
★★★ 2017年2月18日(土) シネヌーヴォ タイトルバックがビートルズ(オブラディオブラダ)? っていうかイージーリスニング使用ってことなんやろう。 そういう、手近のもんで済ませた、まあ習作ですわ。 俺も子供のころに、犬に追っかけらえてトラウマにな…
★★★★ 1977年12月11日(日) 元映 1980年5月11日(日) SABホール 少年時代の回想は『アマルコルド』へ、監督自身が登場するフェイクドキュは『ローマ』へと伸延されて結実する。幼少時の記憶の中の残像は得てして主観に装飾された虚像なのだ。これは老いて消…
★★★★ 1976年5月30日(日) 阪急文化 1976年8月3日(火) SABホール 序盤の笑劇的導入が温いなりに効き悲劇への転調を際立たせる。絶望の中から見出した微かな希望を胸に1人行く異国。沈む気持ちに突き刺さる広大な向日葵畑と煽情的音楽は大向うを唸らせるこ…
★★★★ 1976年11月23日(日) 大毎地下劇場 行き場のない刹那感に思い出はあくまで美しく縁取られ、やがて確実に来る終着点に向かって愛は昇華されていく。そして、美しい2人を、これ又圧倒的に美しく哀しい秋の佇まいが包み込むのだ。世の規範に背を向けてひ…
★★★ 2016年10月22日(土) 新世界東映 自分より能力・人格的に見劣りすると衆目も一致する者が親分になるという跡目相続を描いて「総長賭博」のエピゴーネンだとの声も仕方なにのだが(というより笠原和夫のやっつけ仕事だろう)、これはこれで面白…
★★ 2023年8月16日(水) シネヌーヴォ 実はこの映画、20代で見に行ったとき滅多にないことなのだが開始数十分で映画館を出た記憶がある。体調不良で難解さについていく気力が続かなかった。今回、捲土重来の思いもあって見に行きました。 「エロス+虐殺」…
★★★ 1994年2月2日(水) テアトル梅田1 列島を縦断するだけで犠牲にせざるを得ないものがあったが、一方計り知れない希望もあった。清潔や安全と引き替えにユートピア幻想が崩壊した今、時代の記録として感慨を覚えるが、ただ机上の設計を旨とする山田にロー…
★★★★★ 2022年7月11日(月) テアトル梅田2 正直、アントワーヌ・ドワネルものが性に合わないって思ってます。なんか、いいかげんな野郎がフラフラするだけの映画やんかと。まあ、これも、幸せな夫婦に子どもができて夫が浮気して女房が三行半突きつけてみた…
★★★ 1993年2月7日(日) シネマアルゴ梅田 予めの画枠に当て付けされた底浅三角関係が陳腐で、キャストも弱い。補うべく配置されたクセある傍系人物たちも機能不全。アイルランド独立という歴史的乃至政治的背景は必然ではなく後付け的に浮いている。あたら気…
★★ 1993年4月10日(土) 日劇シネマ 変態たることを自覚すればこその哀感が、この映画の勝新は狂的な部分のみがクローズアップされ過ぎて、自覚しているのかどうかもおぼつかない始末。辛気臭い話を田村・川津の2大辛気臭俳優が倍加させ唯一太地喜和子がまと…
★★★★ 1992年8月29日(土) サンポードアップルシアター 渡世人稼業の哀感を描く前段と、後半の東京でのルーティーン失恋譚が各々しっくり調和して完成度と言うならシリーズ中1・2を争うのであろうが、大きな破綻もなく完成され過ぎてる一方突出したものもな…
★★★★ 1992年10月25日(日) 新世界東映 全部を見てるわけでもないがシリーズ最高作の謳い文句は多分本当なんだろう。しかし加藤泰みたく媚びたケレンは要らなかったのじゃないか。小津ほどスタイルを固辞しないでも全体の統制力を軽やかに堅持したマキノだから…
★★★ 1992年11月21日(土) 日劇会館 高度成長期真っ直中の市井の片隅で生きる一般庶民の平々凡々たる日常の緻密な積み重ねの連続には或る種の既視感を覚えて堪能したのたが、今更のトラウマ話に映画が踏み込み始めると、どうでもよくなった。現像処理でのハイ…
★★★★★ 2021年7月19日(月) テアトル梅田2 ほっといても女性の方から声かけて寄ってきて、自分の話に耳を傾けてくれる。何だか万能感半端ないおっさんのこの世の春。 それは、1人の新たな少女の登場で打ち砕かれるのでありました。 得意のオヤジの魅力光線…
★★★ 2009年3月28日(土) トビタ東映 所詮は芸者が侠客の斬った張ったの世界に介入できる術はなく、笠原のロジックも解決の道筋は見出せない。純子は傍観者で脇文太で締めざるを得ない煮え切らなさ。羽織会の締め舞くらいではアドレナリンは滾らないのだ。(c…
★★★★ 2009年10月24日(土) 日劇会館 内向的イジケ度ゼロの前向きエロス炸裂。超ミニで緩パン丸出しを物ともしない大信田礼子の規格外の健康美に釘付けで、1人任侠に浸る梅宮も悪乗り金子も蹴散らす女たちには文句無しの感動を受けた。勿論、主題歌も良いよ…
★★★★ 1986年3月9日(日) SABホール 2転3転する力関係の力学的帰結にブニュエルが興味ある訳なく因果応報の無限地獄の提示こそが旨なのだ。濡れた古都トレノの佇まいが叙情的で、ヒッチ垂涎のブロンド美女の「ああ…脚が…」といったサディスティックフェチ…
★★★★★ 2010年9月11日(土) シネヌーヴォ 「鳥になって大空を飛びたい」などと言うメルヘンチック願望は、完膚なきまでに嘲笑され貶められ、糞まみれの毒で彩られる一大バーレスク。しかし、出演者が皆アルトマンに心から愛されているらしい羨望の楽園の現出…
★★★ 1983年2月25日(金) 伊丹ローズ劇場 ラズロ・コヴァックスの画面には守旧派的伝統美とニューシネマのモラトリアムが絶妙のバランスで混在して良いのではあるが、殊更に脱出願望を顕わにする主人公のそのしがらみが断罪すべきまでとも思われず切実味がない…
★★★★ 1982年7月14日(水) 新世界東宝敷島 黒澤描く夢は陳腐で幼児的なので本作の例えば浮浪者のイメージ等は見ていて恥ずかしいが、圧倒的な巨大映画の構想に挫折した後、反動で自分の色に染まらない役者を動員した枯れ具合と地面にまで色を塗った色彩美術へ…
★★★ 2019年8月12日(月) プラネットスタジオプラス1 1970年のアメリカ映画だそうな。 前年の1969年には「イージー・ライダー」「真夜中のカーボーイ」「明日に向かって撃て!」「ワイルドバンチ」が公開され、映画ジャーナリズムはまさにアメリカ…
★★★ 1981年8月7日(金) 日劇会館 同じ五味川原作でも東宝色強い『人間の條件』が文芸調なら日活のこれは講談。ハッタリ親爺薩夫節も新劇系の伍代ファミリーにはフィットしてもルリ子や英樹や裕次郎の明朗さとは合わない。大陸浪人の三國は突出した怪演。 (cin…
★★★ 1981年7月7日(土) 毎日文化ホール パロディとしての彼是は俺には解らぬのもあり舞台がロンドンの前半はけっこうダレる。スコットランドに移ってからの描写の方が好き。後半、漫画に堕したと言おうが哀切極まりないラストだけでも見る価値あり。ニヒリ…
★★★★ 1980年5月15日(木) 関西学院大学学生会館大ホール 真面目では狂うしかない野戦病院の混沌を現世に食い止めるが如き屋外スピーカーからの随時の放送。アルトマンのマスな状況描写の巧さは惚れ惚れする。エリートである主人公達の諧謔的な反権力志向が垂…
★★ 2017年7月29日(日) シネヌーヴォ 69年の国際反戦デーの新宿街頭デモの様子が描かれるのを見て、これは、60年安保のど真ん中で作られた「日本の夜と霧」の10年後に、それと対置される映画になるんじゃないかと思ったのだが…。 ど真ん中の最果てで…
★★★ 2015年3月28日(土) トビタ東映 「ばけもの」「けだもの」と呼び合う両雄ががっぷり四つに対峙するわけでもない。痴話喧嘩程度の抗争が眠く展開も遅滞。喜八演出は出涸らしの形骸だ。文子・三船のレア絡みも生煮え。只ラスト10分だけは撮影と美術が演…
★★★★ 2018年2月25日(日) シネリーブル梅田2 同級生の女の子ではないし、もちろん年増おばさんでもない。 年上のお姉さん。 このピンポイントの異性に憧れる童貞の性欲。 ってのはわかるし、多分にそれは自己完結した観念世界で成立しているのだ。 である…
★★★ 1979年9月2日(日) SABホール 時制の錯綜にせよハイキーなモノクロ映像の徹底にせよ一貫した手法へのポリシーの下で成されたという拘りは感じるが、高名な大正のアナーキストを描いて男女の愛憎に終始するのでは方途として使われた者は浮かばれないの…