男の痰壺

映画の感想中心です

クレールの膝

★★★★★ 2021年7月19日(月) テアトル梅田2

f:id:kenironkun:20210719203510j:plain

ほっといても女性の方から声かけて寄ってきて、自分の話に耳を傾けてくれる。何だか万能感半端ないおっさんのこの世の春。

それは、1人の新たな少女の登場で打ち砕かれるのでありました。

得意のオヤジの魅力光線照射も、この金髪の少女クレールには効かない。彼女の健康的な肢体からは女フェロモンは未だ発出されていない。要するに子どもなんです。

オヤジから見たらムカつくガキンチョを彼氏にしてぞっこんらしいのも腹立たしい。

 

とまあ書いてて、つくづくウディ・アレンが撮りそうなお話と思うのだが、内容だけでなく展開のサクサク感も共通する。澱みがないから見てて心地良い。

 

こっち向いてくれない彼女に、とっておきの彼氏の浮気ネタチクり攻撃も、想定外のマジ反応されてどうしたらいいかわからない。挙句に降って沸いたかのような膝小僧フェチズムを炸裂させるがイタいだけである。

この湖畔の雨宿りの場は想いの一片たりとも交錯することのない痛々しさに於いて空前であろう。

 

少女の膝小僧へのフェチズムを、ロメールが本気で語ろうとしてるとは思えない。太ももでは生なエロと不可分だし、ふくらはぎでは形象への思いが先行する。どっちつかずの膝は一種のマクガフィンなんでしょう。

 

今回、ロメール特集で初期の何作かを見たのだが、その中でこれは後期の作風を決定づけたマイルストーンと思われます。

 

期せず到来した親子どんぶりこの世の春に膨張するオヤジのレゾンデートルは到来した本命美少女クレールの歯牙にも掛けない振る舞いに萎みそうになる。慌てて膝フェチの搦手に逃げて自我を保とうとするが雨宿りの場の醜慘な帰結。ホント男とはバカだとの哄笑。(cinemascape)

 

 

kenironkun.hatenablog.com