男の痰壺

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それから

★★★ 2018年6月22日(土) シネリーブル梅田4
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刹那な時間(1日)が何か決定的な刻印を記憶に残す。
こういうのは、ウォン・カーウァイ的なコンセプトなのであって、ホン・サンス的ではないように思える。
 
しかも、彼女にとって、それがそれほどに印象的な1日であるように見えない。
なぜかというと、彼女の主観によって映画はすすまないからだ。
男の浮気の思い出が過去時制で断片的に挟まれるが、それはその日の彼女の内実にリンクしない。
 
終始、受け身の構えなのである。
しかも、感情は吐露しない。
これでは、一見鮮やかなラストであるが、何ひとつ胸に迫ってこないのである。
 
反ドラマ主義者がドラマチックに日和った風に思えてしまう。
 
永遠の1日的刹那の掌篇はウォン・カーウァイ的なコンセプトであって、そこまで気障じゃないホン・サンスの柄じゃ無い気がするし辞めるな辞めろの顛末だけでは内実が伴わないのでエピローグの皮相が効かない。車窓外の雪は形骸のロマンティシズムだ。(cinemascape)