男の痰壺

映画の感想中心です

革命児サパタ

★★★ 2024年6月10日(月) プラネットプラスワン

マーロン・ブランドの陰な鬱屈とエリア・カザンのクソな真面目さが相乗して見てるのしんどい。今回「奇傑パンチョ」と日を開かず見たのもあって、陽のパンチョと陰のサパタというメキシコ革命の2大英雄の対称性をお勉強できたのは良かったっす。

 

30〜60年代くらいの映画を見てて、今ではお目にかかれない頑強な強度に驚くこともあるし、陳腐化した当時の先鋭の脆さにウンザリさせられることもある。カザンはどうやろか。ラストが「灰とダイヤモンド」に影響を与えたとの文を読んだが、ワイダの耐年性に比べるのも気の毒にさえ思えます。

 

スタインベックが脚本に参加したらしいが、文盲ゆえのイジイジとか、あれっ何年か前に反抗心を抱いたあいつらと俺同じことしてるやん、でイジイジとか、鬱屈は内向するばかりで、もっと底の抜けたさばけ方を提示してほしかった。実物がそうやったから仕方ないのかもしれませんが。

 

サパタの弟を演じたアンソニー・クインがアカデミーの助演男優賞を獲ってるらしいが、底抜けキャラができるクインにしても今一で然程とは思えませんでした。

 

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