男の痰壺

映画の感想中心です

バービー

★★★★★ 2023年8月16日(月) TOHOシネマズ梅田7

バービーランドで何の悩みもなく日々を送っていたバービー(A)が人間界に行って、悩みのないこと必ずしも良いことじゃないかもと自己の存在に疑問を抱く、とまあ目タコ耳タコ話ではあるのだが、お真面目優等生っぽいグレタ・ガーウィグ演出の弾け具合が予想の数段上を行ってるのに驚かされた。

まさか「可愛い」とか「ガーリー」とかをまともにやることはないだろう(予告篇はバリバリその線でしたが)とは思ってだけど、オタクネタや下ネタを臆することなく投入して、ガーリッシュであることが伸びやかに躍動している。マーゴット・ロビーも些かの出し遅れ感を抑え込んで彼女のベストロールじゃないか。

 

女性としての生きづらさっつーのも、本来バービーワールドでは添え物でしかないケン(達)をフィーチャーすることで性差を越えた普遍の問題として反転提示している。実にシュアな戦略だと思います。ライアン・ゴスリンクも弾けるほどにアホに徹して素晴らしい。

 

完パスするつもりでしたが見てよかった。

実ーにおもしろい。

 

制度に強いられ気付かぬ生き辛さを女性固有のものとしてでなく汎社会的なものとして提示してきたガーウィグの侠気こそ良し。で尚且つヲタネタ・下ネタ塗してガーリーであることも鮮やかに躍動させる。マーゴベストロール。ゴスリングもアホ十全。(cinemascape)

 

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