男の痰壺

映画の感想中心です

バニシング 未解決事件

★★★ 2022年8月8日(月) 新世界国際劇場

オルガ・キュレリンコ。ウクライナ出身でフランスでファッションモデルとなり、その後ボンドガールを経て多くのヒット作に出演。その彼女が出演した韓仏合作映画ってことで多少興味をそそられたのだが。

彼女が出たことに、大して意味があったとも思えません。韓国人の役で韓国の女優でも全然問題なかったと思われる。

 

文化や風習の違いがもたらす違和感と、それを乗り越えての共感や、男女なら恋心みたいなのが本来ドラマトゥルギーを起動させるべきで、そう考えると「ブラック・レイン」で健さんが不得手なカラオケを歌うことでアンディ・ガルシアとの共闘意識が醸成されるのは良かったよなと思い出されるのであった。

 

アンダーグラウンドの臓器売買の話で、そこに関わる医師や末端の運び屋まで一応には描かれているが、中国人の出稼ぎ労働者を拉致って臓器を取り出したものが正規ルートに簡単に乗せられるのはひっかかる。そこが関門なんじゃないのと素人でも思ってしまう。

あと、全体を仕切ってる反社組織の大元が手付かずで終わりか?ってのも。

 

海外から出張で訪韓してるオルガと韓国人刑事の成り行きも、本気の恋の生成には全く見えなく悲しいまでに淡白。だから、ラストもどっちらけです。

 

心に傷もつオルガが遠く韓国で事件に巻き込まれ傷を克服するというのが物語の本来の筈だが描き足りないので軸がぶれる。アングラ臓器売買のシステムと関与する人々が裾野を広げすぎな一方歪に精緻で時に大雑把。韓国人刑事との恋バナもホンマかよレベル。(cinemascape)

 

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