男の痰壺

映画の感想中心です

ある男

★★★ 12月5日(月) 大阪ステーションシティシネマ

この世には理屈で割り切れないことがけっこうあって、何故そんなことをしたのか本人でもわからなかったりして、そういうのをテーマにした方が深いと思うんです。

種が開けてみれば「ある男」のやったことは全くよくわかる。でも、それ以上でも以下でもなくわかりすぎて面白くない。

 

作り手も単線構造では押し切れないと思ったのか、妻夫木の弁護士を在日3世としたけど、これもほとんど物語には有機的に機能していないと思いました。

 

新たな時代の「砂の器」として、橋本忍野村芳太郎のやったように本線で押して押して押しまくるという覚悟が欲しかった。

 

ある男の得体が知れるにつれ全てが腑に落ちてしまい身も蓋もない。新たな『砂の器』としてなら窪田の来し方への寄添いが、『羊』的な心理の迷宮なら柄本の仕掛けが半端。サクラ筆頭に役者陣が総じて演り切れてない感があるなか小籔だけ充足。(cinemascape)

 

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