男の痰壺

映画の感想中心です

映画 「聲の形」

★★★★ 10月16日(日) MOVIXあまがさき11
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2016年。数年来のジャンル映画の新たな潮流から産まれたメルクマールとして「溺れるナイフ」と並ぶ。
ジャンルとは即ち、「オタクアニメ」と「少女コミック」。
後世もしかして、これらは、日活ロマンポルノに於ける「一条さゆり 濡れた欲情」や東映仁侠映画に於ける「博奕打ち 総長賭博」と並ぶのかもしれない。
 
障害を描くに今まで避けて通ってきた呵責のない攻撃性を内包している。
攻撃性は観る者の己の加虐性と向き合うことを強いるであろう。
聾唖である彼女の「声」の生々しさこそ、この映画の決意に思えるのだ。
ただ、そういう決意は主人王のディスコミュニケからの復権話にすり替えられえる。
そんなん些末なことやんと俺は地団太を踏むのだ。
 
キャラの奥行きが深い。
彼女の同級生の女の子3名は2重3重の多面性を備えている。
母親の攻撃性も家族史の必然の帰結だ。
に比べ男たちは悲しいくらいに形骸的だ。
一見浮いたかに見えたCG(花火とコースター)だが喰い合わせの悪さをクオリティが凌駕した。
 
障害を描くに呵責ない攻撃性を内包し観る者に己の加虐性と向き合うことを強いる。彼女の「声」こそこの映画の決意。だがその決意は主人公のディスコミュ復権話にすり替えられえる。キャラ付けは女子3名は多面性を備えているが男たちは悲しいくらいに形骸的。(cinemascape)