男の痰壺

映画の感想中心です

洗骨

★★★ 2019年2月13日(水) 大阪ステーションシティシネマ
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心のこもった良い映画だとは思う。
おそらくこれは、監督の照屋年之ことガレッジセールのゴリが実体験から導いた物語なのだろう。
洗骨ってのは沖縄に続く風習で、死んだ人を風葬にし4年後にまた、その朽ちた骨を洗って改めて弔う。
…ことらしい。
これは、どうやろか、本当に心から大事な人が亡くなって、葬式やってサヨナラってのとは違って、数年間の悼み思い偲ぶ日々が必要って人には素晴らしい弔い方だと思う。
が、一般には風葬にした遺体は朽ちても肉片や髪の毛の残滓はあるのであって、そもそも変わり果てたその姿に一般には拒否反応が起こりそうだ。
 
映画で、それでも心を打つのは、妻に先立たれた奥田瑛二が、心から女房が好きで好きでたまらなかったのだってことがひしひしと伝わってくるから。
娘が4年ぶりに帰省したとき、酒びたりになって寝ている親父が横に未だにかみさんの布団を並べて寝ているのを見てはっとするのだが、ちょっと俺は、この親父の喪失感の痛ましさに胸がかきむしられた。
 
映画はのっけからギャグをかまして、それがけっこうにしつこいのでどうなるんやと思ったが、以降、ギャグは影を潜める。
むしろ、娘の未婚での妊娠と兄妹の確執とかを生真面目に追いすぎてしんどいくらいなのだ。
そういう意味でハイキングウォーキングQ太郎の起用は正解であった。
 
終盤、洗骨の儀式の余韻を味わう間もなく出産が畳み掛けられる。
この作劇もいい。
一気呵成にラストのストップモーションへとつなぐ流れも簡潔。
 
まあ、誉めちぎったあげくに★3かよってことなのだが、語るに愚直すぎる感もある。
俺はお笑い界からの才能っていうと、もと髭男爵市井昌秀を買っていて彼の言外で語るっていう映画のコクに及ばないと思った。
って無理くりお笑い出身で括る必要はないんだけどね。