男の痰壺

映画の感想中心です

2026-01-01から1年間の記事一覧

愛と希望の街

★★★★ 1981年6月20日(土) 今津文化 1983年12月11日(日) 伊丹ローズ劇場 殊更に斬新な主張があるわけでもないのだが、それでも別格的な印象を受けるのは、作り手の強固な意志の存在が抜きんでているからだ。人間感情の曖昧なロジックではなく幾何学的論理性の…

ルームメイト

★★★ 2013年11月12日(火) 梅田ブルク7シアター7 生活臭ゼロの浮世ばなれ感が80年代角川映画を彷彿とさせ悪くなく、さすれば、これは当代のミューズを擁した正調アイドル映画に見えてくる。言うたら緩くて二番煎じ的なのだが、それでも終局の病院シーン…

箱の中の羊

★★★★ 2026年6月1日(月) MOVIXあまがさき6 ハイソな無菌世界を適度な穢れで中和する快感とでも言おうか。 無菌世界とは、ドローンなど近未来の意匠、ヒューマノイド、夫婦の居宅、心を閉ざした綾瀬はるかなど。穢れとは(無菌の対義語の意味で他意は…

危険なプロット

★★★★ 2013年10月26日(土) テアトル梅田1 虚実ない交ぜの語り口が流麗で闊達なのとプチブル夫妻を主人公に置いた点でアレンのようだという言説は免れないが、パゾリーニ的トリックスターを混入させ撹乱する。途中まで圧倒的におもろいのだが、終盤はどうに…

グッバイガール

★★★ 1979年1月28日(日) 伊丹グリーン劇場 1981年2月23日(月) 梅田ロキシー メイスンとカミングス母娘にまつわる話は素晴らしいし愛おしいとも思える。両者の演技はキュートそのものだ。だが一方でドレイファスの奇矯なキャラクターが何とも鬱陶しい。作り込…

自然は君に何を語るのか

★★★★ 2026年5月30日(土) シネヌーヴォ 普段はそれなりに如才なく人間関係を熟していても、アルコールが入ると言わんでええ心の奥まで止め処なくダダ漏らしてしまう。俺も若い頃にはイヤっちゅうほど繰り返した過ちであり、っていうか歳とった今でも時に同…

SHADOW 影武者

★★★★ 2019年9月6日(金) 大阪ステーションシティシネマ10 俺は、チャン・イーモウの熱心な鑑賞者ではない。 のだが、初期のころの「菊豆」、「紅夢」を見て、このおっさん形式主義に拘泥して早晩行き詰るわと思っていたら、「あの子を探して」でいきなり…

シュロック

★ 1981年7月25日(土) 三越劇場 当時、日本の片田舎にだってブルース・リーや優作の真似事をしたくって、そんなバカみたいなことに明け暮れていた野郎どもは自主映画世界には山ほどいたのであって、こんなもん金取って見せるものではないと思った。パロディと…

ミステリー・アリーナ

★★★★ 2026年5月27日(水) MOVIXあまがさき5 全く内容が届いてこないチープ極まりない予告篇を繰り返し見せられ続けてるうちに、何かこれには裏があるんちゃうか?の疑義が頭をもたげてきた。半信半疑の期待は見に行ってそれなりには充足された気がす…

帰れない二人

★★★★ 2019年9月18日(水) シネリーブル梅田4 2001年から2017年。 山西省から重慶、新疆ウイグル自治区から山西省。 とジャンクーが拘る時間と空間が移ろう構成になっていて、その中で劇的に変わり行く中国の様相が点描される。特に重慶・奉節の場…

十兵衛暗殺剣

★★★ 2013年11月16日(土) トビタ東映 十兵衛は序盤けっこうリアルに弱腰だし、実践経験無き剣が道場剣法と謗られるのも正論。そういう生煮え展開故に終盤の逆転にカタルシスは無い。闇夜の大友の8人斬りの非情。湖賊女頭目の懊悩とエロティシズム。見どこ…

オスロ、8月31日

★★★★★ 2026年5月28日(木) テアトル梅田1 「センチメンタル・バリュー」を見ただけでは信頼し切れなかったが、本作を見てヨアキム・トリアーが現在進行形の映像作家の先頭ランナーの1人であることをあらためて確信させられる。今回本作を含めて3本の特集…

タロウのバカ

★★★★ 2019年9月18日(水) テアトル梅田2 大森立嗣が最初期の頃に書いた脚本だそうな。 ここんとこ柄でないジャンルに挑んで失敗した(あくまで俺の感想です)彼が渾身の企画に対して半端ない覚悟で臨んだ節が伺える。 新たに加筆されたという冒頭の障碍者…

スローなブギにしてくれ

★★ 1981年7月6日(月) 梅田コマシルバー 男と女と女と男とがくっついたり離れたりを何だかはっきりしないままダラダラ続けてしんどいだけ。アメ車や米軍ハウスといった文化に余り関心無いらしい藤田敏八の苦し紛れのモラトリアム中年への偏向が益々映画を訳分…

忍術キートン/キートンの探偵学入門

★★★★★ 1981年7月4日(土) 毎日文化ホール 時制と空間を支配しようとする強固な意志とそれを為し得る技と力。勃興期の映画の数万哩先に数十年早く到達した奇跡。見たときは捜し物を見つけた気がした。問答無用なテンポの快感に末梢神経の先まで覚醒させられる…

ライオン・キング

★★★ 2019年9月2日(月) 大阪ステーションシティシネマ2 アニメ版は未見です。 であるから、どんな話なのか知らずに見たのだが、手塚治虫の「ジャングル大帝」との類似がとやかく言われたことは何となく覚えている。 しかし、これは、やっぱ違うものだと思…

スター・ウォーズ マンダロリアン・アンド・グローグー

★★★ 2026年5月25日(月) MOVIXあまがさき6 100%見る気もなかったが、気の迷いから見てしまった。そして、やっぱ見なけりゃ良かったと思った。 原シリーズの酒場のシーンとかにチョロチョロ出てた甲冑の賞金稼ぎとヨーダの孫みたいなのがマンダロ…

ランナウェイ 逃亡者

★★★★ 2013年10月27日(日) MOVIXあまがさき1 所詮はハリウッド流に閉じる展開なのだが、それでも棄てた者と棄てざる者の過ごした膨大な年月の質量が否応なく滲み出る。そういった時代を同時代として生きた者達が共振するリアリティ。敢えて前面に出た…

悪女軍団

★★★ 1981年10月25日(日) ダイニチ伊丹 東映ピンキーバイオレンス的鈴木節を日活ロマンポルノの枠組みで再構築したおかげで、エロ枷が取れてサバケた開放感がありカラリと晴れ上がったかの如く爽快である。乗りに乗る3女優を前に小沼演出も耽美派の旗を降ろ…

EPiC エピック エルヴィス・プレスリー・イン・コンサート

★★★★★ 2026年5月23日(金) 大阪ステーションシティシネマ8 何で今更プレスリー?とも思ったし、そもそもにプレスリーにさして関心もない俺であった。しかし、めっちゃ高評価だし、4年前に「エルヴィス」を撮ったバズ・ラーマンが敢えてこれを作って世に出…

テイカーズ

★★★★ 2013年9月28日(土) トビタシネマ 正直少々イラつく編集なのだが、錯綜する展開を規定に沿って収束させずに混迷に委ねたかのような帰結に新味を覚えた。非情と裏切りとモラリズムが混在し鯔背であることが必然である世界を等身大で描き得ている。新旧…

歌麿 夢と知りせば

★★★ 1981年9月13日(日) 新世界東宝敷島 曲者揃いの役者の面構えの選択に於ける一貫した趣味性も凝りまくりの照明と撮影も実相寺演出は完全な統一感を保っているのだが、エロスの追求という明確な主題を提示してしまっては底の浅さが露見する。爛熟文化の光と…

小原庄助さん

★★★★ 2026年5月18日(月) シネヌーヴォ 小原庄助さんのイメージって伝承歌で知ってる限りは、ボンボンの何代目かで飲んで寝て飲んで寝ての怠惰なアホボンみたいな。しかし、清水宏はそこに肉付けして、それなりには庄屋として村の取り纏めや行事の舵取りを…

地獄でなぜ悪い

★★★★ 2013年9月28日(土) 梅田ブルク7シアター6 自己愛に塗れた耐え難いテーマで、設定も後付け丸出しだ。園子温が10年前に撮ってたら臭くて見れなかったろうが、20年前の『自転車吐息』の初々しさを強引に俎上に乗せ『熱帯魚』な東映イズムで料理し…

劇場版 おっさんずラブ LOVE or DEAD

★★★ 2019年9月1日(日) MOVIXあまがさき2 はっきり言って1000%見る気がない映画だった。 TVドラマも見ていない。 女房が又ぞろ「天気の子」が見たいとか言い出して、ゴネてたら、この映画でもいいということでやむなく行った次第です。 けっこ…

ボタニスト 植物を愛する少年

★★★ 2026年5月16日(土) テアトル梅田3 我々は新疆ウィグル自治区に関してどれほどのことを知ってるだろうか。中共による熾烈な同化政策が何百万人もへの拷問・虐殺を伴いアメリカが「ジェノサイド」と認定した、みたいなことはTVのワイドショーとかで見…

ジン・イー Jing Yi

生年:1994// kenironkun.hatenablog.com

宮本から君へ

★★★★ 2019年9月27日(金) 梅田ブルク7シアター2 原作漫画は未読だし、TVドラマも未見なので、この映画のテイストが原作と違うのかは判断できません。 が、劇場で予告篇を何度か見て見たいなとは思っていた。 そこから受ける印象は、ハイテンション野郎…

俺達に墓はない

★★★ 2013年11月16日(土) トビタ東映 『遊戯』シリーズ系譜上のパターン演技を踏襲する優作のアドリブ的ヘタウマ演技のために、べらぼうなテキトー設定も釈然とさせる映画王国のマジックなのだが、どうも、その王国から志賀勝が浮いている。真面目すぎて情…

ジャッジ・ドレッド

★★★★ 2013年9月14日(土) 新世界国際劇場 スローモーなるドラッグの幻視効果を執拗に描いて、そのハイスピード撮影が人体破壊に敷衍するあたり、この際どい専制題材を描くに毒をもって制する感がある。設定の空間限定の閉塞は容赦の無さによって破砕され、…