男の痰壺

映画の感想中心です

ノスフェラトゥ

★★★ 2025年5月26日(月) 大阪ステーションシティシネマ

ムルナウ版は未見だがヘルツォーク版は見ました。そんなんで、今更おんなじ話を見たくもなかったんですが、時間が合うのがこれしかなかったんで。

ロバート・エガース積年の企画だそうだが、「ライトハウス」はともかく「ノースマン」の親の仇討ちという図太い物語の幹を迂回する回りくどい叙法に失望した俺は今回あんまり期待もしなかった。そして、しなかった通りの痒いところに手が届かなさであった。

 

ムルナウの古典テキストにオリジナルな作家性を加味しなければ作る意味がない、とすればヘルツォークのやったことは地政学的なパンデミック拡散の暗喩だったのではないか。

で、今作だが、吸血鬼に狙われた女性の運命的な狂乱と悟りみたいな、或いは死なば諸ともの自己犠牲みたいな、若しくは怖いもの見たさのマゾヒスティックなゲテ食いみたいな、そういうのをフィーチャーしたかったらしい、知らんけど。

だけど、物語がそこに収斂していく骨法が弱いので今一盛り上がらないのだ。

 

当初、アニャ・テイラー=ジョイで企画が進んでいたのが、制作が遅れてリリー=ローズ・デップ(ジョニデの娘らしい)に交代したらしいが、アニャで見たかったとも思った。

 

ノスフェラトゥ(=ドラキュラ)の造形が従来の腺病質的な青白い伯爵ではなく、口髭を蓄えた武将イメージなのは新しいと思ったが、ロバート・エガースの趣味なんだろう。この人こういうむさ苦しい野郎の映画ばっか撮ってますから。

 

吸血鬼に狙われた女性の狂乱と悟りみたいな、或いは死なば諸ともの自己犠牲みたいな、若しくは怖いもの見たさのマゾヒスティックゲテ食いみたいな、そういうのをフィーチャーしたかったらしいが、物語がそこに収斂していく骨法が弱いので今一盛り上がらない。

 

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