★★★★ 2025年9月27日(土) シネヌーヴォ

コロナ下のロックダウン状態も、それはそれで悪くなかったやん、という恵まれた方たちの話である。アサイヤス自身、自作の中で最もパーソナルな作品だと言ってるが、「あんのこと」や「夜明けまでバス停で」が大きく評価される日本では、ケッ、ブルジョワのおフランス野郎が、と評価されないであろう。俺は好きやけど。
それまでの日常が寸断されて、外出できない日々が続く。それまで全く関心外であった自然や過去の追憶や人間関係とかを見直し、永らくご無沙汰してた本を紐解いてみたり、料理に勤しんでみたりと、そういう状況でないとやらなかったことをやってみる。それはそれで意味があるのである。
そんなだから、ストーリーらしいストーリーはない。一種の随筆体映画で、ウディ・アレンやナンニ・モレッティとかが好んで作りそうな映画である。兄は映画批評家、弟は音楽評論家。その兄弟が主役で、業界ネタもそれなりにある。そのメタ感もアレンやモレッティを想起させる。