★★★ 2025年5月19日(月) MOVIXあまがさき3

概ねこうなるやろと思った通りの展開なのだが、それだけに当たり前を物ともしない骨太さとも言える。好みの作風だし、ド直球なそれは女性監督とも思えぬものだが、そのくせ、老若・美醜の対比に特化したテーマは余りにも女性的思考であり、男の俺からすりゃあマジどーでもえーやんと思えるものだ。結果、世界は限りなく閉じてしまっている。
その一方で、果てしなく肥大化する男性嫌悪。デニス・クエイドの食事シーンのこれみよがしなエビ食い。正直、胸焼けしそう。女がルッキズムの犠牲になるのはみーんな男のせいなんでやんす。さよかー、でもそんなん思ってるん女性のほんの1部だけだと思うんですけど。
【以下ネタバレです】
理に合う合わないはこんな映画で言うは野暮っすけど、入れ替わりのときに背中がカパっと割れてそれが出てきて元の体の中が空洞なんは、生体機能が無いわけやから幾ら栄養剤入れてもあかんでしょ。いやーこんなん言うと大人気ないっすかね。
パターンの範囲内ではありますが、終盤の転落の畳み掛けは、かなりのもんでした。母体殺しちゃうんや、言わば自分の半身殺すよなもんで、ロクなことにならんのは目に見えてるんですが、局面の展開には逆らえない。欲望に棹さしていっちゃえーてなもんでして、あとは野となれ山となれ。そしてそうなった。
「キャリー」で豚の血を浴びせられた少女がテレキシネスで会場を地獄に叩き込む、みたく本作では自らの血液シャワーで会場を血の海にする。明らかに準えてます。
単視眼的に過ぎる点は相当に退くのだけど、全力出し切った感は認める。そんな感じでしょうか。
ド直球でジャーロ・性懲りもなくフェミニズムと、その衒いの無さにはある種畏敬の念さえ覚えるものの、男脳の俺には理に合う合わないの細部がやっぱ引っかかる。単視眼的に過ぎる点は相当に退くのだけど、全力出し切った感は認める。そんな感じでしょうか。