男の痰壺

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ハルビン

★★★★ 2025年7月9日(水) 大阪ステーションシティシネマ

伊藤博文を暗殺した安重根は抗日の英雄だったのが、今や反日のアイコンになってしまった、ってのもあり嫌韓右翼がギャーギャー言って上映反対するのかと思ったら何だかあっさり静かに上映されました。選挙で忙しくてそれどころじゃなかったんすかね。まあ、見たくない奴は見なけりゃいいだけっすから。

 

これは安重根の個人的な内面史に切り込むというより、抗日義勇軍の組織的な「伊藤博文暗殺プロジェクト」を描いたもので、言わば「ミッション:インポッシブル」みたいなもんだ。安重根は1つのコマにしか過ぎない。

そんなだから、この映画を見てて最も感情を揺さぶるのは、安重根ではなく日本軍に拉致されて拷問され密告者にされる男の話で、暗殺の佳境のあとのエピローグの締めも彼によって為される。

 

ハルビンという街を「伊藤博文が暗殺された駅の街」くらいにしか知らなかった俺だが、清国領にもかかわらずロシアが覇権を伸ばし栄えた街で、建物の美しさから「東洋のパリ」とまで称されたらしい。やがて日本が介入して満洲国が設立され、その一都市となるわけですが。そういった列国の思惑が錯綜する時代のロマンティシズムを僅かにせよ映画は描出している。そこも魅力であった。旧市街の残るラトビアでロケされたそうです。

ちなみに加藤登紀子や梅宮辰夫が生まれハルビンだったらしいです。それがなんやって話ですけど。

 

安重根の個人的な内面に切り込むというより抗日義勇軍の組織的な「伊藤博文暗殺プロジェクト」を描いたもの。結果、日本軍に拉致拷問され密告者にされる男の方が印象的。日清露の思惑が錯綜し歴史の奔流にさらされた街ハルビン。そのロマンティシズムの片鱗。

 

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