男の痰壺

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ある現代の女子学生

★★★ 2021年7月19日(月) テアトル梅田2

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女子大生の日常のスケッチとしては、2年前に撮られた「パリのナジャ」がキャラ立ちした留学生をモチーフにして成功していたと思うのだが、こちらは対象が平凡な女子だし映画も凡庸な出来である。

ならば、もっと複数の対象を選んで包括的に女性進出の時代を捕らえるアプローチとかを試みてほしかったが、ロメールにそんな社会的視座を求めるのもお門違いなんでしょう。

 

動物実験の授業シーンがあって、腹かっさばいて心臓に電極つながれた動物に対して、女子学生たちは殊更に感情移入しません。

日本に於いても、食用カエルや鮒とかの解剖ってのが普通に小中の理科の授業で行われた時代でしたなあと感慨を覚えました。

 

現代の女子大生のもつある種のイメージとはかけ離れた60年代の現代女子大生。端境期のフロンティアは都市パリの解放感の中で寧ろ静かに内向してるみたい。心臓に電極繋いでの動物実験も物怖じすることない。ある意味それだけ切羽詰まってるとも言えるかも。(cinemascape)

 

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