★★ 2023年7月6日(木) シネリーブル梅田1
どこが腕利きの探偵やねん?と思いました。探偵としての仕事は写真持って「この人見たことありませんか」と聞いて回るシーンくらいで、他にはなーんもありません。
伊藤沙莉が好きなんで見たけど、予告篇見てる時からイヤーな予感がしておりました。で、その通りの出来で、考えてみたらこういうつまらないプログラムピクチャーって70〜80年代には山ほどあったよな「寅さん」とか「トラック野郎」とかの併映で、なんて郷愁に浸ってしまう始末です。
まあ、沙莉が良ければいいんですけど、どうも彼女も届いてないですなー。作り手も彼女を主演に持ってきて一丁代表作にしたろなんて気概は欠片もない。もっと血と泥に塗れさせて、肚の底からの情念振り絞らせて、おっぱい曝け出させるくらいの脚本書いたれや思います。石井隆が草葉の陰で泣いとるわ。
脚本・監督を担当した内山英治にせよ片山慎三にせよ、それがやれない人じゃないはずです。でも、そもそも何で2人?とも思う。なんだかやっつけ企画の匂いがしますなあ。本気でやる気なかったんでしょう。
映画は代わりに「変なもの」出してきますが、そういうことやるには「団地」の阪本順治くらいの素知らぬ顔でのシャレっ気が要るんです。それは子供の頃から吉本新喜劇見て育ち培われるオフビートな素養だと思う。
沙莉ド真ん中映画やのに彼女の影薄〜ってなもんで、桃井先輩の爪垢でも飲んで、もっと血と汗と泥とスペルマに塗れオッパイ曝け出せ、っていうか彼女が悪いんじゃなく製作者や。石井隆が化けて出るぞ。「それ」の扱いもてんで本気度ないね。(cinemascape)