男の痰壺

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ギャング対Gメン 集団金庫破り

★★★★ 2023年3月15日(水) 新世界東映

きっと「黄金の七人」にインスパイアされたもんだろ思ったら、こっちの方が2年先であった。石井輝男の作品は多分1割も見てないけど、見た中では1、2を争う出来だと思う。イケてます。

 

画面の造形がダブルフォーカスレンズを多用したりで凝りまくってるのも石井輝男らしからぬところで、俺はダブルフォーカスって好きじゃないんだが初めて得心のいく使い方を見たように思う。テンポがいいんでしょう。

 

何故「黄金の七人」を連想したのかは、金庫破りの為に8人のプロを集めた首謀者が十朱久雄で、その紳士然とした佇まいが「教授」とかぶるし、紅一点の佐久間良子の女金庫破りはロッサナ・ポデスタを凌駕してる。2人とも高みの見物ポジションではなくプレイヤーとして泥に塗れるのもいい。佐久間は若尾文子並みに今フィーチャーされてもいいんじゃないかと思います。クールなお色気がたまりません。

 

深作の「ギャング対Gメン」1作目は未見。「ギャングシリーズ」11作の1つとして括る向きもあるようだがどれも見てません。

 

復讐譚を縦軸に金庫襲撃を横軸に据えた物語だがどっちもテキトーでいいかげん。でも惜しみなく投入される冴えたキャラとコクある画面造形が連鎖してもってかれる。わけても十朱久雄と佐久間良子はジャンルの先走。ダブルフォーカスも適宜な差し込み。(cinemascape)

 

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