男の痰壺

映画の感想中心です

SUNNY 強い気持ち・強い愛

★★★★★ 2018年9月12日(水) 大阪ステーションシティシネマ
イメージ 1
韓国版オリジナルも見ているが、佳作だと思った覚えがある。
その日本版リメイクとくれば、昨年の「22年目の告白」がてんで劣ったように見えた苦い思い。
そういうのがあって、さして見る気にもならず、主演の篠原涼子やすずも食指が動くわけでもない。
ましてや渡辺直美小池栄子にいたっては露骨に安牌ねらいでゲンナリ感があった。
見る前は…。
 
まあ、大根仁の前作「奥田民雄~」が良かったので淡い期待を抱かせたのだが。
そのへん、演出としては無難っていうか、そんなにエッジは効いてないっす。
 
これは、やっぱりキャスティングの勝利ではなかろうか。
特に、90年代の女子高生役の面子が素晴らしい。
すずとエライザしか知らなかったが、芹香を演った山本舞香がいいですね。
5人のサニーのメンバーが実にしっくり親和していてよろしいっすなあ。
 
正直、年増好みの俺はJKなんざ何の関心ももってないのであるが、彼女たちは見てて楽しい。
あと、現在パートの篠原涼子が良いです。
ものすごく自然体でまったく無理感がありません。
 
何十年会ってなくても、昔の友人とは再会した一瞬で分かり合える。
これは、男の俺でもわかる。
でも、余命1か月の友人の病室で浮気話で盛り上がる。
或いは、病人のベッドに同衾してしみじみ語り合う。
こういうメンタリティは男には無いです。
そういう意味で、これは、徹頭徹尾の女性賛歌映画になっているんだわさ。
 
出来レースに安牌狙いの配役なのだが、それでも確信的に浸ったもん勝ちの強度を満喫した。失われた20年でパープーなコギャルも痛手を噛みしめた大人になるだろう。その経験は無駄ではなかったと思おうとする意志。そして限りない女性賛歌。全肯定の潔さ。(cinemascape)