男の痰壺

映画の感想中心です

一度死んでみた

★★★★ 2020年4月2日(木) 大阪ステーションシティシネマ11

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すずがヘビメタ?って絶〜対ムリやんって思ったし、予告で見た幽体離脱した堤の浮遊霊の安さにゲンナリしたりもしたのだが、何故か見てしまって、やっぱ映画って見てみないとわからんねって思った。これは、ベタを確信的に押し切った好編だ。

 

なんでも、ソフトバンク白戸家の脚本家とau三太郎の演出家の最強タッグだそうなのだが、なのに映画の批評業界はこういうCM畑からの進出に未だ冷淡な節があるみたいですな。

俺は、霊となった堤真一が、冥界の案内人リリー・フランキーとの掛け合いで、トントントントン日野の…ってやり出した途端、衝動的にこみ上げる爆笑玉を思わず飲み込んだのだが、こういった業界ネタを随所にぶち込んで軽やかにグルーヴしていく流れが澱みない。

 

まあ、話の展開はお約束通りというか、娘の親父への反目と和解みたいな規定路線に乗っかってるんだが、親父臭ネタみたいなキツメの薬味が効いて活性化されている。

それにしても、オヤジの臭いって、若い女の子にとって、それほどまでに臭いもんなんでしょうかね。つくづく娘がいなくってよかったですわ。

 

ベタな父娘の確執譚だが、ツッコミ3段重ねを筆頭に小ネタ応酬がグルーヴしベタ上塗りの強度を誘引。さすればアッチョンブリケの霊吸引もイケイケ天国と化するだろう。懸念されたすずメタルの遠景処理ボロ隠しがご愛嬌。多彩な役者の惜し気ない消費も吉。(cinemascape)

 

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