男の痰壺

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クリード 炎の宿敵

★★★ 2019年1月13日(日) MOVIXあまがさき9
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ドラゴ父子かわいそう…って、そう思ってしまう物語軸ってどうなんよ。
そのへんスタローンも焼きが回ったと思うのだ。
まあ、そんなこと抜きにしても安直な物語ではあるのだが。
 
子供のころ、タイソンの試合をを初めてTVでみたとき怖いと思った。
それまで見てたアリとか輪島とかガッツとか具志堅とかと別次元のように思えた。
こんな奴と闘ったら殺されると本気で思った。
アポロの息子アドニスとドラゴの息子ヴィクターの初戦は、そんな子供のころの記憶を呼びさます。
アドニスぼろ負けで、もう明らかに次元が違う。
肋骨折られーの腎臓やられーのボロボロのアドニス
 
そんなんで自信喪失した男がどうやって立ち直るかと思って見ていたのだが…。
赤ちゃんが産まれるんです。
おいおいって展開だが、そこは安易に子供のために頑張ろう的なモチベーションは流石にない。
で、奥さんが用事で子供預けられて夜鳴きしてオロオロ。
思い余って、やむなく避けていたジムに行く。
なぜか泣き止んだ赤ちゃん。
目の前にサンドバック。
何気にジャブを打ち込む、
その1打が呼び覚ます、折れてた闘志を。
打ち込む打ち込む、ドスドスバスバス、おりゃあーやったろうやないか!
 
人間、悩むより外に出て1歩踏み出せってことですな。
まあ、納得性があります。
しかし、彼我の力の差はハンパないのであって、そのへんどうすんの。
ってのは、「ロッキー」初作とおんなじ猛トレーニングで、拮抗する戦闘マシーンに変貌するのであった。
このへんが、俺がロッキーをいまいち評価しきれないところなんですわ。
まあ、ドラゴンボールとかワンピースとか同じで必死にトレーニングすれば何とかなるってのは余りに安易。
 
映画は予定通りの展開で終焉を迎えます。
まあ、ちょっとだけ泣きましたけど。
 
ドラゴ父子積年のルサンチマンが結晶するタイトル戦で裂帛の気迫に折られた心が立ち直る契機が赤ちゃん誕生ではだが、流石にそこは体に沁みたボクサー魂の回帰として描く。だが彼我の力量差の均衡には虎の穴の猛練習ではね。仲良し親子のランニングもトホホ。(cinemascape)