男の痰壺

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くるみ割り人形と秘密の王国

★★★★ 2018年12月4日(火) 梅田ブルク7シアター6
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ジャンルとして、さして好みでもない映画です。
古典の復刻版として例えば「美女と野獣」とか
そういうの、まったく、見ておりません。
監督ラッセ・ハレストロムも初期のころは見てましたが、最近さほど興味もありません。
まあ、時間が合うのがこれしかなかったっていうのもあります。
でも、予告篇は何度か見ていたので、少しだけ引っかかるもんがあった。
 
こども大人が作った子供むけ映画ってのは、俺はあんまり好きじゃない。
彼らの映画は、基本好きなんですが、何本かはちょっと勘弁してほしい。
たぶん、子供が思い描くようなファクターが修飾されて過剰だからだと思う。
そのへん、この映画は非常にニュートラルです。
 
死んだ母への想いが断ち切れない少女が、ワンダーランドでの経験から自我を回復する。
そういう成長譚としてシンプルに衒いがありません。
そのかわり、4つの国めぐりみたいなテーマパーク感は端折られてる。
そこも良かった。
まあ、マトリョーシカみたいなお化けとブリキの兵隊は魅せるもんがありましたけど。
 
なんやかんや言いましたが、主役のマッケンジー・フォイちゃんが良い。
結局はそこに尽きるんですけど。
 
これ見よがし感がないのはハルストレムがジャンル専従者ではないからだろう。亡き母への思慕ではなく系譜を引き継ぐということが貫徹されシンプルで衒いなく強度もある。主演フォイちゃんも良。マトリョーシカお化けやブリキの兵隊群は魅力的な造形。(cinemascape)