男の痰壺

映画の感想中心です

ミスター・ガラス

★★★★ 2019年1月19日(土) TOHOシネマズ梅田6
イメージ 1
【ネタバレありです】
 
アンブレイカブル」の続篇だってことは知っていたが、「スプリット」も連関してるってのは何分未見であるので知る由もない。
まあ、それでも面白かった。
 
筋としては、いまさら言ってもしかたないガキの戯言レベルであって、だが、それを確信的に浸ってみせる切ないムードが「アンブレイカブル」の美点であったわけだが、それは喪失した。
なぜなら、マカヴォイの独壇場な23重人格演技が切なさを感じさせる間もないからだ。
そのかわりに、全く先が読めない奇天烈な展開がつるべ打ちされる。
 
俺は、いまさらシャマランに「シックス・センス」なみの驚天動地の大ドンデンがえしは期待していない。
で、あるから、この映画の裏の裏は表だった的な一種凡庸な展開は良しとする。
むしろ、そういった期待を裏切り続けることに、この映画の意義を置いたんではなかろうか。
そうであれば、オオサカタワーなる新築高層ビルでの大バトルを煽っておいて結局無しってのが妙に納得がいったりもするのだ。
 
裏の裏は表なりのトホホな帰結をドヤ顔で謳いあげるシャマラン節は取り敢えず憎めない。マカヴォイ23人格の1人コントが物語の演繹推察を攪乱するなか善VS悪の超人頂上決戦を仕掛けた骨折りガラスともども卓袱台は返される。語り口こそ全てだ。(cinemascape)