★★★★★ 2024年11月14日(木) 大阪ステーションシティシネマ9

賛否両論だったらしいが、ものの分かる奴ぁわかるのんやわ、タランティーノとか阿部和重とかオレとかさーなんちゃって。まあ、おそらくこれ見てあかん思った人は前作のジョーカー誕生とジャック・ニコルソンやヒース・レジャーの演じたジョーカーとの間の連結作品としての期待を待ってたんやろね。そこを完全にスカされたわけです。繋がんなくなっちゃいましたから。
【以下ネタバレです】
興行的には二重人格のダークサイドがアーサーの人格を乗っ取り皆んなが知っているジョーカーが完成されることが必須やったんやろけど、トッド・フィリップスはそれを良しとはしなかったんですな。一種の作家的矜持であろう。漢だと思います。
それによって沈降するだけになった物語はジョーカー再臨を待望する「女」の存在により揺れるアーサーに同期することで一応のサスペンスを持続させる。が如何にも弱い。そこで半ミュージカル化の変則手なのだが、70〜80年代のど真ん中ポップスを朗々とレディ・ガガに謳わせて臆面もなくメンタリティに揺さぶりをかける。ビージーズやカーペンターズもだが、俺としてはシャーリー・マクレーン「スイート・チャリティ」のナンバーに驚いた。同作は未見ですがシャーリーファンだった子供の頃、彼女のライブのレコードを持ってて繰り返し聴いたナンバーだったから。
撮影・美術の前作を上回る健闘も素晴らしかった。リアルサイドの舞台が拘置所と法廷に限定されるなか、それだけに練りに練り上げた感がありました。
ジョーカー完成への連結作の途を棄て馬脚を顕わすに直走る物語だが、ガガの期待に揺れるホアキンの煮え切らなさと拘置所・法廷に閉塞する舞台の抑圧を解き放つ為博奕を打って鮮やかに成功した。朗々と歌われるど真中ポップスにメンタリティは震撼。