★★★★ 2017年9月18日(月) プラネットスタジオプラス1
あこがれのお姉さんが…
自転車で疾走しスカートがめくれ上がる。
テニスに興じてスコートがめくれ上がる。
と、まあ、少年の青いムラムラが炸裂するのだが、そこはそこ、何せトリュフォー先生ですから許されるみたい。
あろうことか、ぬくもりが残る自転車のサドルに顔を当てクンクン。
おっさんがやったらド変態です。
いずれにせよ、逆回しやってみたり、嫌いな野郎が撮った映画のポスター破ってみたりと処女作ですからやることが青い。
で、青いことが美点になってるんです。
本来、俺は青いもんを見るとイラーっとする。
なぜかというと、青かった自分を投影して居たたまれなくなるからだと思うんです。
でも、この映画は、一方で大人びた批評精神が確固として背後にあるみたいに思える。
少年に仮託されたド変態は済し崩しの作劇によりドラマティックに摩り替えられる。逆回しなどの手法やポスター破りなどの露骨な攻撃批評も青臭いのだが、それは不思議なことに居た堪れなさには転化しない。確立された批評精神が世界を独善から救っているから。(cinemascape)