男の痰壺

映画の感想中心です

映画 2016

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今年55歳になった。

四捨五入すれば還暦である。
今まで肉体が朽ちて人生が終わるということは頭でわかってても人ごとであった。
でも、最近、しみじみ思うのだ。
いつかは終わるんやな…と。
 
1995年、阪神淡路大震災の年、俺は結婚した。
借金まみれで結婚式をあげる金もなく、不憫に思った親がせめて食事会をと催した親類だけの会席で酔った俺は吠えた。
「このままじゃ終わらんよ、今に見とれーっちゅうこってす」
まあ、少し前の映画館の予告で岡田准一が「いっちょやったろやないけ!」と吠えてましたが、あれと同じくらいにに板についてなかった。

で、あれから21年。
もう哀しいくらいに何も良くなってません。
むしろ状況は少しずつ悪くなっている。
この少しずつというのが、又たち悪いのだ。

CinemaScape 映画批評空間」という映画サイトにここ10年以上映画の感想を書いてきたが最近アクセス不可になった。
そうなって、何でそんなに続けてこれたのかと最近、思ったりする。
それは、10年前の熱気の余熱ではなかったかと思うのだ。
最近は新規コメントの投稿も1日10件に満たなかったサイトだが、最盛期には1日200~300件を下らなかった。
ものすごい熱量があった。
「何かが変わるかもしれない」
そう思ったのは俺だけではないはずだと思う。
大阪の谷町の居酒屋で4人で初めてオフ会めいた宴席をもった晩のことを思いだす。
あのときの興奮は何かへの期待ではなかったでしょうか。
(Yasuさん…シネスケはどうなっちまうんですか)
でも、結局何も変わらないとわかってしまったんですなあ。

茹でガエルな日々の中で、それでも俺は映画を見続ける。
映画館で146本観た。
新旧込みで自己採点の高いものを記す。

日本映画★★★★★
「母と暮せば」「実録 私設銀座警察」「蜜のあわれ」「リップ・ヴァン・ウィンクルの花嫁」「クリーピー 偽りの殺人」「君の名は。」「お父さんと伊藤さん」「永い言い訳
日本映画★★★★
「の・ようなもの のようなもの」「家族はつらいよ」「女が眠るとき」「無伴奏」「あやしい彼女」「アイアムアヒーロー」「ちはやふる 下の句」「ヒメアノ~ル」「64 ロクヨン 前篇」「殿、利息でござる」「団地」「葛城事件」「TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ「日本で一番悪い奴ら」「シン・ゴジラ」「セトウツミ」「だれかの木琴」「怒り」「オーバー・フェンス」「淵に立つ」「映画 聲の形」「水戸黄門 助さん格さん大暴れ」「溺れるナイフ」「湯を沸かすほどの熱い愛」「この世界の片隅で」「アズミ・ハルコは行方不明」
外国映画★★★★★
ブリッジ・オブ・スパイ」「ディーパンの闘い」「胸に輝く星」「ヘイトフル・エイト」「スポットライト 世紀のスクープ」「ウンベルトD」「レヴェナント 蘇りし者」「山河ノスタルジア」「教授のおかしな妄想殺人」「BFG ビッグ・フレンドリー・ジャイアント」「アブラハム渓谷」「五日物語 3つの王国と3人の女」
外国映画★★★★
「アンジェリカの微笑み」「グレン・ミラー物語」「コンフェッション 友の告白」「オリエント急行殺人事件」「ブラック・スキャンダル」「白鯨との闘い」「ヴィンセントが教えてくれたこと」「しあわせのまわり道」「キャロル」「マネー・ショート 華麗なる大逆転」「ヴィジット」「突破口!」「ヘイル・シーザー!」「デッドプール」「ハリーとトント」エクス・マキナ」「ボディ・スナッチャー 恐怖の街」「マーシュランド」「ブルックリン」「ルーム」「ひな鳥の冒険」「ニュースの真相」「トランボ ハリウッドの最も嫌われた男」「ボーダーライン」「イレブン・ミニッツ」「アスファルト・ジャングル」「ノック・ノック」「コンテンダー」「ハドソン川の奇跡」「ジェイソン・ボーン」「ヤング・アダルト・ニューヨーク」「ダゲレオタイプの女」「孔雀夫人」「ドント・ブリーズ

まあ、穏当に言うなら永い言い訳「山河ノスタルジア」あたりをベストと言いたい俺もいるのだが、今年は毛の生えてない青汁小僧のシネフィルと間違われそうな恥ずかしさを押し殺してなお黒沢清タランティーノの新作に心から射抜かれたと言いたい。
「ザ・映画」って何のことかわからんが、そんなフレーズがずーっと俺の中でリフレインし続けている。
こんな遥か昔に置き忘れた気持ちを、ああ…そんな時代もあったねと思い起こさせた
クリーピー 偽りの殺人」
がベストだ。
 
旧作ではオリヴェイラ追悼特集でかろうじて見ることができたアブラハム渓谷」が当然のようにダントツなのだが、本当に度胆を抜かれたのは新世界東映でたまたま見た「実録 私設銀座警察」。佐藤純弥の映画に何を今さら期待すんねんと舐めた俺をこの映画はたたき斬って棄てた。ありがとうと言いたい。