男の痰壺

映画の感想中心です

宮松と山下

★★★★ 12月5日(月) シネリーブル梅田4

監督集団「5月」とかいう3人の人たちによる長篇デビュー作品らしいが、その彼らが謳っているのが、まず手法ありきなんだそうで、こらはなかなか勇気のある発言だと思う。

撮った映画について聞くとき、テーマは何か?ってのがマスメディアの常套だけど、テーマなんてありません、手法の探求が撮る理由だ、ってのは本当は全然ありで、実はほんとのところそういう心持ちで映画撮ってる監督って多いんじゃなかろうか。

 

言ったとおり、スタイルは貫徹されていると思いました。主人公は映画のエキストラとロープウェイの整備員をしているが、どちらともじっくりと静謐とも言えるタッチで映画内に組み込まれている。エキストラの空洞感とロープウェイの宙吊り感は、記憶喪失がもたらすあやふやさとシンクロしていく。

 

物語の帰結は、ぶっちゃけそんだけ?なのだが、描法の貫徹された一貫性が補って余りあると思いました。

 

テーマより表現手法と謳って一応は納得させる出来。エキストラ仕事の空洞感とロープウェイ整備の宙吊り感が記憶喪失の齎すあやふやさとシンクロする。ネタを割ってみれば捻りない帰結であるが、激情演技を封殺された香川の内包する剣呑が緊張を担保する。(cinemascape)

 

kenironkun.hatenablog.com

kenironkun.hatenablog.com

kenironkun.hatenablog.com