男の痰壺

映画の感想中心です

みんなのヴァカンス

★★★★★ 2022年9月24日(土) シネマート心斎橋

ギヨーム・ブラックの映画は「女っ気なし」以来だけど、やっぱつくづくこの人の映画好きやなー思う。モテない野郎どものしがない日常を描いて、それに深ーく共振をする俺も又ちゃんとした人間なんだと勇気づけられるんすな。ってほんまかいなって話ですが。

 

夏のバカンス(なんで邦題わざわざヴァカンス?と思うがそれもまたオフビートでええやろ)を描いた映画でロメールの「夏物語」を思い浮かべるが、あれが海なのに対してこちらは川。その身の丈感もいい。

 

1夜の遊びで付き合ってもらった女を彼女のバカンスの地まで追いかけてくアホと、その男に付き合わされるお人好しと、車要員として騙されたボンクラの数日間の顛末。

 

ザコンネタから始まって、無駄に必死になるサイクリングや、誰も聞いてないのに悦に入るカラオケや、女に縁ない野郎どもの小ネタが一々効いている。俺の脳裏にイタイタしい記憶が去来する。

ただ、彼らはイジケたりはしないんです。カラ元気ではしゃぐこともない。自然体で状況を受け入れる。追っかけてた女が別の男とイチャイチャしたらそりゃムカツクけど、それでも何故か一緒にいる。

 

そんな退くに退けない生殺しのような彼らにも夏の陽光に包まれたヴァカンスは一握りの幸福を誰かに授けてくれるだろう。優しい映画なんです。

 

初期のカウリスマキジャームッシュの映画が持っていた幸福なオフビート感を見事に継承する映画だと思います。

 

 

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