★★★ 2024年6月10日(月) 大阪ステーションシティシネマ12
ゼンデイヤ見たくて観たのだがどうにも不発な感じです。彼女は制作までして入れ込んでたのに気の毒。
ハイスクールのトッププレイヤーなのだが、どうにもドタ走りの様が、ゼンデイヤ運動音痴なんやと思わせあかんと思う。そもそも俳優がスポーツのトップアスリートを演じる際に、多少トレーニングしたところで本物になれるわけない。そこを演出の手管でらしく見せるわけだが、演出者にスポーツへの造詣がなければ運痴が運痴と飯事遊びの体に陥るのだ。全てはグァダニーノの責任でありゼンデイヤ全然悪くありません。
【以下ネタバレです】
彼女と男子ダブルスの2人の何年間かにわたる物語なのだが、将来を嘱望された彼女は骨折事故で将来を断たれてしまう。その彼女がコーチ乃至はトレーナーとして再起をはかる物語かと思ってたら、その経緯はほとんど無い。おそらく撮ってた可能性もあるがカットされたんじゃないやろか。だってグァダニーノの関心は男の子2人にしかないんだから。ゼンデイヤにとっては誤算だったっす。
「突然炎のごとく」や「明日に向って撃て」や「冒険者たち」みたいな男2人と女1人の映画にとって黄金律とも言える設定のはずが、下手にBL要素を加味したために何だか煮え切らないものになってしまった。グァダニーノには自分を押さえてでも黄金律に殉じて欲しかった。
試合シーンで、やたらエモーションを喚起する音楽が使われる。一瞬オオーッ!と思わせるのだがことごとく寸止めである。
彼女の再起が前半佳境となる筈なのに割愛されて野郎どもの話にすり替えられる。だから中盤以降ゼンデイヤは何の為に映画に居るのかさえ覚束ない始末。降って湧いたBL要素も半端でどっちやねん。試合はやたら景気いい音楽で一瞬期待させるが悉く寸止め。(cinemascape)