★★★ 2019年4月20日(土) 梅田ブルク7シアター3
中島貞夫20年ぶりの監督作だそうだが、そんなことに俺は興味をそそられたわけではない。
だいたい、中島貞夫の映画で傑作といえるもんがあったんだろうか。
85歳の爺さんが撮る時代劇。
見る前から負けが確定してる気がする。
熊切和義が監督補佐についているので、なんとかするんちゃうかって期待もあったがなんともできなかったみたいです。たぶん、大阪芸大の講師と生徒っていう師弟関係なんだろけど、遠慮もするやろね。
殉愛っていうが、どうにも中途半端で、もっと相思相愛みたいなんじゃないと萌えることさえできません。
幕末が舞台で討幕・佐幕の相克が一応背景だが、片隅の物語で政治的なロジックは希薄。
ラスト30分の殺陣も売りにする割には凡庸であります。
東映京都のスタッフはテレビ時代劇の遣りかたをトレースするばかりで、正直安い。
それでも、俺がこれを見たのは、多部ちゃんファンだから。
彼女は良かった。
いやあ…久々に良かったわあ。
「日々是好日」の鬱憤が晴れました。
荒んだノンポリ侍が殉ずるほどの愛に見えないし、勤皇佐幕の軋轢を半端に持ち出すのも視点がぶれる。耐えて抑えた気持ちが爆裂するようなパッションに遠く終盤の大立ち回りも寸止め。東映京都の出来合い感も安く萎える気持ちの目覚ましは多部ちゃんのみ。(cinemascape)